株式会社ポーラ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:及川美紀)は、島根県の協力のもと、島根大学生物資源科学部生命科学科の室田佳恵子教授との共同研究の結果、島根県特産のブドウ品種「神紅」が栽培される過程で廃棄される副梢(葉茎)に、高い抗酸化効果やメラニン抑制効果があることを発見しました。この知見は、今後のポーラから発売される製品に活用されます。
- 「神紅」副梢(葉茎)エキスの抗酸化効果と活性成分
「神紅」の副梢(春から夏に摘み取られる葉茎)より50%エタノール水溶液で抽出したエキスについて、DPPHラジカル消去活性*で抗酸化効果を評価した結果、副梢エキスは、神紅の剪定枝(秋から冬に剪定した枝)や果実から抽出したエキスと比較して、高い抗酸化効果を示しました。(図1)また副梢(葉茎)エキスには、他の部位のエキスよりも高濃度のポリフェノールが含まれていました。(図2)さらに副梢(葉茎)エキスに含まれるポリフェノールの成分を分析した結果、ケルセチン及びケルセチン配糖体を多く含有し、これらが抗酸化の活性成分と考えられました。
*DPPHラジカル消去活性とは、人工的に作られたラジカルであるDPPH(ジフェニルピクリンヒドラジル)に対する消去活性で抗酸化効果を測定する方法。実験に用いた各エキスは、50%エタノール水溶液に対して重量比30%の乾燥物原料を浸漬し、20~25℃で1ヶ月間抽出。
- 「神紅」副梢(葉茎)エキスのチロシナーゼ活性阻害効果
「神紅」の副梢(葉茎)より50%エタノール水溶液で抽出したエキスには、メラニン生成を高めるチロシナーゼの活性を抑制する効果があることを発見しました。この効果は、副梢(葉茎)エキスに顕著に見られました。(図3)
L-DOPAにチロシナーゼと各エキスを添加して、チロシナーゼ活性阻害を色調で評価。エキス添加によりチロシナーゼ活性が抑制されると、標準(エキス無)よりも色が薄くなります。