これまでの10年で横浜の小学生のべ10万人超が生き物調査に参加!

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~こども「いきいき」生き物調査2022調査結果~

環境科学研究所では、横浜市立小学校340 校の小学生を対象に、家や学校の近くで見つけた生き物を報告してもらう調査を実施しています。令和4年は、159 校、10,552 人の小学生が回答し、里地里山的環境を代表する種であるアマガエルの確認率の減少や、特定外来生物であるクリハラリス(タイワンリス)の市内における分布状況把握など、今後の生物多様性保全に資する貴重な情報を得ることができました。
本調査は平成25 年から実施しており、今回で10 年目9 度目、参加児童数はのべ10 万人を超えました。

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https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kankyohozen/kansoku/science/naiyou/tayosei/ikiiki.html

【目的】
・地域の自然や生き物への関心を高めてもらうこと
・生物多様性保全に資する基礎データを取得すること

【調査方法】
令和4年の夏休み前に横浜市立小学校340校の5年生29,003人(令和4年5月1日現在)に調査票を配布し、過去1年間に「家や学校の近く」で見つけたり、鳴き声を聞いたりした生き物に対して○をつけてもらいました。

【調査対象とした生き物】
調査対象とした9種類の生き物は毎年変えており、生き物の分類(同定)のしやすさに配慮しながら、市内の自然環境を特徴づけるもの、減少又は増加傾向にあるものなどを選定しました。

【調査結果】
学校ごとに、対象の生き物を見つけた割合(以下、確認率)を集計し、その情報をもとに市内全域における確認率の高低を色の濃淡で示しました。9種類の生き物の中で、ノコギリクワガタ、アマガエル、つくしといった里地里山を代表する生き物の確認率は過年度調査と比較し減少傾向でした。市内の自然環境の変化、コロナ禍による行動自粛や行動変容の影響が考えられます。
本調査は、毎年、1万人以上の児童が参加することにより、横浜の生物多様性を知る上で、非常に精度の高い調査結果が得られています。結果の詳細は、報告書として横浜市環境科学研究所Webページに公開するとともに、全ての横浜市立小学校へ配布します。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kankyohozen/kansoku/science/naiyou/tayosei/ikiiki.html

・アマガエル:市全体の確認率37%

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里地里山の環境を代表する生き物で水田などに見られます。近年は水田環境の減少とともに、減少していることが懸念されています。
確認率の高い地域は北西部や南西部で、市内の水田の位置とほぼ一致しました。
市全体の確認率は過年度(2014年、2018年いずれも42%)から大きく減少しました。
コロナ禍による稲作体験の機会の減少など、子どもたちの自然との関わりが変化した可能性も考えられます。

・リス:市全体の確認率41%

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市内に生息するリスは外来種のクリハラリス(タイワンリス)であり、市全体の確認率は41%でした。
過年度調査までは、市全体の確認率が上昇し、生息範囲の北上や拡大などの変化が示唆されましたが、今回の結果は2019年の結果とほぼ同じで、生息拡大は落ち着いているように見えます。市北部を西から東へ流れる恩田川や鶴見川などの大きな河川が生息拡大を制限している可能性があります。
【その他】
確認率は観察場所へのアクセスのしやすさなど、さまざまな要因により変動し、必ずしも生き物の生息密度を表すものではありません。調査は長期的な視点での解析・考察が重要であり、来年以降も対象とする生き物の種類を変えながら継続実施する予定です。

問合せ:環境創造局環境科学研究所
TEL:045-453-2550

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