株式会社マンクス・ロフタン(本社:北海道札幌市)は、3月20日(月)「#2 食べるわたしたち – 生産の現場から、これからの食産業をともに考える – Presented by bokashi」と題して、食産業に関わる方々が横断的に繋がるイベントを、自社が運営する食を軸とした複合スペース「bokashi(ぼかし)」(札幌市大通)にて開催しました。
第一部は「ほっかいどうFarmer & Fisherman's Camp」として、東の食の会(東京都品川区)が企画し、震災後の東北でヒット商品と食産業を牽引するリーダーを輩出してきた「Farmer & Fisherman's Camp」の北海道版トライアルである勉強会を実施。第二部では札幌だけでなく下川、羅臼、上士幌、釧路など道内各地域から集まった参加者同士での交流会を行いました。第一部、第二部で約60名が集い会を創り上げました。
- 「#2 食べるわたしたち – 生産の現場から、これからの食産業をともに考える – Presented by bokashi」開催概要
【日時】3月20日(月) 第一部14時〜 / 第二部18時~
【対象】生産者(農業・漁業など)、食品加工業、食産業に関わる方々
【コンテンツ】
第一部 勉強会「ほっかいどうFarmer & Fisherman's Camp」
第二部 交流会「生産の現場から、これからの食産業をともに考える」
- プログラムレポート
第一部 「ほっかいどうFarmer & Fisherman's Camp」(14時~17時)
東の食の会の高橋大就さんによる顧客視点とマーケティング基礎勉強会
農家・漁師・猟師などの生産者、食品加工や販売に関わる方から自治体職員まで、業種も活動拠点もそれぞれの参加者35名の自己紹介から会はスタート。
東の食の会が震災後の東北地域の生産者や漁師など含めた食産業事業者向けに、食産業を牽引するリーダーに必要なスキルを学び、繋がり、連携し、行動する機会を10年以上提供してきた「Farmer & Fisherman's Camp」。通常3回行う勉強会のうち、今回はトライアルとしてマーケティングに関する内容としました。
現場の生産者とともに生み出してきた「サヴァ缶」や「アカモク」といったヒット商品も例に挙げながら、生産物をどのようにコミュニケーションして伝えて価値を高めていくか、顧客視点とは何か、といった話を高橋さんから聞いた後、ワークシートを使って参加者が考えるパート、そしてその内容を発表した参加者へのフィードバックや質疑応答の時間があり、短い時間ながら活発な意見交換が生まれていました。
また、高橋さんは前日から来道し余市などで生産者を訪問していたため、北海道という土地と生産現場の印象を熱く語る場面もありました。
目次
第二部 交流会「食べるわたしたち – 生産の現場から、これからの食産業をともに考える-」(18時~21時)
第二部は第一部に参加者に加え、「食のこれから」に関心がある方、地域を盛り上げ生産者を応援したい方などが集い、生産者と生活者、そして道内各地域同士の繋がりを作る交流会を行いました。
「北海道食べる通信」編集長 佐々木学さんのはじまりの挨拶では、食べる人としての目線から、森・海・畑に関わる人、加工する人、料理する人という、食材に対して様々な関わりを持つ人々の繋がりについての想いが語られました。
それから参加者6名程のグループをつくり、「食に関してモヤモヤしていること」「これからの食産業がどうなってほしいか」をディスカッション。グループごとにどんな話をしたか発表し、参加者同士の課題意識や連帯感が共有されたところで立食形式の交流会へ移ります。
水産資源減少の問題意識を広げ、改善・解決に向け水産業従事者と消費者を巻き込んだアクションを行う「2048project」の立ち上げ人、一鱗共同水産株式会社 本間雅広さんの音頭で乾杯。会場であるbokashiの1階飲食店bokashi Diningのオードブルの他、一部参加者から持ち寄られた飲食物の試食・試飲もあり、食を楽しみながらの和やかな交流の場になりました。
最後には東の食の会高橋さんから「北海道の食産業はすごい。福島も負けないぞという気持ちになった」というコメントがあり、会場は熱気に満ちていました。
- 参加者のコメント抜粋
「農業だけではなく、漁業、林業などもごちゃ混ぜなのが新しい」(栗山・農業)
「生産者、製造加工者、卸売業者、飲食店、が一同に集まれたのが良かった」(札幌・飲食)
「大変な熱量のイベントにもの凄く良い刺激を頂きました!」(釧路・猟師)
「加工品を使っていますが、今までは相対で販売していたところから、顔が見えない関係の中で販売することも増えたため、自分の商品をどう伝えていこうか知ることができた」(長沼・農業)
- 今後の展開
今回、東の食の会と連携した「ほっかいどうFarmer & Fisherman's Camp」はトライアル実施であり、今後は道内エリアで東北での開催実績と同じく、複数回にわたり実施する予定です。
食産業において大きなポテンシャルを持った北海道で、より広く多様なプレーヤーと応援者を巻き込んでいきたいと考えています。
また、bokashiでは"食べるわたしたち"と題して、食べるという営みや、わたしたちとは誰なのか、多様な角度から探求し捉えていく企画を継続的に行います。
生産者と消費者、都市と地方の境界をぼかしていくこと、食べられるもの/食べられないものなどをテーマに、様々な形態でイベントを開催していく予定です。
- パートナー
【企画協力・第一部講師】高橋大就さん
一般社団法人東の食の会 専務理事・福島県浜通り地域代表、一般社団法人「NoMAラボ」代表理事、「なみえ星降る農園」プロデューサー、オイシックス・ラ・大地株式会社 Global Executive Officer (GEO)、米国Purple Carrot社外取締役
1999年に外務省へ入省。日米安全保障問題や日米通商問題を担当した後、2008年に戦略コンサルティングのMcKinsey & Companyへ転職。
2011年、東日本大震災の直後から東北支援のNPOへ参画。同年6月、一般社団法人東の食の会を立ち上げ、事務局代表に就任。その後、並行してオイシックス株式会社執行役員(海外担当)に就任、Oisix Hong Kong、Oisix Shanghaiを立ち上げる。東の食の会では東北の食のプロデュースを行い、「サヴァ缶」や「アカモク」などのヒット商品や多くのヒーロー農家・漁師を生み出すと同時に、オイシックス・ラ・大地株式会社にて日本の食の輸出事業を展開。
2019年、福島第一原発事故周辺地域のまちづくりと社会課題解決ビジネスづくりに取組む「NoMAラボ」を立上げ、2020年に法人化。2021年4月、全町避難からの復興を進める福島県浪江町に完全移住。
現在、浪江町を拠点に、東の食の会にて、福島県浜通り地域の食のブランドづくりや「なみえ星降る農園」の運営を行うと同時に、NoMAラボにて、「なみえアートプロジェクト『なみえの記憶・なみえの未来』」を手掛けるなど、住民主体のまちづくりに取り組んでいる。
【運営協力】佐々木学さん
北海道食材探検家/北海道食べる通信編集長
株式会社わっか 代表取締役
わっかプランニング 代表
北海道食材探検家の肩書きで、道内の一次産業の現場を中心に取材、写真撮影から執筆、イラスト、組版まで行う。経営する株式会社わっかでは、デザインや映像制作のほか、「北大短角牛」のブランディング及び販売も手掛けている。
https://taberu.me/hokkaido/
https://table.wacca.life/
【運営協力】本間雅広さん
一鱗共同水産株式会社 経営企画室室長
2048project 事務局長
水産仲卸を営む会社で、市場での営業だけではなくPRに注力し自社の認知度向上に取り組むほか、
㈱GAKUとコラボした「一鱗酒場」を開店するなど、水産の新たな可能性と価値を生み出すため多面的に活動している。
https://www.ichiuroko.co.jp/
https://camp-fire.jp/projects/view/609064
- 関連リンク
● 各種リンク:https://linktr.ee/bokashi_
● Instagram:https://www.instagram.com/bokashi_sapporo/?hl=ja
● Instagram(bokashi Dining):https://www.instagram.com/bokashi.dining/
● Facebook:https://www.facebook.com/bokashi.jp
● Twitter:https://twitter.com/bokashi_info
● Web:https://bokashi.ink/
- 「bokashi(ぼかし)」について
意志ある循環社会の形成を目指して、食を入り口に、農林水産業から社会情勢まで含むあらゆる人間の営みや、森・川・海などの自然環境の多様で複雑な繋がりに触れるきっかけとなる飲食メニューや企画が集まる場所です。1階はマルシェとダイニング、2階はコワーキング利用やイベント貸出が可能な空間です。
● 「bokashi(ぼかし)」の由来:
「bokashi(ぼかし)」は、農業用語の「ぼかし」(米糠やおが屑などの有機物が発酵し肥料化して土に還元される工程)に由来しています。「ぼかし」においては、目に見えない微生物の活動に人間が適度に介在することで、生命の残渣が発酵し土に還元され、新たな生命を紡ぐよすがとなります。私たちは「ぼかし」になぞらえて、人間社会や産業・自然環境などの既成概念を問い直し社会に還元することで、”意志ある循環社会”の形成を目指します。また「濃淡の境をまろやかにする様」というぼかし本来の意味に重ねて、消費者と生産者、都市と地方、人と自然との境界をもぼかしていきたい、という想いも込めています。
- 株式会社マンクス・ロフタンについて
食を入り口に森羅万象の複雑な繋がりを探求する企画会社。
「bokashi」の構想〜コンセプト立案から、関連企画の立ち上げを担う。
Aoi Maeda 前田碧 | Co-Founder/Planner
https://linktr.ee/aoi_m
企画・体験設計に従事。視点をずらすことで、人間世界の当たり前をぼかしていきたい。脱人間中心を考える人間中心設計専門家有資格。
Jun Okura 大倉準 | Co-Founder/Farmer
https://www.facebook.com/jun.okura.5
https://www.instagram.com/jun_jun_okura/?hl=ja
農家になるため北海道に移住し10年目。農村と都市の関係をぼかし、美味しいブルーベリーの栽培と循環可能な都市建築の実現のため奔走中。
Lisa Park 朴理沙 | Co-Founder/Producer
https://linktr.ee/lisa_p
ベンチャー・大企業の事業開発や、地方の中小企業と伴走してきた経験を活かし、多種多様なセクターにある境界をぼかし共創することに取り組む。今もこれからも私たちが希望を持てる世の中にしたい。