プロの仕事を通して食卓と市場、その先の「海」を知る『日本さばけるアカデミーin大阪市中央卸売市場 本場』を開催しました!

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開催日/2023年3月29日(水) 場所/大阪市中央卸売市場 本場

日本さばけるプロジェクト実行委員会は、日本有数の巨大市場で海と食文化にまつわる様々な学びと体験を提供するイベント「日本さばけるアカデミー in 大阪市中央卸売市場 本場」を3月29日(水)に開催し、16組31名の親子が参加しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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  • 【日本さばけるアカデミーin大阪市中央卸売市場 本場】イベント概要

・開催概要:”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来に引き継ぐアクションの輪を広げる取り組みとして以下を実施しました。
①田村亮さん(ロンドンブーツ1号2号)による魚さばき実演&海と魚に関するトーク
②仲卸店での大型魚(サワラ・ブリ)さばき体験
③かつお節づくり(削り工程)の見学と試食
④アジのさばき体験
⑤大手海苔メーカーによる海苔と海についての話
⑥さばいた魚を使った手巻き寿司づくりと実食
・日程:2023年3月29日(水)9時~14時30分
・開催場所:大阪市中央卸売市場 本場(所在地:大阪府大阪市福島区野田1-1-86)
・参加人数:16組31名(例:小学4年~6年生と保護者)
・講師:有限会社井内水産 井内正幸さん、株式会社三谷鰹節店の皆さん、ニコニコのり株式会社の皆さん、岸田結花・國分晋吾(日本さばけるプロジェクト実行委員会事務局)
・主催:⽇本さばけるプロジェクト実⾏委員会
・共催:⽇本財団 海と⽇本プロジェクト
・協力団体:大阪市水産物卸協同組合、株式会社リースエンタープライズ
 

  • 田村亮さんが「釣り人」としてマナーを守る理由とは

国内有数の巨大市場で海と食文化について学ぶこの日。釣りに造詣が深く、海と触れ合う機会も多い田村亮さん(ロンドンブーツ1号2号)をゲストに迎え、まずは魚の中でも難しいとされるクロダイのさばきに挑戦していただきました。市場で活躍する仲卸、井内水産の井内正幸さんが「包丁の先を下に向けると骨に当たって進まず、上に向けると身が残ってしまうので、角度を調整しながら包丁を動かして」とアドバイス。亮さんは井内さんの技術に驚きながらも、子どもたちに見やすいよう、わかりやすいようにひとつひとつの工程を説明しながら丁寧にさばいていました。

続いて亮さんは、日本さばけるプロジェクト実行委員会事務局長の國分晋吾と対談。全国各地で釣りをしている経験を踏まえ、「釣れる魚が変わってきたのを通して海水温の上昇を実感している」と海洋環境の変化について実感を込めて語りました。釣り人のマナー悪化やごみの放置などが原因で、全国的に「釣り禁止」の場所が増えているとも指摘。「釣り場が減ると簡単に釣りに行けなくなり、海を体感して学ぶ機会が遠ざかってしまう。海を身近に感じられる状況を守るためにも、ごみを拾ったりマナーを守ったりするよう努めている」と話しました。最後に子どもたちに向け、「海や川の危険を知ったうえで、めっちゃ楽しんでほしい。なんだろうこれと思ったら今は簡単に調べられるから、体験しながら海の知識を増やしてほしい」と呼びかけました。

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  • 仲卸の仕事着で大型魚をさばき、日本が誇る出汁文化に触れる

亮さんの話を聞いた後、仲卸のコスチュームであるゴムエプロンと長靴姿に着替えた子どもたち。先ほど田村亮さんの魚さばきを指導した仲卸、井内水産を訪ね、家庭ではさばくのが難しい大型魚のさばきに挑戦します。これからさばく3kg以上超のサワラとブリを見て、「大きいー!」と歓声を上げる子どもたち。井内さんにリードしてもらいながら包丁を入れ、苦労しながら3枚におろすと、再び歓声が沸き起こりました。

市場内に店を構えるかつお節専門店、三谷鰹節店も訪問。カビの作用で乾燥・熟成させたかつおの本枯節(ほんかれぶし)、うるめ節、さば節など6種類の節について説明を受けた後、本枯節の削り工程を見学しました。削りたての削り節を試食し、その芳醇な香りと濃厚な旨みに驚く子どもたち。料理人が節の種類を用途に合わせて使い分けていることなども聞き、日本が世界に誇る出汁文化への理解を深めた様子でした。

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  • 海と食卓をつなぐ市場の役割に触れ、さばいて食べて実感する

続いて板前姿に着替えた子どもたち。安治川を見下ろす市場管理棟16階の教室に移動し、魚さばきの基本となるアジのさばきに挑戦しました。先ほど大型魚をさばいて包丁の扱い方に慣れたせいか、手際よく包丁を動かし、次々に三枚おろしに仕上げていきました。さばいたばかりのアジと、田村亮さんがさばいたクロダイ、井内さんと子どもたちが一緒にさばいたサワラとブリは、実行委員会スタッフが手巻き寿司用のネタに切り分けました。

ここで、大阪市に本社があるニコニコのり株式会社の皆さんが登場。海洋環境変化の影響を受けて、全国的に色付きの浅い海苔が増えていること、色付きが浅くても味はほとんど変わらないことなど、手巻き寿司に欠かせない海苔にまつわる話をしていただきました。海苔の2大産地である有明海と瀬戸内海では海の環境が異なり、海苔の歯ごたえや硬さが異なるとのお話もありました。

実行委員会事務局の國分晋吾も「多様な魚が全国から集まる市場があるから、季節に左右されずおいしい魚を味わうことができる」と話し、この日の会場となった卸売市場の役割を強調。「もともとは『生き物』だった魚が、漁師さんや市場の方の手を経て私たちの手元に届き、家族が心を込めて調理することで『食べ物』に変わる」と説明し、「感謝して味わってください」と呼びかけました。

感謝を込めた「いただきます」の後、自分たちの手で作った「手巻き寿司」と、三谷鰹節店のかつお節で出汁を取った「お吸い物」を親子で実食。瀬戸内産と有明産の2種類の海苔で手巻き寿司を作り、産地による食感の違いを実感する場面も。一日の体験を振り返りながら「漁師さんや市場の人に感謝して食べるとおいしいね」「普段食べているお魚よりもずっとおいしく感じるね」と自然と笑顔がこぼれました。

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  • 参加した子ども・保護者からの声

●参加児童
「魚の命に感謝して、その魚を食べることは大切だと改めて思った」(小4女子)
「いつもあたりまえのように魚を食べていたけど、そうではないことを学びました。食べるまえにさまざまな工程があることを知れてよかったです。よい機会になりました!」(小5男子)
「いつもお母さんにまかせっきりだったけど、くわしくやり方を教わったので次回は自分でやろうと思った。自分の行動で守れる海を、自分自身で守りたいと思った」(小5女子)
●保護者
「子どもが魚をさばくことに興味を持って参加しましたが、食材になるまでのストーリーについての学びもあり、親の私も充実した勉強ができました。何より子どもがうれしそうに参加し、楽しんでいる様子が見られたのがよかったです」(40代女性)
「アジのさばき体験で、子どもが皮ひきまで自分でやってみたいと言ったところに成長を感じました。逆に私が口出ししそうになってしまったので、気を付けなければと思いました」(40代男性)

<団体概要>

団体名称:日本さばけるプロジェクト実行委員会
URL:https://sabakeru.uminohi.jp/
活動内容:日本さばける塾に関するイベントの開催、及び運営に必要な業務。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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