- 世界22市場の主要上場企業525社を対象に、企業が掲げる価値観(バリュー)を調査
- 「人々・地域社会」に関する価値観が最多、コロナ前から11%の増加
- 「誠実さ」は、27.8%の企業が挙げる最多の価値観
戦略的コミュニケーション・アドバイザーの世界的組織である /amoネットワーク(以下、「/amo」)は、企業が重視する価値観に関する調査を、世界22の市場における最大手上場企業525社を対象に実施し、新型コロナウイルスの感染拡大による企業の価値観の変化を明らかにする調査結果「Values Most Valued」を発表しました。
今回初めて実施された本調査を通して、企業の「人々・地域社会」に対する関心が、新型コロナの世界的流行以前に比べ、明らかに高まっていることが判明しました。
本調査で /amo は、新型コロナ感染拡大が本格化する以前(2019年3月~2020年2月)とコロナ感染拡大後(2020年3月~2021年2月)の両期間において、対象企業が発行した年次報告書やウェブサイト等の公開情報を調査し、約2,300件(1社あたり平均4.3件)の価値観を特定・分析しました。また、個別の価値観をカテゴリーに分類し、より有意義な分析を実施しました。
激動の1年を経て、企業は 「人々・地域社会」 をより重視へ
本調査のカテゴリー別の価値観の分析では、対象企業の約半数(47.4%)が、広範な社会問題に関する価値観を少なくとも1つ、コロナ流行後の年次報告書等の公開情報に盛り込んでおり、コロナ前と比較して、11%増加しています。その結果、企業の価値観のカテゴリーとして、コロナ前にトップであった「倫理観・誠実さ」に代わり、コロナ後には「人々・地域社会」がトップに浮上しました。
/amoの会長であるアンガス・メイトランドは次のように述べています。「この1年は、100年に一度のパンデミックが発生し、企業のリーダーとしての資質が問われた激動の年でした。企業の価値観がどのように変化しているかについて明らかにした今回の調査報告書は、多少なりとも将来を楽観視できる要素となるでしょう。企業の価値観は、企業がステークホルダーからどのように見られたいかを明確に示すものです。調査対象となった企業の中でも、主要なコーポレートコミュニケーションツールである年次報告書に、自社の価値観を掲げている企業は、その志を公に示すだけでなく、自らが設定した高い基準で評価されることを望んでいるのです」
不確実性の高い時代には、「誠実さ」が最も重要な価値観
個別の価値観の分析では、「誠実さ」が最も多く挙げられ、対象となった企業の約27.8%が、年次報告書等の公開情報にこのような価値観を記載していたことが判明しました。次いで「革新性」、「尊重」の順となっており、コロナ前と変わらない順位となっています。第4位の 「責任」は、コロナ流行後はわずかに増加しましたが、一方で「サステナビリティ(持続可能性)」は約5%減少しました。
日本では、「誠実さ」に加えて、「信頼」もより重要に
日本企業の個別の価値観を分析すると、グローバルの結果と同様に、「誠実さ」が最も多く挙げられ、コロナ前にトップであった「革新性」を追い抜き、第1位となりました。また、「チームワーク」を挙げる企業も多く、コロナ前は第5位の価値観でしたが、コロナ流行後では「信頼」を重視する企業が増え、第5位が入れ替わる結果となりました。
本調査報告書「Values most Valued」の詳細(英語)はこちら(https://amo-global.com/fileadmin/user_upload/Corporate_Values_report_20210716.pdf)をご覧ください。
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