漁獲量全国トップクラスの静岡のしらすがピンチ!?小学生がしらすの徹底調査を通じて、駿河湾の環境変化を学ぶ『キッズサマースクール 駿河湾 東へ西へ調査隊(第1弾)』を開催しました!

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2023年7月31日~8日2日【静岡市・用宗エリア】

一般社団法人静岡UPは、静岡県の小学5・6年生を対象とした海を学習するプログラム『キッズサマースクール』を開催しました。今年は、「駿河湾 東へ西へ調査隊」と題して、第1弾では、県内全域から選ばれた19名が、駿河湾の西側に位置する静岡市の用宗エリアを舞台に、静岡県が全国トップクラスの漁獲量を誇る『しらす』について深掘り学習しながら、今、駿河湾に起きている環境変化を学びました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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  • イベント概要

・開催概要 静岡市の用宗エリアを舞台に「しらす」の学習・調査を行い、駿河湾の環境変化を学ぶ

・日  程 2023年7月31日(月)~8月2日(水)2泊3日
・開催場所 静岡市用宗エリア(用宗漁港、用宗魚市場、周辺の加工工場など)

・参加人数 静岡県全域から公募で選ばれた小学5・6年生19名(男子9名・女子10名)

・協力団体 静岡県水産・海洋技術研究所、静岡市経済局農林水産部水産漁港課、清水漁業協同組合用宗支所、

      用宗しらす船曳組合、株式会社マルカイ、有限会社カネナカ商店、株式会社クラブサリーズ、
      ビーチホテル ゴーシーズ、東海大学海洋学部

  • 今、用宗のしらすに何が起きている?

静岡県は、しらすの漁獲量が全国第3位(2021年)※1、しらす干しの消費量が全国第1位(2019年)※2 を誇る「しらす県」で、しらすは静岡県民の生活には欠かすことのできない水産物と言っても過言ではありません。イベントの舞台となる「用宗漁港」は、駿河湾の中央部よりやや西側、一級河川の安倍川河口付近に位置する、しらす漁が盛んな漁港(年間水揚げの95%以上がしらす)です。

しかし、残念ながら、近年の静岡県では、しらすの不漁が続いています。1日目、イベントのはじめに実施した、静岡県水産・海洋技術研究所の研究員さんや、漁業協同組合の担当者の講義によると、しらすの不漁の原因は、地球温暖化による黒潮の大蛇行に伴って駿河湾に流れ込む分流が不規則に変化していることや、駿河湾にやってくるしらすの親であるイワシの資源量が変化していること、台風などの自然災害にも起因する安倍川河口付近の海底の変化などが考えられているそうです。その事実を知った小学生からは驚きと落胆の声が上がると共に、これからも美味しいしらすを食べ続けるために、しらすの不漁を改善するためにはどうしたら良いのか?しらすに携わる人たちはどんな取り組みをしているか?など多くの質問が飛び交いました。2日目以降の体験学習でそれらの答えを自ら見つけていきます。

また、講義の後には、しらす(チリメン)の中に、しらす以外にどんな生物がいるのかを探す「チリメンモンスターを探せ」を行い、たくさんの生物が見つかり、駿河湾の多様性を実感することが出来ました。

※1 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」から算定 

※2 総務省統計局「家計調査」から各都道府県の1人当たりの支出金額を算定し、総務省統計局「小売物価統計調査」を利用し、各都道府県の物価を反映させ、消費量を算定

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  • 活気あふれるしらす漁の現場に潜入!目の前で水揚げされるしらすに感動!

2日目は、まだ目も覚めやらぬ早朝6時に用宗漁港に集合、実際にしらす漁を行う漁船(運搬船)に乗せてもらい、活気あふれる漁を体験しました。用宗のしらす漁は3隻1組で漁を行います。2つの船で30~40分間、網を曳き、「運搬船」と呼ばれるもう1隻が水揚げしたしらすを、船上で氷漬けにして、最速で港まで運びます。小学生たちは、初めて乗る漁船の揺れに悪戦苦闘しながらも、目の前で繰り広げれる漁の様子や船上で食べた生しらすの味に「今まで食べたしらすで一番美味しい!」と感動していました。漁の合間には、直接漁師さんから昔と今のしらす漁の違いや、漁の苦労話などを伺いました。

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  • 伝統のたたみしらす作りを体験!商品パッケージ制作にもチャレンジ!

続いて、しらすを使った伝統的な加工食品「たたみしらす(たたみいわし)」作りを体験しました。全国的にも「たたみしらす」を製造する会社が減ってきている中、用宗に加工場を構えるカネナカ商店さんは、100年以上伝統の製法を守りながら、「たたみしらす」の製造を続けています。小学生は、しらすを木枠に敷き詰めて成型し、専用のシートに拡げる作業を担当。少しコツがいる作業でしたが、作業員さんの指導の下、全員が作業成功。完成した「たたみしらす」はお土産としてもらい、今日の体験とともに家族に伝えます。

また、今回、カネナカ商店さんの協力で、小学生がデザインしたパッケージラベルを使用した「たたみしらす」の販売が実現することになり、班ごとに意見を出し合いながら、「たたみしらす」の魅力を伝えるパッケージラベルをデザインしました。販売開始は、10月頃になる見込みです。

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  • 海を楽しむアクティビティ・SUP(スタンド・アップ・パドルボード)を楽しもう!

3日目は用宗の海でSUPを楽しみました。初めに、海で安全に楽しく遊ぶために、海の持つ危険性と、ライフジャケットの重要性をしっかりと学習しました。特に夏は水難事故のニュースも多いため、小学生もスタッフもインストラクターさんの話を真剣に聞いて準備しました。

地元で長年生活しているインストラクターさんに、しらすに関わる人たちとは違った目線から駿河湾の魅力や変化などを聞きながら、10人乗りのビックSUPはしらす漁師さん達の連携プレーのように、仲間たちと協力して乗りこなして、用宗の海を満喫しました。

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  • 学びを多くの県民にアウトプット!JR東海道本線の中吊りポスターを制作!

イベントの最後に、自分たちの学んだことを振り返り、そして学んだことを多くの静岡県民に知ってもらうために、班ごとにアウトプットテーマを決め、学びをクイズ形式で伝えるポスターの制作を行いました。どんなことを伝えようか?文章の構成やイラストなどをどのようにしたらわかりやすいか?などを班のメンバーと話し合いながら、制作作業を進めました。完成したポスターは、2023年10月3日~10月16日(予定)の期間、愛知県の豊橋駅~熱海駅間を走行するJR東海道本線の1編成のポスターを全てジャックして掲出する予定です。

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2泊3日のキッズサマースクールを通じて、駿河湾やしらすの魅力や課題を五感で感じ、誰にも負けないくらいしらすに詳しくなると同時に、駿河湾が直面している問題を自分事化して考える貴重な体験となりました。

  • 参加した子どもからの声

・近年しらすが不漁であることを知らずにビックリしました。この学習で不漁の原因や駿河湾の変化を学習できて良かったです。友達にも教えてあげたいと思います。

・キッズサマースクールを通じて、魚の命を大切にすることを学びました。

・初めて会う子たちと仲良くなれるか心配でしたが、3日間楽しく過ごせました。漁船に乗り、漁の仕方や漁師さんのルーティーンが良くわかり、大変な仕事だと感じました。

・今回のイベントを機に、海洋ごみを拾ったり、少しずつでも地球環境を良くして行きたいです。

・ふだん食べているしらすは多くの人ががんばって獲ったり、作ったりしていることがわかりました。

・しらすはとれる量が減ってきている。ごみを減らすことで漁にも迷惑をかけないし、しらすが住みやすい海にすることができる。だからポイ捨ては絶対にやめようと思いました。

・しらすの不漁の原因のひとつに地球温暖化があることを知りました。地球温暖化が進行しないように、車ではなく自転車を使うなど、二酸化炭素の排出をなるべくしないような生活をしたいです。

・しらすが不漁であることを初めて知りました。地球温暖化をどうにかするのは難しいけど、食べ残しを減らすなど、地球にやさしいことをしていきたい。

<団体概要>

団体名称:一般社団法人静岡UP

URL:https://shizuoka.uminohi.jp/

活動内容:静岡県の豊かな海を未来に残すため、次世代を担う子供たちや若者を対象に、海に親しみその素晴らしさ、豊かさを知り、大切にする心を育てる運動を興し推進しています。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

https://uminohi.jp/

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