台湾で廃棄ガラスの回収からプロダクトの製造までを手がける「春池ガラス」が日本初となるポップアップを開催!展示やイベントを通じて、循環型社会の実現を目指す台湾企業のユニークな試みをご紹介します。
この秋、春池ガラス(春池玻璃 /本社 : 台湾新竹)は、日本で初となるポップアップ「透明○PACHINKO」をSHIBAURA HOUSE(東京港区)で開催します。日本のパチンコをモチーフにした展示空間で、台湾のクリエイターとのコラボレーションから生まれた、さまざまなガラスのプロダクトをご覧いただけます。
春池ガラスの廃棄ガラスの回収にとどまらない革新的な活動は、日本の廃棄物業界やデザインシーンにも新たな刺激となるはずです。展示は、2023年9月1日(日)〜17日(日)までSHIBAURA HOUSEの1F/2Fで行われます。春池ガラスののプロダクトが一斉に揃うのは日本初となります。この機会をお見逃しないよう、ぜひ足をお運びください。
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「透明◯PACHINKO」について
台湾を拠点とする「春池ガラス」は、国内の廃棄ガラスの70%を回収し、さらにクリエイターたちとのコラボレーションによって新たなプロダクトの設計・製造までを手がける企業。台湾における循環型経済の先駆者として活動してきた春池ガラスが、今後の日本での展開を見据えて初のポップアップ「透明◯PACHINKO」を開催します。
今回のポップアップ「透明○PACHINKO」の空間構成は、来場者自身がPACHINKO玉のように会場内をランダムに行き来し、設置されている春池ガラスのさまざまなプロダクトに触れることをねらいとしています。また会期中はトークイベントやミニワークショップも開催。それらを通じて春池ガラスが考える循環型社会への取り組みに触れることができます。
なお展示会場となっているSHIBAURA HOUSEは、建築家・妹島和世氏が設計した全面ガラス張りの建物。地域の人たちや海外からのゲストが日常的に交流しているコミュニティスペースです。今回は春池ガラスとSHIBAURA HOUSEが協働し、両者の共通項ともいえる「ガラス」の特性を最大限に活かした展示空間を目指しています。
展示空間では、「W Glass Project*」のガラス作品を展示販売。春池ガラスとコラボレーションした5名の作品を手に取ることができます。春池ガラスの製造技術とクリエイターのアイディアで作られたユニークな作品をお楽しみいただけます。
また、今回は1Fの喫茶にて、春池ガラスオリジナルの特別メニューもご用意。台湾らしいスイーツとドリンクを春池ガラスの器でご提供します。
今回のポップアップでは、春池ガラスの実践例から、日本における廃棄物の活用方法、デザインの在り方について考えます。デザインやクラフト、廃棄物産業といった専門分野の方々から一般の方までどなたでも楽しめる展示空間となります。
【開催概要】
・開催期間 : 2023年9月1日(金) – 2023年9月17日(日)
・時間 : 11:00 – 18:00 *最終日16:00まで
・入場料 : 無料
・場所 : SHIBAURA HOUSE 1F/2F(東京都港区芝浦3-15-4)
・主催 : 春池ガラス(春池玻璃實業有限公司)
・問い合わせ : [email protected]
※9月1日(金) 18:00より展示に関するプレゼンテーション、およびレセプションを開催します。メディア関係者の方は、ぜひお越しください。
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展示開催期間中のイベント
■ 呉 庭安 ✕ 長坂 常「世界を循環させる理念とデザイン」
今回、SHIBAURA HOUSEでのポップアップ「透明◯PACHINKO」(9/1〜17)の開催を記念して、建築家、長坂常さんをお迎えしたトークイベントを行います。
ガラス産業における地球環境への負荷を課題としながらも、会社自体の業態転換を図り、新しいガラスの価値を創造する春池ガラス。今回は会社を代表して、呉庭安さんがその理念やチャレンジのプロセス、社会的認知を高めるためのデザイナーとの協働、さらに将来的な日本での展開までを語ります。
対談相手の長坂常さんは呉さんが以前から注目していた建築家。トークでは長坂さんの最近の取り組みを織り交ぜながら、台湾と日本のコラボレーションのありかたを考えます。特に社会的な事業に携わる方、デザイナーや建築家、学生の皆さんにぜひ足を運んで頂きたいイベントです。
当日は以下のトピックを中心に展開します。
・革新を続ける春池ガラスのストーリー
・界が循環型社会に向かうなか、企業が求めるデザインの役割とは
・長坂さんによる自然環境や地域コミュニティと共存する建築のあり方
・春池ガラスと日本のクリエイターとのコラボレーションの可能性
呉 庭安 | ご・ていあん
春池ガラスの副総経理(日本の副社長にあたる)であり、W春池計画(W Glass Project)を立ち上げた。台湾にある世界最大の半導体受託製造企業であるTSMCで多国籍企業に関する経営投資戦略などの経験を経て、現在春池ガラスにてガラス素材のイノベーションを中心に、循環型経済を発展させるための活動を続けている。持続可能な企業の先駆者として春池ガラスの経営をしており、2018年に台湾の「総統イノベーション賞」にも受賞。
https://springpoolglass.com/
https://wglassproject.com/
長坂 常|ながさか・じょう
スキーマ建築計画代表。1998年東京藝術大学卒業後、自身のスタジオを設立。家具から建築、そして町づくりまで、幅広いジャンルで活動。どのサイズにおいても「1分の1」を意識し、素材から探求し設計を行う。日常にあるもの、既存の環境のなかから新しい視点や価値観を見出し、「引き算」「誤用」「知の更新」「見えない開発」「半建築」など独特な考え方を提示し続けている。
(Photo Credit : Yuriko Takagi)
【イベント概要】
・日時 : 2023年9月1日(金)19:00-21:00
・会場: SHIBAURA HOUSE 5F
・お申し込み: https://pachinkotalk.peatix.com
・参加費: 1,500円
・定員: 70名
*当日は日本語・中国語の通訳が入ります。
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春池ガラスについて
春池ガラスは、廃棄ガラスリサイクル会社として1970年に設立されました。本社のある新竹は、かつてガラス原料の珪砂と天然ガスが大量に貯蔵されていたこともあり、ガラス産業の集積地となっている場所です。春池ガラスは、年間10万トンの廃棄ガラスを回収し、台湾のガラスリサイクル総量の約70%を占めています。これによる年間の二酸化炭素排出量の削減は、東京ドーム約2,750個分の建設に相当すると言われています。
(Photo Credit : 春池ガラス)
さらに近年の春池ガラスは、廃棄ガラスの回収にとどまらず、素材開発・商品設計・販売までを一貫して行っています。最近では、デザイナーやアーティストと協働する「W Glass Project」をスタート。デザイン、アート、工芸の技術を融合しながら、ガラスだからこそ生まれる形や質感、美しさを追求しています。
また、春池ガラスの商品を割ってしまった際には返品し、新たな商品に交換できる仕組みもあります。こうした春池ガラスの活動は、消費者一人ひとりに循環型社会の一員としての意識を与えています。そして、従来はガラス産業においても、社会的にも低く見られていた回収事業を、むしろこれからの循環型社会のリーダーとしてのイメージに変えてきたとも言えます。
(Photo Credit : W春池計畫、@adash_aaa、宋修亞、Aaron)
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これまでの台湾での展示
春池ガラスは、これまでも台湾国内で、ユニークな展示会やアートイベントを開催してきました。それらの多くは、台湾の中でもトップレベルのデザイナーや建築家とコラボレーションにより実現されており、ガラス素材としての可能性を表現するとともに「循環」をテーマにしてきました。こうした質の高い展示によって、春池ガラスの社会的認知をさらに変えてきました。
2020年に開催された「〇循環設計展 THE LOOP」では、ワインの廃棄ガラスを利用したガラスビーズで敷き詰められたプールが設置されました。角が削られているため、参加者は足を踏み入れても怪我をすることなく、ガラスの質感を楽しむことができました。
(Photo Credit : Kris Kang)
昨年2022年の夏には、ガラスのコインを地域通貨のように流通させる「透明祭」を開催。マーケットやお店でこのコインを利用することができる仕組みで、台湾各地で展開を広げています。ゴミ減量や持続可能なリサイクルを呼びかけるとともに、地域に暮らす人々のつながりも作り出しています。
(Photo Credit:春池玻璃|W春池計畫+Photographer:林祐任、宋修亞、Aaron)