日本のデザイン関係者に向けてのオンライン発表会を実施
コロナ禍でさらに深まった日本と台湾との友情を「花」というモチーフで表現し、日本で“未来の花見” という名の宴を催すことで、再会を待ち望む気持ち、そして台湾の自由な文化と多様なデザインを届けたいという想いが込められています。
今回の関西への巡回では、日本の庭園の特徴となる京都の町家を選び、借景という手法で、テーマをより身近に感じ、日本と台湾との文化の融合・共演を表現しています。イベント開催にあたり、執行機関の台湾デザイン研究院 院長 張基義、会場キュレーションを手がけた「Plan b」と「草字頭(Double-Grass)」が登壇。オンラインにて発表会を実施しました。
■ 台湾デザイン研究院 院長 張基義 氏
最初に、台湾デザイン研究院 院長 張基義(チャン・キギ) 氏が登壇。「台湾はこれまでテクノロジーが強い国といわれてきましたが、近年は文化的ソフトパワーの発展に力を入れています。デザインの範疇もさらに拡大してイノベーション的な統合に向かっているところです。今回の展示会では、台湾の優れたアーティストやデザイナーが一堂に集まり、台湾のデザインの多様で自由な姿をご覧いただけるよう企画しました。約80年の歴史を持った町家「ザ ターミナル キョウト」を会場に展示することで、美しい作品が日本の歴史を持つ町家とどのような化学作用起こしていくのか楽しみにしています。台湾と日本が共に創る、共に反映していく絆を表現する場ともなることを願っています。皆様ぜひ足をお運びください」とメッセージを寄せました。
■キュレーター「Plan b」と「草字頭(Double-Grass)」が案内するオンラインツアー
最後に全体のキュレーションを手がける台湾気鋭のコンサルティングカンパニー「Plan b」とキュレーションファーム「草字頭」による会場の解説を開催しました。
■Plan b 游適任(ジャスティン・ヨウ)※画像上段左から3番目
「今回の展示会は花をモチーフとしています。花は進化し続けているものであり、同時に台湾でさまざまな産業が共生している象徴でもあります。さらに、花は台湾から日本へ届ける祝福でもあると考えています。今回『未来の花見』をテーマにして、台湾のデザインが百花繚乱であり、多元的で自由な力を持っていることを日本の皆様にお伝えできれば幸いです」と語りました。
■草字頭 黃偉倫(フランク・ファン)※画像上段左端
「『未来の花見』をテーマに、どうすれば台湾の特徴、あるいは今の時代性を表現できるのかを考えました。会場には台湾西部の平野、中央山脈、東の花東縦谷など風土や自然環境をイメージし、その中にデザイン作品を展示するなど、台湾の情熱、生命力を表現するよう試みました。特別に調合したアロマも用意しています。五感で台湾デザインの今を堪能してください」と説明しました。
会場では、台湾で最も注目を集める8組のクリエイターが、サステイナブルで再生可能な素材を使用し、台湾の植物のイメージを再解釈し、台湾のデザインエコシステムの多様性と協調性を表現した作品を展示します。
■展示作品のご紹介
「未来の花見:台湾ハウス」では、台湾デザインの特徴を「リソースの統合」、「社会への応用」、「時代に応じるパワー」の3つに分けて、台湾デザインの象徴的な10の事例をパネルでご紹介しています。今回はキュレーターの一人 Plan b 游適任から代表的な2つの事例を紹介いただきました。
■台湾の特徴的な2つの事例をご紹介
- 時代に応じるパワー / 組立式病室
MAC Wardコロナ対策で誕生した医療機関向けの組み立て式病室。48時間で組み立てることができる。医療廃棄物をアップサイクルした素材は、軽量で80%回収できる素材で作られている。AIモニタリングシステムも装置されていて遠隔操作で容態を見守ることができ、医療従事者の感染リスクを低減できるというメリットもある。今の社会に応じて必要なものを作り出していくというい、象徴的な事例。
- 社会への応用 / デザインムーブメント・オン・キャンパス
学生や教師など、学校に関わっている人がデザインについて考えることによって、社会全体の美意識を向上させる試み。応募した260校の中から選ばれた25校で導入。教室の中の収納システム、標識、テーブル、椅子など、学生と教職員らがさまざまな視点から課題と解決法を考え、どのようなデザインにすればいいのか討論しながら、デザイン思考を育んでいく。
「台湾の庭園」をイメージした会場では、台湾茶香水ブランドが桃園国際空港のために開発したオリジナルの香りで来場者を包み込むようにお出迎えします。
さらに会期中は、第一線で活躍する日本と台湾ゲストを迎えたオンライントークセッションも開催いたします。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
- 「未来の花見:台湾ハウス」京都展
日付:2021年10月23日(土)-11月7日(日)
時間:10:00~18:00
会場:ザ ターミナル キョウト(入場無料)
京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424番地
TEL :075-344-2544
公式サイト:https://www.taiwannow.org/jp/program?id=1
展示イベントの見どころ
- 1.台湾デザインの3つの特徴が展示
台湾デザインの特徴を「リソースの統合」、「社会への応用」、「時代に応じるパワー」の3つに分けて、台湾デザイン産業の象徴的な10の事例を紹介します。
- 2.会場デザイン:野の花園「The Fictional Garden」
空間デザインは、台湾の庭をイメージしています。 庭のデザインは、往生と精神性の探求はもちろんのこと、人間の文化と芸術、自然科学、社会学、技術、神話、文学などの多面性を常に反映しています。
会場では、「リサイクル可能な素材」、「最新の生産技術」、「伝統工芸」を切り口に、さまざまな分野のクリエイターと協力して、台湾の未来の庭を創造しました。島の西部・中央山脈・花東縱谷といった多様な気候帯や植物や人文に呼応するように、8組のクリエイターたちによる作品がレイアウトされています。
8組の台湾気鋭クリエイターによる展示
上段左から)張家翎(チャーリン・チャン)デザインクリエイター・messagingleaving創始者/劉 文瑄(ミア・リュウ)ビジュアルアーティスト/顏宏安(アン・イエン)アーティスト・クリエイティブディレクター/Melted potato
下段左から)廖 浩哲(リャオ・ハオズ)LANDHILLS ディレクター/ANGUS CHIANG ファッションデザイナー/無氏製作 PiliWu-Design/究方社 (JOEFANGSTUDIO)
- 3.香り:台湾の「島の息吹」を感じる – 国門香Breath Taiwan
会場では、台湾桃園国際空港株式会社のためにデザインされた、台湾を表現した爽やかな香りが漂い、来場者を包み込むようにお出迎えします。針葉樹林、シダーを使用し、自然の生態系と素晴らしい香りの宝庫である貴重なこの小さな島の森林を演劇的に解釈し、訪れた人は台湾に入ると、息を吸うことで一歩一歩台湾の土地を感じていただけます。「未来の花見:台湾ハウス」の野の花の庭で、台湾デザインのユニークな表情を息で感じ、体験していただけることを願っています。
- 4.会期中の記念トークセッション
「未来の花見:台湾ハウス」開催を記念して、ソーシャルデザイン、サスティナビリティ、パブリックデザイン、産地デザイン、生きるリノベーション、変化の時代の暮らし方と働き方をテーマに、日本と台湾のクリエイティブシーンの立役者によるクロストークを合計6回開催いたします。ご視聴は無料です。トークセッションの最新情報やアーカイブ情報を以下にて発信していきます。ご視聴は無料です。
「未来の花見:台湾ハウス」トークセッション : https://note.com/taiwan_house
- 記念トークイベント #4:日本と台湾の産地デザイン(終了)
登壇者:新山直広|TSUGI 代表、廖怡雅|藺子 創設者
ファシリテーター:金谷勉|CEMENT PRODUCE DESIGN 代表
日付:2021年10月25日(月)
時間:14:30~16:00 ※日本時間
お申し込みURL :https://taiwanhouse-211025.peatix.com/
- 記念トークイベント #5:生きるリノベーション
登壇者:魚谷繁礼|魚谷繁礼建築研究所 代表、游智惟|風尚旅行社 創設者
ファシリテーター:飯石藍|公共R不動産 コーディネーター
日付:2021年10月29日(金)
時間:19:00~20:30 ※日本時間
お申し込みURL :https://taiwanhouse-211029.peatix.com/
- 記念トークイベント #6:変化の時代の暮らし方と働き方
登壇者:原田祐馬|UMA / design farm 代表、方序中|究方社 代表
ファシリテーター:服部滋樹|graf 代表
日付:2021年11月05日(金)
時間:19:00~20:30 ※日本時間
お申し込みURL :https://taiwanhouse-211105.peatix.com/
主催|経済部工業局
実施|台湾デザイン研究院
協力|財団法人文化台湾基金会、公益財団法人日本デザイン振興会、ザ ターミナル キョウト
キュレーター|Plan b、Double-Grass
アドバイザー|method inc.