プラン・ユースが、気候変動政策への提言や勧告の受け入れを求める声明を発表
プランが活動しているアフリカのザンビアとジンバブエで実施した最近の調査では、気候変動の影響により、中途退学や早すぎる結婚を余儀なくされている女の子が増えていることが分かりました。
農業に依存している地域では、1つの農期の中で過度の降雨と乾季の両方を経験するなど、洪水・降雨パターンの変化や度重なる干ばつにより食料危機が深刻化しています。食料の入手が困難となり生活が不安定になってしまっている家庭では、娘を年配の男性と結婚させたり、商業的な性的搾取の犠牲にしてしまう事例も増えています。
また、経済的困窮に陥っている家庭では、男の子を優先的に学校に通わせ、女の子を後回しにすることが多く、例え学校に通えている場合でも、低地では洪水、高地では強風に見舞われ毎日の通学が困難になってしまう場合も見られます。
さらには、洪水により道路や橋の崩壊で遮断されコミュニティが孤立してしまったり、干ばつにより家から遠く離れた場所で水汲みを行わなければならないなど、女の子の安全が脅かされています。
プラン・インターナショナル 気候変動アドバイザー ジェシカ・クックのコメント
気候変動は、現代における世代間やジェンダー、社会における最大の不正義のひとつです。差別的な社会規範やジェンダー規範により、女の子や女性たちは、気候変動の影響を最も受けやすく、本来享受すべき権利や機会を奪われてしまっています。地球温暖化を1.5℃以下に抑えることができなければ、気候変動の影響はさらに大きくなり、ジェンダー平等と正義に向けた歩みは後退してしまいます。
COP26は、女の子の権利を主張する重要な機会です。思春期の女の子や若い女性たちは、気候危機の影響を受けやすい一方で、適切な対策を講ずる力を備えています。だからこそ、彼女たちのニーズ、彼女たちが経験している気候変動の影響、そして彼女たちが求めている解決策や提言について、女の子たちが発言力を高めること、そして彼女たちの声に耳を傾けることがかつてないほど重要なのです。
「気候変動教育とユース・リーダーシップの再考:調査レポート」 を発表
プランは、COP26に先立ち、気候変動問題とユースの関わりについてまとめたレポート「気候変動教育とユース・リーダーシップの再考:調査レポート」 を発表しました。
https://www.plan-international.jp/about/pdf/2021_Climate-Education_JP.pdf
目的:気候変動に関するユースの意見や経験を知ること
対象:37カ国の15~24歳のユース約1800人
調査方法:「気候変動への懸念」「気候変動に関する教育」「気候変動政策プロセスへの参加」についてのアンケート調査
調査結果 ・ ユースの98%が気候変動に不安を感じている ・ ほとんどのユースは、気候変動について学校(81%)、ソーシャルメディア(69%)、またはインターネット(57%)で学んだことがある。学校では、自然科学の授業(67%)で学ぶことが多く、社会科学の授業(32%)ではあまり取り上げられていない ・ 約半数が、「パリ協定」を知らないと回答 ※パリ協定:温室効果ガス削減に関する国際的な取り決めを話し合う「第21回国連気候変動枠組条約国会議(通称COP21)」(2015年)において、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑えること、そのために温室効果ガスの正味排出量を削減させることを合意した協定 ・ 10人中8人が、気候変動政策を決定する過程に自分たちも参加したいと考えているが、実際に参加したことがあるユースは少ない |
COP26にむけたプラン・ユースからの声明
https://www.plan-international.jp/about/pdf/COP26.pdf
レポート発表とあわせて、COP26におけるユースの会議や交渉プロセスへの参加、そして気候変動政策への提言や勧告の受け入れを求めるユースの声明も発表しました。
プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発をすすめてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。 |