約6割の学校が「LGBTQ」の生徒・児童に関する服装の配慮を導入・検討中

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~調査レポート「カンコーホームルーム」Vol.189「ジェンダーレス制服」の導入背景~

菅公学生服株式会社 (本社:岡山市北区駅元町、代表取締役社長:尾崎 茂)が毎月最終火曜日に結果を発信している調査レポート「カンコーホームルーム 」Vol.189にて、「ジェンダーレス制服」の導入背景に関する調査データを公開しました。 

近年、ファッション業界で「ジェンダーレス」という性別に関係なく着ることのできるファッションが注目されています。この潮流は、学校制服においても見られ、男女兼用のブレザータイプの制服や、今までスカートのみだった女子制服にスラックスを導入する動きが増加しています。そこで、「ジェンダーレス制服」がどのような背景で広がっているのか、全国の小中高校の教員を対象に、服装による「LGBTQ*1」の生徒・児童への配慮の現状や、学校での「LGBTQ」生徒・児童の把握状況、「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイルについて調査しました。

*1「LGBTQ」とは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニング(Q)の性的少数派の中で代表的な5つの頭文字を取った総称です。

◆調査結果サマリー

●「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮の現状は、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校が服装の配慮を導入・検討中

●「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況は、小学校は約1割、中学・高校では約3割になり、小学校に比べ中学・高校で増加している

●学校が考える「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイルは、「女子のスラックス制服の採用」(50.1%)が最も多く、次に「スカート・スラックス・リボン・ネクタイなど男女関係なく、自由に選べるようにする」(36.0%)、「男女共通デザインのブレザーの採用」(35.4%)などがあげられている

◆調査概要

●調査対象:全国の小中高校の教員 1,800人
●調査方法:インターネットリサーチ
●実施時期:2021年6月

※結果公開URL:https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom/vol189

※本調査を引用・転載いただく際は、こちらからお申込みください https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/quotation

◆調査結果

1.服装による「LGBTQ」の生徒・児童への配慮の現状

小中高校の「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮の現状は、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校でなんらかの服装の配慮を導入・検討中と回答しています。一方で、「服装による配慮はしていない」(40.3%)という学校も約4割あります。

Q.あなたの学校は、服装によるLGBTQの生徒・児童への配慮はされていますか。(単数回答)

  ※ グラフの数字は、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

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2.学校での「LGBTQ」生徒・児童の把握状況

小中高校における「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況については、小学校では、LGBTQの児童が「いる」(10.9%)ですが、中学・高校では「いる」(中学校32.0%、高等学校31.1%、中高一貫教育校36.0%)が増え、学校が把握しているLGBTQの生徒・児童の割合が高くなります。

Q.あなたの学校には、LGBTQの生徒・児童は在籍されていますか。(単数回答)

  ※ グラフの数字は、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

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3.「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイル

学校が考える「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うものは、「女子のスラックス制服の採用」(50.1%)が最も多く、次に「スカート・スラックス・リボン・ネクタイなど男女関係なく自由に選べるようにする」(36.0%)、「男女共通デザインのブレザー制服の採用」(35.4%)などがあげられました。

Q. LGBTQの生徒・児童への服装の配慮として良いと思うものは何ですか。(複数回答)
 

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◆まとめ

文部科学省より、「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という周知資料が2016年に発表され、各学校では、服装、髪型、トイレなど対応の幅を広げています。
今回、全国の小中高校の教員1,800人を対象に、「LGBTQ」の生徒への服装の配慮の現状を調べたところ、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校が服装の配慮を導入・検討中のようです。「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況は、小学校は約1割、中学・高校では約3割になり、小学校に比べ中学・高校で増加していることがわかります。学校が考える「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイルは、「女子のスラックス制服の採用」(50.1%)が最も多く、次に「スカート・スラックス・リボン・ネクタイなど男女関係なく、自由に選べるようにする」(36.0%)、「男女共通デザインのブレザーの採用」(35.4%)などがあげられています。
「LGBTQ」の中でも、特にトランスジェンダー(T)と呼ばれる自身の性別に違和を感じている生徒・児童は服装に悩みを抱えていることが多いことからの、「ジェンダーレス制服」の必要性は高まっているようです。今、学校制服は、生徒・児童一人ひとりが『自分らしく』、誰もが心地よく着ることのできる制服が求められています。

【菅公学生服株式会社】

1854年(安政元年)創業。学校制服・体操服に代表される「ものづくり」と子どもたちが未来を生きるために必要な力を育む「ひとづくり」を通じて、子どもたちと学校を取り巻くさまざまな社会課題を解決するスクールソリューションカンパニー。

【カンコーホームルーム】

菅公学生服株式会社が、生徒を取り巻く環境や生徒の意識・ライフスタイルについて多角的に調査・分析し、毎月最終火曜日に、結果を発信している調査レポート。テーマは、「中高生が着たい制服・体操服」、「部活動で身につく力」、「学校教育とSDGs」など多岐にわたる。調査結果は、当社の事業エビデンスとしてだけでなく、広く一般に公開することで論文や教材、新聞・テレビ番組で引用転載されるなど、多方面でも活用されている。

発行日:毎月1回最終火曜日更新

公開方法:WEB https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom

調査テーマの募集、ご意見・ご要望受付フォーム: https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/demand
 

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