内航船舶や鉄道建設現場におけるバイオ燃料の利用促進に向けて
近年、地球温暖化対策は益々重要な課題となっており、本年5月に成立した改正地球温暖化対策推進法にも2050年カーボンニュートラルの実現を目指すという基本理念が明記されました。この方針を踏まえて、環境にやさしい交通モードである内航船舶や鉄道分野においても、温室効果ガス排出量の一層の削減が求められているところです。
内燃機関の動力源となる燃料については、化石燃料の代替燃料として近年バイオ燃料に注目が集まっています。バイオ燃料は、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料に製造される燃料で、燃焼段階では二酸化炭素(CO2)を排出するものの、原料となるバイオマスの成長過程で光合成によってCO2が吸収されるため、燃料使用による大気中のCO2増加量が化石燃料と比較し大幅に削減されることになるカーボンニュートラルの概念を有する燃料です。
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」という。)は、鉄道建設や船舶共有建造などによる、持続可能で強靱(レジリエント)かつ環境にやさしい交通体系の整備を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の理念に沿った事業を行っています。
株式会社ユーグレナ(以下「ユーグレナ社」という。)は、世界ではじめて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養を実現後、2010年からバイオ燃料の研究を開始しました。その後、2018年に日本初のバイオ燃料製造実証プラントの竣工、2020年にバイオディーゼル燃料の供給を開始し、現在ではバス、配送車などでバイオ燃料の導入が拡大しています。ユーグレナ社が継続的に製造する次世代バイオディーゼル燃料(本年6月29日に「サステオ」と命名。)は微細藻類ユーグレナから抽出した油脂と使用済み食用油を原料としており、車両自体の内燃機関を変更することなく使用することが可能です。(別添1参照)
鉄道・運輸機構とユーグレナ社は、SDGsの理念に基づき、温室効果ガス排出量の一層の削減を進めるための有効な対応方策の一つとしてバイオ燃料のさらなる利用の可能性を探るため、連携を図ることと致しました。
以上のようなことから、鉄道・運輸機構とユーグレナ社は、今般(7月7日)、包括連携に関する基本合意書を締結することになりました。(基本合意書の内容は、別添2参照)
本合意に基づき、今後、内航船舶や鉄道建設現場におけるバイオ燃料利用の可能性を探る取組みを推進する予定です。(別添3、別添4参照)
鉄道・運輸機構は、今後とも課題解決に向けた取組みを推進するため、先駆的な活動を行っている者との連携を進めていく所存です。
別添:https://prtimes.jp/a/?f=d36462-224-pdf-0.pdf