「白杖」「晴眼者」って読めますか?視覚障害者に声をかける割合は?
<調査結果のサマリー>
- 約6割が「白杖」を読めず。9割以上が「晴眼者」の読みや、意味わからず。
- 視覚障害者の意外な行動とは?約4割が「スマホを使っている」「映画を観ている」が意外だと回答。さらに、約3割が「点字が読めない」のも意外だと回答。
- 視覚障害者への正しいサポート方法、約9割が認知せず。困っている視覚障害者に「声をかけたい」7割が回答。しかし実態は2割。声をかけたい理由/かけたくない理由とは?
- 住みやすい社会のために必要だと思うこと、1位は「健常者の理解」。
- 知っている視覚に障害がある著名人は?1位はピアニストの辻井伸行さん、2位はスティービー・ワンダーさん、3位はタモリさん
全文調査レポートページ(PLAYERSホームページ内)
https://www.players.or.jp/post/211029
参考:以前実施の視覚障害者へのアンケート調査結果はこちら。
https://www.players.or.jp/post/210409
*以下調査結果(抜粋)
- ポイント①:約6割が「白杖」の読み方がわからない。9割以上が「晴眼者」の読み方や、意味を知らない現状。
「白杖」(はくじょう)の読み方を聞いたところ、正解した人は40.9%にとどまりました。
なお、白杖の用途について知っていると回答した方は、94.3%となりました。白杖の用途は知られているものの、名称までは理解が進んでいない状況がわかりました。
次に、視覚障害をもたない人を指す「晴眼者」(せいがんしゃ)という言葉を聞いた経験については、85.2%が聞いたことがないと回答、意味を知らない人も合わせると93.5%にものぼります。
- ポイント②:視覚障害者の意外な行動とは?約4割が「スマホを使っている」「映画を観ている」が意外だと回答。
「もし次のような視覚障害者の方を見かけたら、意外に感じるか」と質問したところ、「スマホを使うのは意外」と回答した人は、37.9%にのぼりました。「白杖=失明」ではなく、多少は見える「弱視」の方もおり、スマホを使う方もいます。しかしながら現状は、誤った印象を持つ方がいることがわかりました。
同様に「映画を観るのは意外」と回答した人は、41.1%にものぼりました。視覚障害者が映画を観る際は、場面や人物の表情を説明する「音声ガイド」を活用しますが、晴眼者の方には認識されていないことが明らかになりました。
- 3割が「白杖を持ち歩いていない人」「点字が読めない」人も意外と回答。
「外出時に白杖を使用していないのは意外」と回答した人は、33.4%にのぼりました。視覚障害者の中には、障害があることを知られたくないという思いをお持ちの方もおり、そのような方は白杖を持たれないケースもあります。
また、「点字が読めないのは意外」と回答した人は、26.2%にのぼりました。総務省のデータによると、点字の識字率は、約10%と言われており、読めない視覚障害者の方が大多数の状況となっています。
- ポイント③:視覚障害者への正しいサポート方法、約9割が認知せず。
「視覚障害者に接するときの正しいサポート方法を知っているか」と質問したところ、86%が「知らない」と回答。さらに、サポート方法として正しいと思うものを選んでもらう質問についても、19%の方が「わからない」と回答しています。
- 困っている視覚障害者を見かけたら「声をかけたい」と7割が回答。しかし、実態は2割。声をかけたい理由/かけたくない理由とは?
「視覚障害者が街中で困っている時に、声をかけるべきか?声をかけたいか?」と聞いたところ、74.4%が声をかけるべきだと思う、と回答。70.2%が声をかけたいと回答しました。
一方、声をかけたくない理由には、「解決できるかわからない」「自信がない」「勇気がない」「時間の余裕がない」「何をしたらいいのかわからない」というものがありました。サポート方法の認知が進めば、困ってる視覚障害者に声をかけられる機会も増えるかもしれません。
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<声をかけたいと思う理由>(抜粋)
・勇気がいることだが、声をかけたいと思う。
・もし自分が逆の立場だったならば、声を掛けてもらいたいと思うから。
・そういう人でいたいと思うから。
・自分も小さい頃助けてもらったから。
・見て見ぬふりは自分自身も後悔しそうだから。
・自分も障害者で困っている時に助けてもらったから。
・役に立てることがあれば、私自身も嬉しいと思う。
・ちょっとたじろいでしまいそうだが、そうしたいと思う。
・健常者以上に困っていると思うし、危険だと思うから。
・困った人を目の前に無視するのは 人としてどうかと思う為。
<声をかけたくない理由>(抜粋)
・どう声掛けしたらよいかわからないから。気が引ける。
・うまく対応できない気がする。適切な行為ができる自信がない。
・解決できるか分からないから。良かれと思うことが、不安や迷惑になるのではないか。
・話しかける勇気がない。
・何か起きたときに下手に関わったことで責任を問われる可能性があるから。
・障害者がみな、いい人とは限らない。
・かけたいと思うが、外出時は時間に追われてゆとりがなく声を掛けられない。
・コロナのこともあり、声かけしにくい。
・もし手助けを必要としていなかったら、声をかけた自分が恥ずかしいから。
・そのひとの集中力を中断させてしまう恐れがある。
・危険な状況の場合、声をかけようと思うが、それ以外の場面で声をかけることは目が見えない人を見下した偽善に感じるから。
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- 現実には「声掛け経験」は2割のみ。
「視覚障害者が街中で困っている時に、実際に声をかけたこと」の有無について聞いたところ、81.0%が声をかけたことがない、と回答。7割以上が声をかけるべき/かけたいと思っているにも関わらず、2割しか声かけ経験がないことが明らかになりました。
- ポイント④:住みやすい社会のために必要だと思うこと、1位は「健常者の理解」。
「視覚障害のある人が住みやすい社会を作っていくにあたり、重要だと思うこと」を聞いたところ、28.9%が「健常者の理解」と回答。「駅構内のホームドア」(21.1%)や「歩行しやすい道路整備」(13.7%)といったインフラ面よりも、自分たちの理解を高めることが重要だと思っている人が多い結果となりました。
- ポイント⑤知っている視覚に障害がある著名人は?1位はピアニストの辻井伸行さん、2位はスティービー・ワンダーさん、3位はタモリさん
最後に「有名人で視覚に障害がある人」について自由回答で質問したところ、1,000人のうち193人から回答が得られ、1位がピアニストの辻井伸行さん(66人)、2位がスティービー・ワンダーさん(36人)、3位には、小学生のころに、けがをして右目を失明された、タモリさん(12人)という結果になりました。
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<本調査概要>
調 査 名:「晴眼者の『視覚障害』に関するアンケート」
調査期間:2021年9月17日(金)~2021年9月21日(火)
調査対象:全国の晴眼者/20代から60代の男女、計1,000人(性年代均等割付)
調査方法:インターネット
エ リ ア:全国
本調査を貴媒体にてご紹介いただく際は、以下表記を必ずご利用ください。
「晴眼者の『視覚障害』に関するアンケート/一般社団法人PLAYERS」
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一般社団法人PLAYERS
PLAYERSは「一緒になってワクワクし 世の中の問題に立ち向かう」をスローガンとした、プロトタイピングチームです。
社会が抱える様々な問題に対し、当事者との共創ワークショップを通じて、リサーチ・アイディエーション・プロトタイピングをアジャイルで実行します。 また、ヴィジョンに共感いただいた企業と連携し、社会実装を推進することで、問題を解決へと導きます。
https://www.players.or.jp/
<主な活動実績>
2019年 日本財団「ソーシャルイノベーションアワード2019」ファイナリスト(&HAND)
2019年 JR西日本「UMEKITA INNOVATION CHALLENGE」優秀賞(VIBLO・BLIND ATTENDANT)
2018年 「KIDS DESIGN AWARD」 受賞(&HAND)
2017年 LINE「LINE BOT AWARDS」グランプリ(&HAND)
2016年 Google「Android Experiments OBJECT」グランプリ(スマート・マタニティマーク)
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【ご取材募集中】
PLAYERSでは、「視覚障害」関連プロジェクトを進行中です!
PLAYERSでは、“心の声に耳を傾ける”新感覚ダイアログワークショップである「視覚障害者からの問いかけ」
(https://toikake-blind.jp)プロジェクトのほか、大手スポーツメーカーと全く新しい「白杖」プロジェクトを、視覚障害当事者のメンバーも含めて進行しています。
これらのプロジェクトも、正式発表前からのご取材もご相談可能ですので、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。
- <ご取材可能なもの>
- PLAYERSやPLAYERSメンバーについて
- 視覚障害当事者メンバーへのご取材
- 進行中のプロジェクト(「視覚障害者からの問いかけ)や、スポーツメーカーとの「新白杖」プロジェクトなど)
■参考プロジェクト:視覚障害者の「白杖」に関するアンケート結果
https://www.players.or.jp/post/210409
■参考プロジェクト:新感覚ダイアログワークショップ「視覚障害者からの問いかけ」
「視覚障害者からの問いかけ(ベータ版)」レポート
https://www.players.or.jp/post/200811
■参考プロジェクト:「ブラインドサッカー日本選手権」でのボランティア体験会レポート
https://www.players.or.jp/post/2019017
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