https://event.samurai-incubate.asia/sendai-new-public/
本プログラムは、仙台市が取り組む”起業家を生み育てるエコシステム構築”の一環として、SDGsの達成に向けた社会課題解決ビジネスの創出を目指しています。採択者決定にあたり、「新規性」「将来性」「実現性」「適合性(仙台・東北地域でのシナジー等)」の4つの観点で審査を実施。仙台市の行政・地域課題に着目した優先的に取り組む5つのSDGsテーマを中心に課題解決に寄与する研究開発、ICTなど独自のテクノロジーを有する7名を選出いたしました。(採択者7名のうち3名は昨年度採択者の継続支援。)
※採択者詳細は2ページ目をご参照ください。
今後は、仙台市とサムライインキュベート支援のもと、採択者それぞれの事業創出フェーズに応じて「事業計画のブラッシュアップ」「事業コンセプトの創出」「ニーズ検証」を行うことに加え、「実証実験」などの事業化へ向けた具体的な取り組みを行います。また、来年開催のDemoDayにて本プログラム期間における成果発表を行う予定です。
仙台市とサムライインキュベートは、本プログラムを通じて、仙台市にとどまることなく、東北地域をはじめ国内外の課題解決に貢献する事業や起業家を生み育てるエコシステムの構築に取り組んでまいります。
■採択者7名(代表者五十音順)
1)
SDGsテーマ
代表者名:伊藤 暁彦
所属:横浜国立大学大学院環境情報研究院
職名:准教授
取組み内容:
自発的に相分離構造を形成するセラミックス結晶を低温かつ短時間に育成できる材料合成技術の開発を進めてきました。このプログラムを通じて事業コンセプトを明確化し、放射性治療薬や放射性施設を安全に利用するための撮像素子向け蛍光体としての事業化を検証します。
2)
SDGsテーマ
代表者名:金子 萌
所属:株式会社想ひ人(設立準備中)
職名:代表取締役
取り組み内容:
ケアラー、家族、患者の三者全員が介護中心ではなく自分の望む人生を送れる“Life Care Balance”を実現するための、ぬいぐるみ型ケアラーアシスタント。ケアラーへの介護負担の偏りを解決するため、スマートスピーカーを搭載したぬいぐるみがケアラーとの会話を通じて介護状況をヒアリングし記録・ストレス度を検知して労い・癒しを提供します。また記録した介護状況を適宜サポーターにLINE上で共有することでサポーターの支援を促進して、ケアラーの介護負担を軽減させます。
3)
SDGsテーマ
代表者名:菅野 恵美
所属:東北大学大学院 医学系研究科
職名:看護アセスメント学分野准教授
取組み内容:
看護師としての臨床経験の後、創傷治癒に関する基礎研究を15年間継続しています。2016年「高分散性ナノ型乳酸菌(加熱死菌)」と出会い、免疫を介して傷の治りを促進する効果を発見しました。2020年の本プログラムにより、創傷以外の分野への展開として女性の健康を支えるプロダクトのニーズを確認しており、今回さらにコンセプトをブラッシュアップしたいと考えています。
4)
SDGsテーマ
代表者名:酒井 正夫
所属:ゼロワ株式会社/東北大学
職名:取締役CTO/東北大学データ科学・AI教育研究センター准教授
取組み内容:
東北大学での研究成果に基づく先進の分散コンピューティング技術をベースにした、個人データの保護・活用システムの開発を行っています。本プログラムでは、仙台市が抱える社会・行政上の多様な課題に対して、市民の皆様のお力を積極的にお借りしながら、効率的かつ効果的に、そして楽しく解決するためのプラットフォームの開発に取り組みます。
5)
SDGsテーマ
代表者名:関口 雄介
所属:東北大学病院
職名:理学療法士
取り組み内容:
超高齢社会の日本では、中高年層、高齢者での発症率が高い脳卒中(脳血管疾患)患者が増加し、今後も国民医療費を圧迫していくことが見込まれます。さらに、医療従事者不足も大きな社会問題となっており、仙台を中心とする東北地方においては、65歳以上の高齢者1名あたりの療法士数が全国平均に対して少ないのが現状です。代表者らのチームは,このような社会的課題を解決するため、リハビリ医療業務の効率化とリハビリの「質」向上を両立させる、脳卒中患者の歩行データに基づくAI歩行診断システムを開発し、その事業化を目指しています。
※昨年度採択者である大脇 大氏との共同開発者として今回のプログラムにおいて主担当を務めます。
6)
SDGsテーマ
代表者名:萩原 嘉廣
所属:東北大学大学院 医学系研究科
職名:スポーツ・運動機能再建医学寄附講座 准教授
取組み内容:
超高齢社会を迎えた本邦では、高齢者の増加に伴って骨折患者も増加しています。現在市販されている骨折用プレートは骨にぴったりフィットしない場合もあり、患者さんの骨の形に合った骨折用プレートを早く、安く製造できることが理想です。東北大学で開発された金属粉、金属積層技術、および医師自らが骨折用プレートをデザインできるソフトウエアを組み合わせることで、カスタムメイド型骨折用プレートの実現が可能となります。
7)
SDGsテーマ
代表者名:松尾 歩
所属:東北大学大学院院農学研究科
職名:助教
取組み内容:
加工品であっても原材料の品種・種を特定可能な独自のDNA分析技術を活かし、従来の「情報による追跡」に「科学的証拠(DNA情報)に基づく追跡」を加えた食品の新トレーサビリティシステムの構築を目指しています。同時に、DNA情報を活用した効率的な新品種の開発や病害虫の迅速な診断に関する事業についても事業化を進めています。「日本の農林水産業に携わる全ての方たちの縁の下の力持ちになる!」それが私達の目標です。
■優先的に取り組む課題・テーマ5つのSDGsテーマ
SDGs17の目標の中でも特に本プログラムで優先的に取り組む課題・テーマ
高齢化・長寿命化の進展における様々な医療介護費の低減や支援人材不足の解消
地域・人口・収入による格差に対するギャップを埋め、社会安全性を生む取り組み
生活機能と消防・防災機能を兼ね備えた持続可能かつ強い都市への変革
特に農林水産業等における労働力の効率化による持続的な産業活性化
行政サービス・民間事業の効率化や、産業における新たな技術活用による事業継続や新規産業の創出
■「SENDAI NEW PUBLIC」概要
名称:SENDAI NEW PUBLIC
https://event.samurai-incubate.asia/sendai-new-public/
■本プログラム実施の背景
仙台市は、2011年に発生した東日本大震災以降、女性の起業や社会起業が活発化し、「女性活躍・社会起業のための改革拠点」として国家戦略特区として位置付けられています。新たな雇用を生み出し、多様な働き方や生き方ができる起業を重要に捉え、”起業家を生み育てるエコシステム構築”に取り組んできました。
そして本プログラムでは、「高齢化の進展」「過疎化の進展」「働き方・ライフスタイルの変化」「経済構造の変化」などをさらに深掘りしたSDGsの達成につながる行政課題・地域課題を設定し、これまでの活動によるネットワークを活かしながら大学等の研究成果やICTを活用した課題解決事業アイデアを公民連携でブラッシュアップして、実用化につながる支援を強化したいと考えています。
■サムライインキュベート概要
社名:株式会社サムライインキュベート
住所:東京都港区六本木1-3-50
設立:2008年3月14日
代表:代表取締役 榊原 健太郎
URL:https://www.samurai-incubate.asia/
創業期〜シリーズAのスタートアップを中心に出資・成長支援するVC事業と、日本の大手企業・自治体におけるイノベーション支援事業を行っています。VC事業で培った0→1の事業創出ノウハウを活かして、大手企業にとって最適なイノベーションの形を模索し、オープンイノベーション、組織や人材開発を含め企業内インキュベーション支援等をカスタマイズ型で伴走支援します。
以上