~11月19日(金)より横浜会場からスタート~
「キラキラっとアートコンクール」(後援:文部科学省・全国特別支援学校長会)は、障がいのある子どもたちの可能性を応援したいとの想いから、国内初の障がい者アートライブラリー アートビリティ※1の協力を得て、2002年にスタート。歴代応募者の中からアートビリティの登録作家として現在27名が活躍するなど、子どもたちの才能を支援してまいりました。
本作品展は、20回目を迎える同コンクールの全応募作品1,147作品(38都道府県)の中から、審査会(1次審査、一般審査※2・三菱地所グループ社員審査、本審査)を経て選ばれた優秀賞50作品を札幌から福岡まで全国9会場で展示するものです。11月12日(金)には優秀賞受賞者及び関係者を招待したオンライン表彰式(受賞者のつどい)を開催いたしました。また、本年は20回記念企画として、同コンクールへの参加を経て現在プロの画家として活躍しているアーティストを取材した短編映像を制作しました。映像は各会場で放映予定です。
※1 アートビリティ・・・1986年に社会福祉法人東京コロニーが設立した障がい者アートライブラリー。現在約200名の作家による約6,000点の作品がストックされ、印刷物等の媒体に貸し出されています。
※2 一般審査・・・丸ビル1階マルキューブで開催し、丸の内地区の就業者・来街者に参加いただきました。
本作品展の各会場では、自由なテーマで子どもたちが思いのままに表現し描いた個性豊かな作品に対し、来場者からメッセージを受け付け、今後の励みにつながるよう、受賞者本人にお渡しします。
また、全応募作品がコンクールホームページで公開されるほか、これまでの応募作品には様々な企業の冊子の表紙やカレンダーなどに使用されているものも多く、子どもたちの作品は、審査会、作品展、作品使用等を通じて、多くの人に感動を与えています。
三菱地所では、本コンクールが子どもたちの優れた才能を評価・発掘・展示する機会となり、子どもたちが絵を描く楽しみや喜びを増し、芸術活動の裾野が広がることを願い、応援してまいります。
優秀賞・全応募作品をホームページ(https://kira-art.jp)にて公開しています。
- 開催概要(予定)
①名 称:第20回キラキラっとアートコンクール優秀賞作品展
②日 程:
【横浜 ランドマークプラザ 3階】
2021年11月19日(金)~11月21日(日) 11:00~18:00
横浜市西区みなとみらい2-2-1
【大阪 OAPタワー 1階エントランス】
2021年12月3日(金)~12月5日(日)10:00~18:00
大阪市北区天満橋1-8-30
【札幌 マルヤマクラス 2階イベントスペース】
2021年12月10日(金)~12月12日(日)10:00~20:00
札幌市中央区南1条西27丁目1-1
【仙台 泉パークタウン タピオ 南館1階センターコート】
2022年1月8日(土)~1月10日(月祝)10:00~20:00
仙台市泉区寺岡6-5-1
【東京 丸ビル 1階マルキューブ】
2022年1月21日(金)~1月23日(日)11:00~19:00
千代田区丸の内2-4-1
【広島 ひろしま美術館 地下1階 講堂 】
2022年1月28日(金)~1月30日(日)9:00~17:00
広島市中区基町3-2
【高松 高松空港 2階国内線出発ロビー】
2022年2月2日(水)~2月7日(月)10:00~18:00
高松市香南町岡1312-7
【福岡 MARK IS 福岡ももち 2階ももステ】
2022年2月11日(金祝)~2月13日(日)10:00~21:00
福岡市中央区地行浜2-2-1
【名古屋 大名古屋ビルヂング 地下1階アトリウム】
2022年2月18日(金)~2月20日(日) 11:00~21:00
名古屋市中村区名駅3-28-12
③入 場 料:無料
④応募作品:
・応募資格:何らかの障がいのある応募年齢18歳までの幼児・児童・生徒
・応募期間:2021年7月15日(木)~9月17日(金)
・作品規定:課題は自由。水彩、油絵、版画、パステル、鉛筆、貼り絵、切り絵、墨絵(習字は除く)など
平面表現のもの。サイズは規定(最大で509mm×660mm(小全紙)、最小でA4サイズ程度)。
- 審査員講評 ※肩書きは2021年11月時点
■O JUN氏(画家・東京藝術大学名誉教授)
今年で20回を迎える「キラキラっとアートコンクール」に今回も多くの応募作品があった。絵は、すべて、よかった。何かを見たり、思い出したり、また描いて見た、もう二度と描けない…、1,147人の絵を描く動機と理由がすべての絵にあふれていた。でも、コンクールなので今年も50/1,147作品をなんとか展示してみます。
ところで、回を重ねるなかで見えてくるものはなんだろう。審査を終えて思い出す絵があります。入選した絵はこの作品展でもう一度見ることができますが、しなかった絵はおそらく私はもう見ることができません。しきりに思い出す絵があります。その絵を入選させられなかったことはとても残念です。でも、そのときは見えてこなかったのです。そもそも絵が見えるということはどういうことなのだろう?それはもしかすると絵を描くことよりもわからないことのように思えます。見えていたものが見えなくなったり逆に今まで見えなかったものがふいに見えてくる、絵を描いているときにも絵を見ているときにも起こります。それはきっと絵の問題ではないのでしょう。私たちの目や心の問題な気がします。このコンクールで毎年たくさんの絵を見ていると、じっと動かない一枚一枚の絵が点滅して私の目と心を頼りなく心細くさせます。皆さんの描いた絵の前で私も点滅しているのだろうと思います。
依然、新型コロナウイルスの不安の中ですが、どうか皆さん、健康に気を付けてこれまで通り絵を見たり描いたりしていってください。
■青栁 路子氏(東京藝術大学准教授、教育研究者)
第20回を迎えた本年度のコンクールも、たくさんの力作、魅力的な作品が寄せられました。本コンクールの魅力は、鉛筆画、クレヨン画、水彩画、油彩画、そして版画、切り絵など「絵画」の幅広いジャンルの応募があること、さらに描かれる内容も、身近な人から風景、動物、大好きなもの、想像画から抽象画まで多様であることです。
どの作品にも、一人ひとり異なる、子どもたちの豊かな世界があらわれています。子どもたちが描くこと、作ることを楽しみ、その世界に没頭することができていることが感じられ、観ている私の心があたたまり、また驚嘆させられました。
本年度開催された東京パラリンピックに出場したアスリートは、競技をしているときは障がいを感じないと話していました。本コンクールに応募した子どもたちも、描いているとき、作品をつくっているときは障がいを意識することなく、一人の人間として充実した時間を過ごせているのだろうと思います。そのような時間は生きる活力となり、人生を豊かなものにします。そうして生まれた子どもたちの作品を、ぜひ多くの方に観ていただきたいですし、これからも子どもたちが描き、作る、時と場が守られることを願っています。
■西田 克也氏(西田克也デザインオフィス グラフィックデザイナー)
今年20回目を迎えたキラキラっとアートコンクール。去年から続いたコロナ禍のもとでの開催で、応募状況はどうなるのかと心配でしたが、どっこい、子どもたちの表現意欲は衰えることはなく、多分いろいろな制約の中で、だからむしろ対象にじっくり向き合った様々なアプローチの絵が、1次審査の会場である丸ビルホールで私たち審査員を迎えてくれました。そして感性の格闘技!?の開始。子どもたちの描いた絵のオーラに飲み込まれないように居住まいを正し、ちょっとくたびれた感性に活を入れてくれそうな絵に出会う度にかがみ込んでは作品を手にし、そんなことを繰り返しながら、見たこともない色彩やカタチを見つけた悦びを少しでも多くの人たちと分かち合いたく、そんな作品を沢山の作品の中から自分なりに選んだつもりです。
それから2週間後、1次審査で選んだ150作品から優秀賞として50作品に絞り込む本審査は、選考会場の雰囲気や選考方法が異なり、会場に並べられた作品は全く違って見える事もあり、新しい発見があってラッキー!と感じる事がしばしば。しかし今回は、1次審査で選んでいたのに本審査で見逃し、優秀賞が決まった後に気がつくという、もちろん私が選んだからと言って優秀賞に選ばれるかどうかは別として、作品に対して申し訳なかったと、悔いが残ったことを告白して、講評の終わりにします。
■髙橋 宏和氏(社会福祉法人東京コロニー アートビリティ代表)
第20回キラキラっとアートコンクールでも1,000点を超える作品が全国から集まりました。昨年に続き表彰式はオンラインとなり、優秀賞を受賞された皆様に直接お会いできないのはとても残念ですが、優秀賞を受賞された50名の皆様、この場を借りてお祝いを申し上げます。
審査会では、どのような気持ちで作品を描いたのかを想像し、すべての作品に向き合って審査をしていますが、個性や感情が明確に表現されている作品ばかりではなく、一度見ただけでは、そのような部分に気付き難い作品もあるので、見逃さないようにタイトルや作品への想いも忘れずに確認し、気になる作品は何度か見直すようにしています。時には審査員が応募者に代わって、気になった作品を他の審査員に紹介している場面もあり、今年も例年通り白熱した審査会でした。技術、作風、テーマ、構図、作品への想い等、すべてが作品を見た人に影響を与える要素となり、審査をする上で大切にしていますが、そのような点においても、今年も個性的な作品が多く集まった審査会でした。
個性的な作品が集う審査は非常に難しいですが、絵を完成させた時の達成感や充実感を忘れずに、今後も絵を描き続けてほしいと思います。審査員を更に悩ませる新たな作品のご応募を今後もお待ちしております。
■吉田 淳一(三菱地所株式会社 執行役社長)
本コンクールは、皆様のご参加とお力を頂き、今年で20周年という大きな節目を迎えることができました。
残念ながら昨年に引き続きコロナ禍の影響を強く受けた年となりましたが、前年に比して応募数が増え、今回も様々な力作を目にすることができたことは大変嬉しいことであり、深く皆様に感謝するところです。
今回心に残ったのは、その時々に感じた「感覚」を素直に表そうとする作品が多かったことです。いろんな色を使いながら大好きなお母さまと一緒にいる喜びを表したものや、「夢」や心の動きなどを具体的な形や姿ではなく、こんがらがった心象風景として描いたものなどが寄せられ、コロナ社会という時代性を背景に、時に鋭くもやるせない悲しさとか、その中に息づく優しさなどが随所に見られたように思います。
今回は38都道府県から応募を頂きました。20年かけて全国に広がって、大きなコンクールに育って参りました。今後、当社関係施設などを活用し、周知する地域を一層広げていくことで、もっと多くの皆さんにこのコンクールが持つ可能性を知っていただき、子ども達も私達も成長していけたらと願っております。
今後も応募者の皆様、審査員の方々をはじめ、作品をご覧いただく全ての皆様の変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
■野口 玲一(三菱一号館美術館 上席学芸員)
最初の緊急事態宣言が実施されてから1年半あまり、新型コロナ感染症の状況下で他人との接触が制限されるようになって、皆さんの生活はどのように変化したでしょうか。そのことが作品に現れているのではないかと考えています。同じ時間の長さでも、大人にとってより、子供にとっての方が長く感じられますから、その影響もずっと大きいのではないのでしょうか。こうした制約の中で、描くことが気晴らしになったり、救いになったりしたら良いなと思います。
描くからには楽しんで描いてほしい。うまく描こうとかきれいに完成させるよりも、自分が何に注目して、何を感じて描こうとしたのかが表れているのが良いと思うし、そのような作品を見つけ出したいと考えています。
正直なことを言えば、優秀賞を逃した中にも素敵な作品はあったと思います。審査をする眼は絶対ではないのです。惜しくも入選を逃した作品の中に、見逃してしまったものがあるのかもしれません。だから入選しなくても、受賞できなかったとしても残念に思うことはありません。描くことを楽しめるなら、ぜひまた出品してください。良いところは必ず見つけ出したいと思っていますから。
- 審査の様子
【参考】「大丸有SDGs ACT5」
大手町・丸の内・有楽町地区(以下、大丸有(だいまるゆう))を起点に、SDGs達成に向けた活動を推進するプロジェクトとして本年5月に2年目を始動。三菱地所、農林中央金庫、日本経済新聞社及び日経BP等が実行委員会形式により進める本プロジェクトでは、「サステナブル・フード」「気候変動と資源循環」「WELL-BEING」「ダイバーシティ&インクルージョン」「コミュニケーション」の5つのACT(テーマ)を設定。SDGsが掲げる17の目標達成に向けて11月までをコア期間として様々なアクションを展開。10月19日~20日開催の一般審査は、本プロジェクトのテーマの一つ「ダイバーシティ&インクルージョン」のアクションとして大丸有ワーカーや来街者も参加可能な審査会として開催しました。