■本資本業務提携の概要
物語コーポレーションは、国内において郊外ロードサイドを中心に「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」、中国・上海では「蟹の岡田屋総本店」「熟成焼肉 焼肉王」など国内外16ブランド595店舗を展開する外食企業です。物語コーポレーションが掲げる中期経営計画「ビジョン2025」では、2025年期に「アジアにおける業態開発型カンパニー」として、グループ売上高1,500億円(直近2021年期実績:959億円)を目標とし、既存事業の強化や新事業、新業態の開発を推進されています。
DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とするフードテックベンチャーとして、環境負荷が小さい次世代の植物肉「ミラクルミート」の研究開発・提供を通じて、タンパク質危機や地球温暖化の解決の一助となることを目指しています。より多くの消費者へ、新たなお肉として植物肉の認知向上を図り、サステナブルな食文化の啓蒙をするべく、この度の資本業務提携に至りました。
● 「ミラクルミート」を使用したメニュー開発・拡販
外食の焼肉市場において売上トップシェアである『焼肉きんぐ』において、「ミラクルミート」をベースに新たな焼肉商材の共同開発とイノベーションを推進します。また、DAIZがミラクルミートを使用してレシピ開発した餃子・春巻き等の商品を『丸源ラーメン』など当社複数業態において展開を拡大させます。さらに、物語コーポレーションが展開する海外店舗においても、ミラクルミートを使用した商品の現地製造ならびに販路拡大を予定しています。
● SDGs(持続的開発目標)達成に対する取組み
地球環境に配慮した商品ニーズに対応するべく、環境負荷の小さい次世代植物肉「ミラクルミート」を使用して新商品開発および販売を拡大させます。また「環境」「飢餓」などの課題解決に、より積極的に取り組みを推進してまいります。
■物語コーポレーション 代表取締役社長 加藤央之様より本提携に対するコメント
DAIZ株式会社様との資本業務提携に至りましたことを心より嬉しく思っております。地球の恵みを受けながら事業を営む私どもにとって、地球環境保護を通じた「サスティナビリティ」の追求は果たすべき責務の一つです。また、独自の特許技術をもとにした「ミラクルミート」は大きな可能性を持つ「次世代の代替タンパク質素材」であり、その可能性は無限であると感じております。
当社のインフラを活用しながら、過去にはない「次世代商材」を開発し、多くの皆様に感動と美味しさをお届けするとともに、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
■DAIZ代表取締役社長 井出剛より本提携に対するコメント
この度の物語コーポレーション社との資本業務提携により、DAIZとして初の焼肉業態と「ミラクルミート」のコラボレーションが実現しました。同社が誇る「焼肉きんぐ」をはじめとした国内外の店舗にて、消費者の皆様へ植物肉をお届けできることを大変嬉しく思っております。「ミラクルミート」による新しい焼肉商材や畜産肉と植物肉のハーフ&ハーフの商品を開発することによって、成長著しい同社とともに植物肉のおいしさと必要性を訴求できるものと確信しております。
DAIZは「オールジャパン構想」のもと、大手企業と提携することで、日本の食品技術を結集させて次世代植物肉「ミラクルミート」を生み出し、さらに研究開発を重ねることで価値向上を図っております。植物肉のトップランナーとして、この日本発の植物肉「ミラクルミート」を多くの消費者へ届けることで国内市場の裾野を広げていきたいと考えております。両社の取り組みにより、食料問題や温室効果ガスの低減等の社会課題の解決へ貢献してまいります。
■サステナブルな世界の実現に寄与する植物肉
昨今、地球温暖化が私たちにとって大きな課題となっています。地球温暖化は、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因と言われています。温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)ですが、同等に大きな排出源となっているのが、農業・畜産業*1です。世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、私たちの食生活の見直しが求められています。
牛・豚・鶏に次ぐ新たなお肉として注目されている植物肉は、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品です。地球温暖化を防ぐため、私たちが今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることです。DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成とサステナブルな世界の実現に向けて貢献して参ります。
*1 IPCC「Global Greenhouse Gas Emissions Data」より。
■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されています*2。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されています。そこで、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれています*3。
植物肉が、牛肉・豚肉・鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来しています。
これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていました。
DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を使用しています。さらに、独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉「ミラクルミート」の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」*4で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させます。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*5にかけ、膨化成形技術*6により、肉のような弾力と食感を再現しています。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しています。
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成しています。発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。
▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
*2 国連推計「世界人口推計2019年版」より。
*3 UBS調べ。
*4 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
*5 食品加工時に使用される機械。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。
*6 特許申請準備中。
■会社概要
商号:株式会社物語コーポレーション(https://www.monogatari.co.jp/)
代表者:代表取締役社長 加藤 央之
本社所在地:〒440-0831 愛知県豊橋市西岩田5-7-11
設立:1969年9月
資本金:27億4,948万円(2021年6月30日現在)
事業内容:外食事業(焼肉、ラーメン及びお好み焼レストランチェーン、和食店)の直営による経営とフランチャイズチェーン展開
商号:DAIZ株式会社(https://www.daiz.inc/)
代表者:代表取締役社長 井出 剛
所在地:〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル4階
設立:2015年12月1日
資本金:14億6,536万円 (累計資本調達額:42億円)
事業内容:発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」及びその他の植物性食品の開発・生産及び販売