国産スニーカーブランド「ブルーオーバー」が10周年を記念に開発したモデル「みんなのマイキー」
国産スニーカーブランド「ブルーオーバー」は、ブランド立ち上げから続く定番の人気モデル「マイキー」を10年の節目として、同モデルを着用のお客様からの意見が多かった、「スニーカーでもソール交換をしたい」「雨を気にせず履きたい」という要望に応えた商品を開発しました。
- 定番モデル「マイキー」
「マイキー」はブランド当初から販売されている定番モデル。アッパーデザインを、パーツのつなぎ目をなくした一枚革のシンプルなデザインが特徴。しかし所々にスニーカーとしてのディティールを踏襲しており、ありそうでなかったデザインが今でも売れ続けている理由となっています。
- ソール交換ができるスニーカー
「マイキー」もその他も含め、スニーカーの多くはセメンテッド製法と呼ばれる方法で、アッパーとソールを接着材で張り合わせるのが一般的とされています。その場合、ソールが削れていくと破棄しなければなりません(ソールを交換しようとすると、接着をはがすときにアッパーが破損して履けなくなることがある)。しかし今回開発した「みんなのマイキー」は、紳士靴などに見られるマッケイ製法を採用。これはアッパーとソールを接着材で張り合わせるのではなく、「あいなか」と呼ばれる板状のパーツをアッパーと縫い合わせ、そこにソールを張り合わせるという手法です。この場合、ソールが削れたとき、「あいなか」とソールをはがしさえすれば、アッパーにダメージを与えずに済むので、あいなかが破損しない限り、ソール交換ができるということになります。ですがこの手法はセメンテッド製法にくらべて、生産性も悪くコストも高くなってしまう為、スニーカーでは採用されていません。
- 半永久的防水機能レザー
使用しているアッパー材のヌバックは100年の歴史を持つ老舗のタンナーである山陽に依頼。ブルーオーバーの別モデルで好評を得ている防水レザーを手がける同社の技術を用い、このモデルにはヌバックレザーを開発。この革は銀面にテフロンなどを吹き付ける撥水加工とは異なり、タンナーであることを活かした「鞣し工程」の段階で防水加脂材(ぼうすいかしざい)を加え、素材自体が水を通さないといった機能を備えています。そのため革が残存するかぎり防水機能を保つという革となっています。また、山陽は長く紳士靴の革を生産、供給しており、原皮の繊維がつまっており、靴に最適なコシのある革に仕上がるのも特徴でもあります。
- ありそうでなかったソール交換可能なスニーカー
スニーカーは消耗品として認知されており、ソールの交換に関しては「出来る」という考え方はありませんでした。また、量産品の観点からみても、ソール交換は非効率な作業となります。ですがお客様からの要望、そしてサスティナブルの面からも破棄ではなく、長く履き続けられることを大事としているブランド理念からも、ソールが交換できるスニーカーは必要だと考え、「みんなのマイキー」を作り上げました。革靴やブーツのように「履きこむ、なじむ、育てる」といった、手沢を重ね、味わえるようなスニーカーを作り上げたいと我々は考えています。
- 大切にはいてほしいクラフトスニーカー
ブルーオーバーは10年続けているスニーカーブランドですが、大規模の工場では生産せず、地域の工場で昔ながらの製造方法で少量生産を行っています。これらはすべて人の手によって作り続けられてきました。ですが、これからの10年は国内製造業の抱える課題が表面化します。ブルーオーバーはその解決に向けて、持続可能な製靴産業の体制を見つけていくことを目標に活動していきます。「みんなのマイキー」は名前のとおり、つくる人、つかう人、考える人。みんなで作り上げた一足であり、これからのブランドの目指すメッセージでもあると考えています。
- 製品情報
モデル名:みんなのマイキー
価格:27,500円(税込)
素材:防水ヌバック
サイズ:24.5cm 25.5cm 26.5cm 27.5cm 28.5cm
色展開:2色(ブラック/グレー)
製品ページ: https://blueover.jp/products/mikey_for_everyone
販売先:
ブルーオーバー https://blueover.jp/
- blueover ブルーオーバー
2011年スタート。プロダクトデザイナーであった渡利ヒトシが、国内製造業の社会的課題において、国内の蓄積されたモノヅクリ技術の消失を防ぐため、そこに宿る精神的豊かさをつなぐため、活動しているスニーカーブランド。地域のクラフトマンに敬意を表し、素材、加工、製造工程をできるかぎり国内で行っている。
突出した機能的なスニーカーではなく、当たり前に歩きやすく、履きやすいことを大事とし、時代を問わず履き続けられるような靴を作りつづけています。