本レポートでは、豪州の退職年金基金(インダストリー・スーパー・ファンド)が保有するグローバルな運用会社であるIFMが、昨年と同様に新型コロナのパンデミックが続いたこの一年においても、責任ある投資を行い、働く人々の退職後の生活に備えた長期的な資金を保護し成長させるというIFMのパーパスの実現に貢献しながら、引き続き投資家に対してベンチマークを上回るパフォーマンスを達成したことが示されています。
本レポートでは、2020・2021年度に当社投資家およびそのメンバー・受益者の利益となる、IFMの投資パフォーマンスを詳細に説明しています。主なハイライトは以下の通りです。
- 運用資産残高は8.5%増加し1,722億豪ドルに
- 全ての資産クラス(インフラ、デット、上場株式、プライベート・エクイティ)で、投資家向けリファレンス・ポートフォリオの70%が、5年間の年平均で顧客の目標を上回りました(手数料および税金控除後)
- 当社顧客(機関投資家)数は、全世界で470から555へと18%増加
IFMは、経済だけでなく、より良い地域社会や環境に貢献する方法で、投資リスクの管理と投資機会を活用したことが、2020・2021年度の優れた成績の達成に繋がったと考えております。
IFMは、気候変動のリスクを管理・軽減するため、以下のような数多くの取り組みを過去12ヶ月間に実施しました。
- 2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにするという目標に向けて、資産クラス全体で温室効果ガスの排出量削減にコミット
- 2030年までに、IFMのインフラ・ポートフォリオにおいて、スコープ1・スコープ2の二酸化炭素排出量を少なくとも116万トン削減するという目標を設定(2019年基準比で40%削減に相当)
- 2020・2021年度に投資を実行した8億7500万米ドルのインフラ・デットのほぼ半分を、世界中の太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギー資産に投資
- 低炭素経済への移行を支援する資産への投資を目的とした、オーストラリア・コモンウェルス銀行の「グリーン定期預金(Green Term Deposits)」に、機関投資家として初めて預け入れ
- IFMの投資先企業とともに、Nala RenewablesやSwift Current Energyなど、世界の再生可能エネルギー資産に投資
- プライベート・エクイティ事業において、各投資先企業にカーボン・ニュートラル認証取得の目標を新たに導入
本レポートでは、インクルージョンとジェンダーの多様性を促進し向上するために、投資を通じて行った2020・2021年度における当社の取り組みについて詳述しています。
さらにIFMは、女性の労働市場参加に対して新型コロナが与える影響や、ジェンダー平等の観点を取り入れることが、コロナ後の景気回復の一環として、どのように経済成長を促進し、ジェンダー平等を達成できるかについての理解を深めるため、2020・2021年度に調査を委託しました。
その他2020・2021年度に実施した、責任あるビジネス関連の取り組みのハイライトは以下の通りです。
- (オーストラリアおよびオーストラリアを除くグローバルを併せた)IFMのインフラ・ポートフォリオの安全パフォーマンスは、代表的なベンチマークを大幅に上回り、従業員の休業災害度数率(LTIFR)は、比較可能な代表的な業界ベンチマークを59%下回っていることを確認
- IFMの「インフラ・コミュニティ補助金」のプログラムを拡大し、世界で9件のプロジェクトにそれぞれ最大4万豪ドルの資金を提供
- オーストラリア上場株式チームがESGポリシーに沿って1,400以上の議案に対して議決権を行使
- 成長企業や新型コロナの影響を受けた企業など、資金に制約のある企業を支援するための幅広い投資マンデートである「スペシャル・シチュエーションズ・クレジット(Special Situations Credit)戦略」の開始
責任あるビジネスレポート2021(英文)は、こちらからご覧いただけます。
https://www.ifminvestors.com/insight-article/2021-responsible-business-report
IFMインベスターズの最高経営責任者であるデイビッド・ニールは、次のように述べています。「当社の投資パフォーマンスおよび事業としての継続的成功は、責任あるビジネスのアプローチに真摯に取り組んだチームの成果です。このようなアプローチは、勤労者の退職資金を長期的に保護し、成長させるという当社のパーパスの実現に貢献し続けています。こうした規律をもち焦点を当て続けるという姿勢は、コロナ禍によって揺らぐことはなく、当社が投資し事業を行っている地域社会、環境、経済が基本的に相互依存の関係にあることを再認識させてくれました」
IFMインベスターズの責任投資担当エグゼクティブ・ディレクターであるクリス・ニュートンは、次のように述べています。「本レポートは、IFMが、過去12ヶ月間にあらゆる資産クラスにおいて、気候変動、職場の安全性、I&Dを含む多岐にわたる問題に対して取り組んだアクションを、包括的にまとめたものです。当社は、責任あるビジネスのアプローチを通じた長期投資家への健全なリターンの提供が、経済と金融システムの質と持続可能性に将来にわたって貢献するものと確信しています」
IFMインベスターズについて
IFMインベスターズは25年以上前に、人々の退職資金を長期にわたり、保護・成長させることを目的として設立されました。豪州の複数の年金基金を株主とし、2021年9月30日現在、1,790億豪ドルの運用資産残高を有しています。産業界の年金基金が保有する運用会社であるIFMインベスターズは、優れた長期的なリスク・リターン特性を有し、地域社会への幅広い経済的・社会的利益をもたらす資産に焦点を当てることで、目線を共有する世界中の500超の投資家の利益を優先しています。IFMは、国連が支援する「責任投資原則」に署名しており、投資先企業と積極的にESG問題に取り組み、投資リスクを最小限に抑えつつネットパフォーマンスを向上させることを目指しています。メルボルン、シドニー、ロンドン、ベルリン、チューリッヒ、ニューヨーク、香港、ソウル、アムステルダム、東京のオフィスを拠点にグローバルに事業を展開し、インフラストラクチャー、デット、上場株式、プライベート・エクイティ資産を対象に運用を行っています。詳細については、www.ifminvestors.comをご覧ください。