～ 生物多様性の保全とシーフードの持続可能な生産の両立を実現 ～
（※1）MSC（Marine Stewardship Council：海洋管理協議会）漁業認証：水産資源や海洋環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業に対する認証制度。認証漁業で獲られた製品はMSC「海のエコラベル」をつけ、「サステナブル・シーフード」として流通することができます。
左から、MSC「海のエコラベル」（MSC-C-52165）、黄海沿岸域で漁獲されたアサリ、東アジア屈指の渡り鳥の飛来地である中国黄海沿岸域
今回の認証取得は、生物多様性の保全と水産物の持続可能な生産の両立を目指す、漁場から加工、商品までをつなぐ中国と日本のサプライチェーン上の関係者の協働により、実現しました。
黄海は世界に9つある渡り鳥の移動ルート（フライウェイ）のひとつ「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ」の重要地域で、WWFジャパンは2002年より同沿岸域の生物多様性の保全活動に取り組んできました。ニチレイフレッシュは環境への配慮と持続可能な素材調達を推進しており、同沿岸域で漁獲されるアサリの加工を行なう現地加工会社である丹東泰宏食品有限公司に、資源や環境に配慮した「持続可能な水産物」の調達を求めてきました。
こうした背景からWWFとニチレイフレッシュは、2016年より丹東泰宏食品とともに漁業改善プロジェクトを開始。プロジェクトでは、調査を通じて漁業が生態系に影響を与える可能性を明らかにし、漁業管理計画の議論を通じて中長期的にわたる適切な管理を促進するなどアサリ漁業の改善を進めてきました。改善を経て実現した今回の認証取得により、アサリ漁業が、渡り鳥の休息や採食に欠かせない黄海沿岸域の豊かな自然環境と資源に配慮した持続可能な漁業と認められました。
▶プロジェクトの詳細： https://www.wwf.or.jp/activities/achievement/4695.html
また、本取り組みは、SDGsの目標「14. 海の豊かさを守ろう」をはじめ、「12. つくる責任 つかう任」、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献します。
WWFジャパンおよびニチレイフレッシュの担当者は以下のようにコメントしています。
「ニチレイフレッシュと丹東泰宏食品有限公司の持続可能なアサリ漁業を目指したいという強い想いによって始まった漁業改善プロジェクトが実を結び、今回のMSC認証の取得が実現しました。これは、生物多様性豊かな黄海沿岸域の保全にとっても大きな成果です。このようなサプライチェーン上の関係者の協働による取り組みが広がり、持続可能な水産物の生産が中国をはじめ世界で拡大することを期待します。」（WWFジャパン 海洋水産グループ 吉田誠）
「この度、長年取り組んできた中国・黄海沿岸域のアサリ漁業がMSC認証を取得したことに、アサリ担当者として大きな意義を感じております。昨年からの本審査においては、泰宏食品様、WWF中国様、WWFジャパン様、中国政府漁業関係者様、中国の研究機関様、等多くの関係者からのご支援を頂き、認証を取得できたことに感謝いたします。弊社として持続可能なMSC認証のアサリ製品の普及に全力で務めてまいります。」（株式会社ニチレイフレッシュ 水産事業部 國田英紀）
WWFジャパンおよびニチレイフレッシュは、こうした取り組みは、持続可能な未来を築くために欠かせないと考えています。また、将来にわたって持続可能性を維持・向上させていくことが重要であり、両者は今後も「生物多様性の保全と水産物の持続可能な生産の両立」を推進してまいります。
■WWFについて ：
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年にスイスで設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、サステナブルな社会の実現を推し進めています。特に、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向けた活動を行なっています。https://www.wwf.or.jp/
■ニチレイフレッシュについて ：
ニチレイフレッシュは、「鮮度」「おいしさ」「安全」「安心」「健康」「環境にやさしい」をキーワードに生活者の皆様の食卓に心の満足を提供しています。
水産品、畜産品という地球の恵みを供給する企業として、持続可能な環境との共生を目指し、様々な活動に取り組んでおります。https://www.nichireifresh.co.jp/