スカパーJSATのSDGsに関する取り組み“Satellite Crayon Project”
2021年10月、スカパーJSATは、衛星画像を活用して地球に存在する彩り豊かな美しい「色」から、地球を知ってもらい、興味を持ってもらい、好きになってもらい、そして様々な環境問題を考えるきっかけを提供するプロジェクト“Satellite Crayon Project”を始動し、プロジェクト企画第1弾として、「海のクレヨン」の製作、販売を発表しました。「海のクレヨン」は、10月20日からREADYFORにてクラウドファンディングを募集開始し、3日間で目標金額の150万円を達成しました。「支援者数300人」の目標も達成し、11月30日をもって募集を終了しました。ご支援いただいた方々への「海のクレヨン」の発送は、12月中に完了いたしました。
「海のクレヨン」誕生秘話
“Satellite Crayon Project”企画責任者である、スカパーJSAT株式会社の清野正一郎は、現在、4歳の息子と1歳半の娘を育てている二児の父です。清野は、業務で取り扱う衛星写真をはじめて見た時、日々の地球の表情の豊かさに驚きました。そんな中、偶然ある一つの赤い海を見つけました。また、世界中の衛星写真を見ている中で、黄色い海や黒い海があることも知りました。その色になっている理由、そしてその場所で起きている神秘や環境問題のことも。
ある日、清野は息子にこんな質問をしてみました。「ねぇ、海の色って何色?」。すると息子はこう答えました。「青に決まってんじゃん」。
父は思いました。「息子よ、海には決まった色なんてないんだよ。地球を知るともっと面白いぞ」 。
地球の「色」の豊かさを、息子やたくさんの子どもたちに伝えたい、そして豊かな地球の「色」を、思うがままに楽しんで欲しい。そんな想いが、「海のクレヨン」の出発点です。
妥協しない、最高のクレヨンを
|デザイン
パッケージデザインは、子ども向けテレビ番組を中心に多くの映像表現や、「マグネタクトアニマル」「Layers Act」「光のレイヤー」など科学を用いた新しい玩具や表現を制作してきたクリエイター、cog の石川将也さんにお願いしました。
|パッケージ制作
パッケージ制作を手掛けるのは、「かみの工作所」や「空気の器」、「テラダモケイ」といったブランドで知られる福永紙工。特殊な紙加工を得意とし、数多くのユニークな商品を企画販売している印刷加工の製造会社です。
|衛星写真
衛星写真は、本企画に共感をいただいたPlanet Labs, Inc.から提供を受けています。Planet Labs社は、約200機の小型衛星を保有する衛星画像の世界最大手企業のひとつで、スカパーJSAT株式会社とは衛星データとAI分析を組み合わせたサービス「Spatio-i」などの分野で提携しています。
|人にも地球にもやさしいクレヨン
クレヨンは、オリジナルの色を出すことが難しいのですが、名古屋にある創業65年を迎えるクレヨン工房、東一文具工業所にご協力いただいています。ひとつひとつ職人の手によって作られており、素材は、食用や化粧品にも使われている蜜蝋(みつろう)を使って制作します。他にも食用油脂などの素材を厳選し、小さなお子様でも安心してお使いいただける、人にも地球にもやさしいクレヨンです。また、東一文具からの提案で、全ての海をつなぐ象徴としてマグロやカツオから採取した “魚油”を少しだけ配合しました。匂いは感じませんので安心してお使いいただけます。
楽しく学べる工夫
表蓋には穴が開いており、宝石のような12色が見えています。穴の隣には、色を抽出した箇所の座標(緯度/経度)が記されています。さらに、一枚蓋を開けると中蓋があり、実は衛星写真の色が見え隠れしていたことがわかるような仕組みとなっています。
中蓋をさらに開くと、このクレヨンに込めた想いとともにQRコードが記載されています。このコードを読み込むと公式ページへ遷移し、このクレヨンの色のもとになった12枚の衛星写真や解説などをご覧いただけます。そして、クレヨンが入る間仕切り部分には世界地図。この色がどこの海から抽出したものなのかがわかるようになっています。
“Satellite Crayon Project”の公式ページでは、グレートバリアリーフが白くなっている理由、ウクライナの腐海が赤い理由、地球がそしてグリーンランドやキリバスが地球温暖化によって直面している課題など、色からつながっていく環境問題のこと、地球の神秘などを知ることができる仕掛けになっています。
また、この公式ページでは、文字が読めなくてもわかるように、音声での解説もございます。
URL: https://satellite-crayon.skyperfectjsat.space/
「こんな色の海もあるんだね!」子どもたちの世界を少しだけ広げるクレヨン
この衛星写真は、ウクライナの腐海です。
アゾフ海の⻄岸に広がる浅い⼲潟で、⼀番深い場所でも約3mほどといわれています。とても浅いため、海⽔の循環が少なく、夏になると⽔温が上昇し、塩分濃度の⾼さもあいまって、藻が異常繁殖し、βカロテンを生成するためこの⾊になるのだそうです。
「海のクレヨン」はあえてそれぞれの色の名前はつけていません。でも、それぞれの「色」になっている理由は存在します。「色」は地球にとっての宝物です。
宇宙実業社であるスカパーJSATは、衛星写真を使った様々なビジネスを推進しています。衛星写真とは、人工衛星から撮影された地球のあらゆる場所の写真です。現在は、防災予測などを中心に展開しております。
衛星写真を通してみると、海や森、活火山や氷河などの地球の営み、大型船の行き来や大きな建造物が林立していくような人間の営み、そして、宇宙から見た四季の移り変わりなどを垣間見ることができ、そして、地球に存在する豊かな「色」の存在に気づかされます。
この地球の「色」の豊かさを、もっとたくさんの子どもたちに伝えたい。
そして実際の地球の「色」を、思うがままに楽しんで欲しい。
そこからまず地球に興味を持って、好きになって欲しい。
このクレヨンが、そんな子どもたちの“第一歩目”に寄り添えるものになれるように。
「海のクレヨン」にはそうした想いが込められています。
スカパーJSATは、今後も、事業を通じて人々の暮らしに安心や快適さ、楽しさをお届けすることで持続的な成長を目指します。
今回ご紹介した重要課題
「5.環境や社会に寄与するイノベーションの推進」
「6.パートナーシップの促進」
スカパーJSATグループでは、取り組むべき9つの重要課題を特定しています。
詳細は、https://www.skyperfectjsat.space/sustainability をご参照ください。