53カ国の約1億9300万人の人々に緊急の支援を!
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、2022年6月26日から28日までドイツ・エルマウにて開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)に先立ち、現在世界各地で拡大している深刻な飢餓に対する国際社会の迅速な行動を求める共同書簡を発表しました。
現在、世界は未曾有の食料危機に直面しています。世界196カ国のうちの53カ国で、約1億9300万人の人々が深刻な食料不足に陥り、緊急支援を必要としています。世界中の子どもたち、特に女の子たちの健康や安全、生活がかつてないほどの危険にさらされているのです。
約2600万人の5歳未満の子どもたちが消耗症に苦しんでおり、そのうちの500万人は重度の消耗症で命を落とす危険にあります。 飢餓に苦しむ地域では、食料を与えられる順番が最後の女の子が、最初に飢餓に陥るという不平等に直面しています。さらに、ジェンダーに基づく暴力、早すぎる結婚や強制結婚、教育の中断などが、女の子の権利に壊滅的な打撃を与え、取り返しのつかない事態になる危険性があります。紛争と治安の悪化、気候変動の影響、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済的低迷が、事態をさらに悪化させ、飢餓人口を増やしています。
プランは、この危機的状況のさらなる悪化を回避するために、G7加盟国首脳に対し6つの項目の実施を求めます。
1. 約4900万人の人々を飢饉の淵から救い、栄養不良に苦しむ1億3700万人を支援するために必要な資金215億米ドルを早急に拠出すること
2. 「飢饉防止及び人道危機に関するG7コンパクト」に記されているコミットメントを遂行し、ジェンダー、年齢、障害に配慮した資金提供を行うこと
3. G7コンパクトで約束したように、確実なデータが得られていない場合でも、人命を救うために「後悔しない」ことを基準に早期に行動すること
4. 国連安全保障理事会が、紛争下で深刻な飢餓に直面している国々における人道支援や平和の実現を推し進めるとともに、飢餓を武器として利用することがないように、行動を起こし必要な証拠を提供すること
5. G7コンパクトで約束したように、子どもや女性が世帯主である家庭、幼い子どものいる家庭、避難民など、最も影響を受けやすい人々や家族のために、ジェンダーを考慮した無条件な社会保護や所得支援策を強化・拡大すること
6. G7加盟国のリーダーに対し、信頼を築き、G7以外の国からも積極的な行動を引き出すために、特に資金拠出に関する公約の進捗を公表し、説明責任を果たすこと
● G7加盟国首脳へ世界的食料危機へのコミットメントを求める共同書簡
https://www.plan-international.jp/activity/pdf/advocacy_220624.pdf
プランは、深刻な食糧危機の影響を受けている国々で、食料や栄養補助食品の支給、現金および食料バウチャーの支給、学校給食、栄養スクリーニング、種子やその他の農業投入物の提供などの支援を拡大・強化して展開しています。今後も、国際社会、国連をはじめとする人道支援に携わる組織とともに力を合わせて、飢餓に直面し命を落とす危機に瀕している人々を救うための活動を進めていきます。
プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発をすすめてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。 |