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カーボンオフセットにより事業拠点からの温室効果ガス排出をゼロに
世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャン-ピエール・シャリトン)は、日本国内の主要事業拠点[1] においてカーボンニュートラルを達成したことを発表します。これにより、新宿オフィス・川崎のリサーチ&イノベーションセンターからの間接的排出、ならびに御殿場のコスメロール工場(株式会社コスメロール)からの直接的排出による温室効果ガス排出が実質ゼロとなります。
ロレアルグループでは、2030年に向けたサステナビリティプログラム「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」のもと、地球の限界を尊重するビジネスモデルへの変革を掲げ、世界の全拠点で、2025年までにカーボンニュートラルを達成することを目標としています。それに先駆けるより3年早く、日本の国家目標からは28年早く、日本ロレアルは、GHG(温室効果ガス)プロトコルのスコープ1および2を達成し、温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ)を実現しました。
- 本社ならびにリサーチ&イノベーションセンターでは、2016年9月より宮城県の石巻合板工業株式会社に発電委託された「グリーン電力証書」を購入しています。また2022年1月よりは、オフィス空調用の熱に関しても、宮城県のセイホク株式会社にて、自然エネルギーで生成された熱の環境価値を「グリーン熱証書」として購入を開始しました。この結果、2つの拠点から間接的に排出される温室効果ガスをオフセットできることとなり、スコープ2を完全に達成しました。宮城県にある事業者から購入することで、東日本大震災の復興支援の一助になればという当社の想いも込められています。
- コスメロール工場においては、2010年から「グリーン電力証書」を購入。ただし、グリーン電力を動力源としない蒸気ボイラーおよび温水ボイラーの設備が稼働していました。2022年6月にすべての設備の更新が完了し、電気蒸気ボイラーおよびヒートポンプに切り替わったため、工場からの直接的なCO2の排出すべてが実質ゼロとなりました。これにより、日本ロレアルはスコープ1も完全に達成しました。
事業活動に関連する間接的な温室効果ガス(スコープ3)の削減も推進しています。主な取り組みは下記の通りです。
- テラサイクル社との包括的パートナーシップ(業界初)による化粧品空き容器の回収およびリサイクル
- チクマ社との連携による美容部員の制服のアップサイクル(業界初)
- FSC認証紙100%使用、および紙製緩衝材への100%の切り替え
- 環境負荷のより低い製品の開発、製品のエコデザイン化
- YSL Beautyのピュアショット リフィル定期便(サブスクリプションによるリフィルのお届けで、プリセットの使用と比べてプラスチック量を95%削減)
- シュウ ウエムラ「クレンジン グオイル」(国内の使用済プラスチックから作られたPCRプラスチック[2]を100%ボトルに採用)
- 営業車におけるディーゼル車の撤廃、出張の削減、輸入ルートのサステナブルな手段への移行 など
今回の達成について日本ロレアルの代表取締役社長であるジャン-ピエール・シャリトンは次の通り述べています。「『世界をつき動かすような美の創造』をパーパスとするロレアルにとって美とは地球に対する責任と思いやりであり、また利益ある成長でもあります。当社グループは、事業活動を真の意味で持続可能にすべく、財務的なパフォーマンスを超え、非財務面でも成長することを目指しています。日本ロレアルが気候変動対策への投資を早期に決断したのも、この信念に基づくものです。今年からは、日本ロレアル含む、ロレアルグループ社員の賞与評価指標にサステナビリティの達成度を組み込むことになります。私たちはさらにサステナブルなビジネスモデルへと変革していきます。社員の結集は目標達成のためには不可欠です。なぜならロレアルの創業者の言葉にもある通り、『会社とは人、人、人』であるからです」
コスメロールの工場長であるセシリア・ユーは、次の通り述べています。「今回の達成により、私たちのすべての製品はカーボンニュートラルの工場で製造されることとなります。本取り組みを通じて、製造の面から消費者への真の価値を提供することができるようになったのです。新型コロナウイルスによる影響もあるこの困難な状況のなか、カーボンニュートラル達成を実現した、チームを誇りに思います。今後も引き続き工場のエネルギー効率向上に努め、ロレアル・フォー・ザ・フューチャーで掲げるその他の目標達成のため、まい進していきます」
廃棄物や温室効果ガス排出の管理を推進する日本ロレアル オペレーション本部長である山本 也寸志は次の通り述べています。「自社拠点からの温室効果ガスの間接的排出をゼロにするだけでなく、日本ロレアルでは、3R(リユース、リサイクル、レデュース)を推進し、廃棄物や使用する電力や熱エネルギーの絶対量の削減に取り組んでいます。社員の声から実現したプロジェクトも多くあります。例えば、プラスチックの緩衝材の使用を廃止し、使用済段ボールを活用した紙製の緩衝材に切り替えるという取り組みもそうですし、美容部員の制服のアップサイクルのためのパートナーを発見したのも社員です。サプライヤーや社員などを巻き込み、サステナブルな世界への移行のためのエコシステムを強化し、環境課題の解決に貢献しうるサプライチェーンを実現していきたいと考えています」
日本ロレアルのサステナビリティ活動の推進リーダーであるコーポレートアフェアズ&エンゲージメント本部長の楠田 倫子は次の通り述べています。「当社が掲げるサステナビリティプログラムの柱のひとつは、消費者を含むステークホルダーがサステナブルな取り組みに参加できるようエンパワメントすることです。そのためにはパートナーシップの活性化が重要と考えています。これは、SDGs(持続可能な開発目標)の17番目の目標でもあり、日本の重点課題のひとつでもあります。当社グループでは、環境スタートアップと連携し、世界初の紙製の化粧品チューブや、水の使用量を削減するシャワーヘッドなど、画期的で持続可能なイノベーションを多く生み出しています。グローバルリーディングカンパニーとして、これらのイノベーションを日本で紹介し、消費者がサステナブルな選択をできるよう支援をしていきます」
ネットゼロカンパニーとして、日本ロレアルは、オフィス、研究開発拠点、工場、すべての拠点、すべての社員が一丸となり、地球に対して責任と思いやりのある美の創造のため、グループが掲げる野心的な目標達成に貢献すべく、その取組みを一層加速していきます。
<ロレアルグループが掲げる気候変動ついての目標>
- 2025年までに、全世界の拠点においてカーボンニュートラルを達成。エネルギー消費量を2019年対比40%削減します
- 2030年までに、消費者がロレアル製品を使用する際に排出される温室効果ガスを、イノベーションによって2016年比で平均25%削減(製品単位)します
- 2030年までに、製品輸送に関わる温室効果ガスの排出量を2016年比で平均50%削減(製品単位)します
- 2030年までに、ロレアルの戦略的サプライヤーは、直接排出量(スコープ1および2)を2016年比で50%削減(絶対量)します
日本ロレアルについて https://www.loreal.com/ja-jp/japan/
ロレアルは 1963 年から日本で事業を開始し、1996 年に日本法人である日本ロレアル株式会社が設立されました。 2021 年末時点 での社員数は、2,270 人、2021 年 12月現在の取り扱いブランドは 18 です。化粧品の輸入、製造、販売、マーケティングを行っています。日本はロレアルグループのなかで戦略的拠点のひとつであり、マーケティングならびに営業拠点のほか、研究開発所(日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター)と製造工場(株式会社コスメロール)とシュウ ウエムラとタカミの2つのブランドの本社組織(商品企画やグローバル展開施策を策定する組織)を有しています。
[1]従業員50名以上が常駐する事業拠点
[2] 日本国内で回収、分別、洗浄後、ポストコンシューマーリサイクル(PCR)ポリエチレンテレフタレート(PET)に加工・着色剤を除く