~極寒冷地でも高い密封性を発揮する低トルクシールを採用~
【1.開発の背景】
近年、自動車業界を始めとしたモノづくり業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル達成に向け、これまで以上にエネルギー低損失化が求められています。そして、自動車のホイールを支えるハブユニットの低トルク化は、燃費に直結するため必要不可欠な技術です。
一方、ハブユニットで発生するトルクの約半分を占めるシール部で使用されているニトリルゴムは、ハブユニットのみならず、様々な分野でシール材料として使用されていますが、低摩擦とゴム物性(強度・耐熱性・耐摩耗性など)は背反事項となり、これらを両立させることが課題となっていました。
また、一般的に、ニトリルゴムには、耐油性、耐摩耗性、引き裂き強度に優れる一方で、耐寒性が他のゴムより劣る性質があります。
市場のグローバル化が進み、従来よりも過酷な環境で当社のハブユニットが使われることを想定し、シール用ゴムの使用可能温度範囲を拡大することが重要課題となっていました。
【2.開発品の特長と嬉しさ】
① 低トルク化・・・
今回の開発ゴム材のシールへの適用により、▲10%のシールトルク低減を実現しました。
② 高い密封性・・・
-40℃以下の極寒環境下でもゴムが弾性を失わないため、シールの密封性を維持でき、北米やロシアなどの極寒冷地においてもハブユニット内部への泥水浸入を防止できます。
【3.今回の開発品を通じて貢献可能なSDGsの目標】
今回開発したゴム材は、ハブユニットだけでなく、その他の自動車部品を含む各種産業において活用可能なゴム材であり、低炭素社会の実現に貢献していきます。
【4.今後の展望】
売上目標:25億円/年 (2025年時点)
販売先:各自動車メーカー、産機分野各メーカー 他
製造工場:亀山工場、四国工場