五感を使って学び、考えよう!!「里海」ってどんな海?「瀬戸内こども調査団in大崎上島~育て海ごころ!わたしたちの海を守る」を開催しました!

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2022年7月23日(土) 【広島県豊田郡大崎上島町】

海と日本プロジェクトin広島実行委員会は、公募で集まった、県内の小学5年生、6年生20名で7月23日(土)に、「瀬戸内こども調査団in大崎上島~育て海ごころ!わたしたちの海を守る」を開催しました。「里海」とはどんな海のことかを学ぶため、調査団一行は、瀬戸内海に浮かぶ船でしか渡れない島、「大崎上島」で調査イベントを実施しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として開催しました。

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  • イベント概要

・開催概要:公募した県内小学5・6年生20人で結成した「瀬戸内こども調査団in大崎上島」が「里海」を通して、海と人の理想の関係を探る調査学習を大崎上島の島内で実施。
・日程:2022年7月23日(土)
 ※本イベントは当初2日間開催の予定でしたが、急遽1日だけの開催となりました。
・開催場所:広島県豊田郡大崎上島町
・参加人数:20人
・協力団体:独立行政法人 国立高等専門学校機構 広島商船高等専門学校、大崎内浦漁業協同組合
・後援:広島県教育委員会、県内全23市町教育委員会
 

  • 「里海」を体感しながら調査。そこから見えてきたことは?

今回調査団の活躍の舞台となったのは「大崎上島」。島全体、島民をあげて、古くから大切に守ってきた島の海を「里海」として改めて見つめなおし、次世代に引き継ごうとしています。
そうした大崎上島の「里海」を舞台に、調査団の子どもたちはまず、島の変化に富んだ自然海岸「大串海岸」で干潟と磯の生物を調査・観察しました。

講師のくやみつお先生(広島干潟生物研究会)の指導で子どもたちが特に熱中したのが「スナガニ」の捕獲と観察。広島県の絶滅危惧種である「スナガニ」の巣穴を見つけてカニを捕まえて観察を始めたところ、 「スナガニ」が巣穴に入ると折りたたむという眼の仕組みを知り、子どもたちは思わず「かっこいい!」と声を上げていました。
また、広島県で「スナガニ」が絶滅危惧種になった理由を、先生からの質問に対して考えることで、子どもたち自らが環境の変化によるものだという答えを導き出し、納得した様子でした。大崎上島が誇る「里海」の豊かな生態系を体感するとともに、その豊かな自然が、昔に比べると、人間による開発などで変化してしまっていることも学びました。

次に子どもたちはシーカヤックの漕ぎ方を教わった上で、すぐ沖に自生するアマモの群生する藻場まで、自らシーカヤックを漕いで調査・観察に行きました。中には上手に漕げず苦戦した子もいましたが、アマモ場のすぐそばまで近寄って、箱眼鏡でのぞき込んで観察。
ベテランインストラクター金原さんから「アマモは藻ではなくて、『海草』であること」「種で増えるのに加え『地下茎』でも増えること」「大崎上島のアマモ場は瀬戸内海でも有数の規模であること」「このアマモの森は魚の産卵場所に最適で、稚魚もその中で育つので『海のゆりかご』と呼ばれていること」なども学びました。

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  • 調査・観察したことをさらに深掘りした『里海を学ぶ特別授業』

今回島にある全国に5か所しかない国立の船乗りを養成する学校「広島商船高等専門学校」が誇る練習船「広島丸」が、調査団の学習(研究)の拠点となりました。
早速船内の教室で特別授業開始!
まずは、くや先生による「豊かな里海を支えるプランクトン講座」。自然海岸やアマモ場の調査・観察で海の生物や、それを支える藻場のことを知った子どもたちは、さらに、里海の海水の中で海の生態系を底辺で支える「プランクトン」を顕微鏡を使って観察。

このプランクトン、実はこの日のアマモ場観察の間に、くや先生とインストラクターが、プランクトンネットを使って採集してくれた「採れたてぴちぴちの生きの良い」プランクトンたち。簡易顕微鏡と、本格的な双眼実体顕微鏡をのぞき込んで、見えるミクロの世界に驚く子どもたち。資料の図鑑と見比べて、どういう種類のプランクトンなのかを探します。そして先生の説明で、特に、植物プランクトンは海水の中の汚れを食べ、加えて、アマモと一緒で光合成によって、地球温暖化の原因である二酸化炭素を取り込んで、海の中に酸素を供給しており、多種多様なプランクトンがバランス良く海水に存在するには、山や森からの栄養素が海に流れてくる必要があることも教わりました。「里海」の生き物たちがいい状態でいるためには、多様なプランクトンが元気でいる海である必要があることも学びました。

特別授業の後半は今日の観察・調査の総まとめ。
お手伝いしてくれたのは、広島商船高等専門学校の学生さん8名。彼らは海洋教育授業の一環で手作りの環境読本を制作、その名も「海とアマモとわたし」。実際に見た「里海」、その「里海」が抱える問題をアマモへの影響を例に、分かりやすく解説してもらいました。
そして、最後は、実際に問題解決のアイデアを考える実習!
「里海にとって大事な存在なアマモ場、今減っていくアマモ場を増やすにはどんな方法がある?」
 子どもたちはこの答えを、それぞれ自分の言葉で一生懸命ノートに書き記しました。

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  • 「瀬戸内こども調査団in大崎上島」学びの成果を形にして発信予定

急きょ予定が変更となり、2日目の調査、学習が行えなかった調査団の子どもたち。
しかし、彼らの活躍はここからが本番。夏休みの間に、大崎上島の「里海」で学んだことをしっかり整理して、9月中旬には広島市内でその学びの成果「里海新聞」をプロのライターのアドバイスを受けながら書くイベントを行います。さらに大崎上島の「里海」をテーマにした絵やイラストを描くことにも挑戦します。

彼ら一人一人のオリジナルの「里海新聞」は10月中旬から約1か月間、広島電鉄の路面電車に掲出予定、この車両は、子どもたちが描いた「里海」の絵やイラストがラッピングされた「世界唯一の里海特別電車」として、広島市内をはじめ、世界遺産厳島神社のある宮島へ向かう路線も走る予定です。
さらに、子どもたちの絵やイラストは、大崎上島で採れた海藻「ヒジキ」のパッケージデザインとなり、大崎上島町の「ふるさと納税返礼品」として全国から購入できるように計画しています。
※去年運行「干潟新聞」を掲出した特別電車の様子

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  • 参加した子ども・保護者、講師の方々からの声

参加した子どもたちから

・里海の生き物に興味がある。スナガニについて前も調べたので、もっと詳しく調べてみたい。
・今回調査したことをもっと自由研究で調べて、学んだことを広めていきたい。
・次は新聞にしっかり書けるように、気になったことを調べたりして、準備したい。
・里海の生き物を実際に見つけられた!船で一泊、船で生活して興味がわいた。
・里海のピンチ!をテーマに考えてみたい。身近にできることを探します。

保護者の方から

・楽しかった事、見つけた海の生き物の話や友達になった調査団員の話などを絶え間なくしていたので、良い思い出が沢山できたようです。 
・先日はありがとうございました。とても楽しかったようで 貴重な体験の機会に感謝の思いです。
・とても有意義な日を過ごせた事に感謝いたします。
・普段できないシーカヤックや商船学校に宿泊など経験させてもらったことは大変感謝しております。
・大崎上島、楽しかった〜とまだ話しています!

協力団体や講師の先生から

・船内見学してもらえたことで、船の魅力を多少なりとも伝えられたのではと思います。(特別授業をした)学生にとって今回も良い経験になったと思います。また、本校の商船・海洋分野では連携できることもあると思いますので、今回をご縁に今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
・周到な準備と各方面への心配りについて、今回大変に勉強させていただきました。今後に活かせることがたくさんあり、喜んでいます。

<団体概要>

団体名称:海と日本プロジェクトin広島実行委員会
URL:https://hiroshima.uminohi.jp/
活動内容:海と日本プロジェクトのコンセプトをもとに、“広島県民”が“瀬戸内海”への好奇心を持ち、行動を起こすムーブメントを作ることを目指して、展開しています。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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