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髪に症状を持つ方々の美容をサポートするために、当事者にお話を聞く機会を大阪樟蔭女子大学化粧ファッション学科美容コースの学生が企画実施いたします。
大阪樟蔭女子大学 化粧ファッション学科は、様々な視点から「美」について学ぶことができる、国内で唯一の学科です。同学科美容コースの学生有志が、小児がんや先天性の脱毛症などで頭髪を失った子どものために髪の毛を寄付するヘアドネーション団体の活動に賛同し、SDGs 活動としてプロジェクト「髪の毛で夢をつなぐ~ヘアドネーション~」に取り組んでおり、その一環として、脱毛症、抜毛症、乏毛症、無毛症、治療による副作用など様々な理由により髪に症状をもつ当事者の方と学生との座談会「~多様な未来への一歩~」を 9 月 3 日(土)に同大にて開催します。
■開催日時:2022年9 月 3 日(土) 13:00~16:00
■開催場所:大阪樟蔭女子大学 同大 記念館 M101 教室
■内容 :髪に症状をもつ当事者の方 6 名、ASPJ スタッフ 2 名
プロジェクトメンバー17 名、教職員 3 名との意見交換やレクリエーションなどを開催
■主催 :大阪樟蔭女子大学化粧ファッション学科
■協力 :特定非営利活動法人Alopecia Style Project Japan
大阪樟蔭女子大学 化粧ファッション学科(※1)は、様々な視点から「美」について学ぶことができる、国内で唯一の学科です。同学科美容コースの学生有志が、小児がんや先天性の脱毛症などで頭髪を失った子どものために髪の毛を寄付するヘアドネーション団体の活動に賛同し、SDGs 活動としてプロジェクト「髪の毛で夢をつなぐ~ヘアドネーション~」に取り組んでいます。今回は特定非営利活動法人 Alopecia Style Project Japan(以下 ASPJ)(※2)の協力のもと、脱毛症、抜毛症、乏毛症、無毛症、治療による副作用など様々な理由により髪に症状をもつ当事者の方と学生との座談会「~多様な未来への一歩~」を 9 月 3 日(土)に同大て開催します。
■美容技術だけでなく、髪に症状をもつ方に寄り添える美容師を目指して
「髪の毛で夢をつなぐ~ヘアドネーション~」プロジェクトは、美容師に必要な知識と技術を学ぶだけではなく、自分たちにできる活動があるのではないかという想いから、2021 年度に同コースの学生有志が、同大の「イキ×ラボ・チャレンジプロジェクト(※3)」として活動を展開しています。
2021 年度は、同大の在学生及び、
教職員を対象に参加者を募り、ドネーションカットを行うなどのヘアドネーションイベントを2回実施しましたが、ヘアドネーション団体に賛同し、ヘアドネーションイベントを行うだけではなく、髪に症状をもつ方の悩みや問題を直接解決できるような取り組みをしていきたいと考えるようになりました。そんななか、様々な髪の症状をもった家族や当事者のサポート、当事者同士や家族同士のコミュニティを運営する ASPJ(※2) の方に直接連絡を取りご相談したところ、今回の座談会の実現につながりました。
座談会当日は、学生が当事者の抱える問題や悩み、感じていることなどを生の声として聞き、そこから何ができるのかを一緒に考え、今後の活動につなげていきます。より多くの方に理解を広められるように、座談会で得られた内容は後日動画で配信される予定です。学生全員が「髪に症状をもつ方に寄り添い、悩みや問題を一緒に解決していきたい。自身に何ができるかを考え、この経験を将来美容師として活かしたい」という想いをもち座談会に臨みます。
■課題解決に取り組みながら多様な社会を目指す
これまでにもヘアドネーション活動についての知識を深めるためプロジェクトメンバーは、ヘアドネーション団体の特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity(※4) の事務所見学や、今年 1 月に同大で開催された公開講座「子ども・ウィッグ・未来:ヘアドネーションという活動」に参加しました。
講座ではどのようにヘアドネーションを募りウィッグにしていくのかといった話から、「本当にウィッグは必要なのか」という問題提起、「ウィッグが必要ではない社会」へ向かうことの重要さなどが話され、プロジェクトメンバーも参加してさらなるヘアドネーション活動についての知識を深めました。
今後もヘアドネーションについて学びながら、当事者の気持ちに寄り添った活動を行い、自身の髪でもウィッグでもオシャレを楽しむことができることを発信していく一方で、ウィッグを必要としない社会になるよう視野を広げられるような活動にも取り組みます。さらに本活動を通じて、SDGs 開発目標「3.すべての人に健康と福祉を」「4.質の高い教育をみんなに」「10.人や国の不平等をなくそう」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に関わり、課題解決にも取り組みます。
■プロジェクトを主導する教員のコメント 化粧ファッション学科 真殿 由加里 助教
「容姿を美しくする」のが美容師であり、髪の症状の有無に関係なく、「容姿を美しく」できる美容師があるべき姿であると考えています。しかし、美容師養成施設で学ぶ教科書には、髪の病気や症状についての記載があっても、その人たちの髪の悩みやその解決方法などの記載はありません。髪に症状をもつ当事者の方から直接お話を伺う機会はとても貴重であり、協力を快く引き受けて下さった ASPJ 代表の土屋様や参加者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。学生たちに髪に症状をもつ方の気持ちに寄り添い、自分たちに何ができるのかを考えて行動できる美容師になって欲しいと思っています。
■学生のコメント 細目 侑花さん(3 年生)
通院・入院を繰り返している時に、抗がん剤などの副作用で髪の毛が抜けている子どもを見かけ、何か役に立ちたいなとヘアドネーションをしました。今回、座談会を開催することで、脱毛症や抜毛症などの症状をもつ方はどんなことに悩んで困っているのかを知り、できる限り解決できる活動をしていきたいと思っています。また、今後のヘアドネーション活動や美容師になった時に活かせたらと思っています。
■ヘアロス当事者のコメント
これまでの自分自身の体験や経験が誰かのお役に立てればと思い参加を決めました。学生のうちから私たちのような髪のない人にも触れていただくことで、いつか美容師としてお仕事をされていくときに、ご自身のお客様が急に脱毛症などの髪がなくなっても変わらずに、美容という技術を使いその方に寄り添い、サポートしてくれる強い味方になると感じています。私たち当事者が直接話すことで、私自身が自分のことを受け入れられる実感があります。また座談会を通じて、脱毛症のリアルを世間に広めることが、同じ病気の仲間のためになれば幸いです。
(※1)大阪樟蔭女子大学 学芸学部 化粧ファッション学科
日本で唯一、様々な視点から「美」について学ぶことができ、ファッション・化粧・美容をトータルで学べるユニークな学科。ファッションや化粧がもつ、いかに美しく整えるか、いかに自分を表現するか、という人々の関心事「よそおい(装い・粧い)」について、文化・歴史、心理学、社会学、自然科学、ビジネス、作品制作などの各分野からアプローチして学びます。美容コースでは、美容師国家資格の取得をめざし、技術をはじめ、将来を見据えた経営までを学ぶ「美のリーダー」を育成しています。
https://cheer.osaka-shoin.ac.jp/department/beauty-and-fashion/
(※2)特定非営利活動法人 Alopecia Style Project Japan
ASPJ(エーエスピージェイ)という円形脱毛症、先天性縮毛症・乏毛症(せんてんせいしゅくもうしょう、ぼうもうしょう)抜毛症、治療の副作用など、様々な理由により髪に症状を持つ方とご家族の交流会、コミュニティ運営(登録者数:2022年8月時点 4345名)、小中学校、美容専門学校での講演事業を行うNPO法人です。髪の有無などの症状ではなく、その人自身が持っている本来の個性にフォーカスしあえる関係性を築くための活動をしています。https://aspj.site/
講演・勉強会のご依頼につきましてはこちらよりお問い合わせください。
https://aspj.site/entry/
(※3)「イキ×ラボ・チャレンジプロジェクト」
「イキ×ラボ・チャレンジプロジェクト」とは、地域社会の中で活躍できる女性の育成を目的に、学生が大学での学びや自分たちの力を活かし、主体的に地域の課題解決などに取り組む活動に対して、同大が支援を行う制度。学生たちは社会的課題に取り組むと同時に、学びを活動に発展させていく創造的な力を身につけます。2021 年度より、イキ×ラボ・チャレンジプロジェクトの活動は SDGs とリンクし、より社会の課題解決につながるように取り組んでいます。https://www.osaka-shoin.ac.jp/univ/news/20211/2021.07.15/
(※4)特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity(※4)
Japan Hair Donation & Charity(通称:JHD&C,ジャーダック)は、寄付された髪だけ … 頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに無償提供している日本初のNPO法人です。https://www.jhdac.org/