チュニス発 − チュニジアのチュニスで開催された第8回アフリカ開発会議 (TICAD8)の開催に合わせ、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)、国連工業開発機関(UNIDO)は日本とアフリカの民間セクター間の貿易と投資を強化すべく新たなパートナーシップを立ち上げました。
佐々木伸彦JETRO 理事長は、「4機関によるパートナーシップの拡大は、日本とアフリカのさらなる経済関係の強化を通じて、アフリカの持続可能な開発にも貢献していくことであろう」と強調しました。
4機関は、アフリカの中小企業と日本の技術やビジネスノウハウとのつながりを強化するために協力することに合意しました。具体的には、定期的な対話、セミナーやイベントなどの実施を通じて協力していきます。
アヒム・シュタイナー国連開発計画(UNDP)総裁は、「経済回復を強化するためには、アフリカ開発のためのダイナミックかつ革新的なパートナーシップを迅速に拡大し、迅速かつ適切な対応が必要である」「この強化された4機関による合意は、一時的な解決策を超えた行動を見据え、イノベーターを結びつけ、日本からの投資を促進することで、アフリカのより持続可能な開発を支援します。」と述べました。
2021年の海外直接投資が過去最高の830億ドル(2020年の約390億ドルから2.1倍増)に達し、アフリカのスタートアップ企業が総額52億ドル(2020年の3.6倍) 、681件の投資(2020年から92%増)を調達した今 、ビジネスパートナーとしてますます重要になるアフリカを支援することは持続可能な開発にとって必要不可欠です。
田中明彦JICA理事長は、「現在、複合的危機に直面しているアフリカ諸国において、将来の危機に対する強靭性を高め、課題を克服し、持続可能な開発を実現するために民間セクターは不可欠です」と強調。また、「4機関連携のもと、国際社会の連帯を実現し、一丸となってアフリカが直面する複合的危機からの復興に取り組みます」と述べました。
UNIDOの安永裕幸局長は、「世界のすべての国々と同様、アフリカが、増大する気候変動や経済的ショックに直面し、より環境に優しく包括的成長に向かう産業化のアプローチの見直しを迫られている中で、UNIDOは3つの強力で精力的なパートナーと力を合わせることを強く願っております」と強調しました。
開発、協力、投資・貿易、工業化の各分野の専門機関が結集した当協力関係は、2019年開催のTICAD7の際に締結されたJETRO、JICA、UNDPによる三機関パートナーシップの成果を基に構築されています。過去3年間、新型コロナウィルスのパンデミックにより世界中の交流が停止していたにも関わらず、最先端のイノベーションを推進し、大陸の最も脆弱な人々にソリューションを提供する2000以上の民間企業を動員してきました。
TICAD8は、1993年に日本が開始したアフリカ開発に関する首脳レベルの国際会議で、アフリカ、日本、およびそのパートナーの首脳が集まり、アフリカにおける経済成長、貿易・投資、持続可能な開発、人間の安全保障、平和と安定に関する協議をするプラットフォームです。