愛媛県の県魚「マダイ」を通して地元の海を学ぶ体験型学習イベント「MIRAIDAIスクール ~マダイから愛媛の海を考える~ 」を開催しました!

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2022年8月27日、28日 【場所】宇和島市、今治市

海と日本プロジェクトinえひめ実行委員会は、2022年8月27日、28日の2日間、愛媛県内の小学5・6年生を対象に、愛媛県の県魚である「マダイ」を通して愛媛県周辺の海で起こっている環境変化などを学ぶ体験型学習イベント「MIRAIDAIスクール~マダイから愛媛の海を考える~」を開催しました。このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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  • イベント概要

・開催概要
愛媛県の県魚である「マダイ」を通して、愛媛県周辺の海の環境変化や、天然漁・養殖漁業それぞれの現場が直面している課題を学び、将来の「海の恵み」について考える体験型学習プログラムを実施。
・日程 2022年08月27日(土)28日(日)
・開催場所 愛媛県宇和島市・今治市
・参加人数 愛媛県内の小学5・6年生 21名
・協力団体 愛媛県水産研究センター、株式会社タイチ、愛媛県漁業協同組合宮窪支所、NPO法人今治シビックプライドセンターなど
 

  • 愛媛県周辺の海の特徴と環境変化を学ぶ!

一行が最初に訪れたのは宇和島市下波にある愛媛県水産研究センター。県内における水産資源の調査、また養殖業の技術開発などの拠点となっている研究施設です。講師を務める県水産研究センター主任技師の松岡学(まつおかまなぶ)先生から、まずは愛媛県周辺の海の特徴について授業を受けます。愛媛県周辺には瀬戸内海、宇和海と地理的特徴の異なる2つの海域があり、そのうち宇和海は複雑に入り組んだリアス式海岸で波や風の影響を受けにくいこと、また水深が深く海水交換がよく起こるため養殖業に適していることなどを学びました。授業の最後には、当日朝に宇和海で採取した海水を顕微鏡で観察し、プランクトンの種類や数を調べました。
次に学んだのは、近年起きている海の環境変化について。愛媛県周辺の海水温は過去45年間で約1℃上昇し(世界平均の約2倍!)、アイゴやガンガゼなどの南方系の生物がこれまでより多く見られるようになっていることや、様々なことが要因で「海のゆりかご」として作用する藻場・干潟が減少していることを学びました。子どもたちが最も関心を持ったのは海洋ごみ問題についてです。海洋プラスチックごみがこのままのペースで増え続けると、2050年には海洋プラスチックごみの量が魚の量を上回る可能性があることを学びました。参加した子どもたちからは、驚きの声と共に、プラスチックをなるべく使わないようにすることや海のごみ拾いを積極的に行うことが重要であるといった意見が出ました。

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  • 地元の県魚「マダイ」の生態や漁業の問題を水産研究センター主任技師から学ぶ!

続いての授業は「マダイの生態」について。講師は引き続き松岡先生です。愛媛県の県魚でもあるマダイは、日本各地、また東シナ海や南シナ海に広く分布し、古くから水産資源として活用されてきました。愛媛県では天然マダイの漁獲量が全国4位、養殖マダイの収穫量は全国1位。天然マダイが育つ環境、養殖業を行う環境の両方が適していることを学びました。また、天然マダイと養殖マダイで生育速度が大きく異なること(天然マダイ:4年で約30cm、養殖マダイ:2年で約40~50cm)や見た目にも違いがあること、それぞれの漁業で抱えている課題など、多くのことを学び子どもたちはノートに熱心にメモをとっていました。

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  • 環境に配慮したマダイの養殖現場とは?いけすに入って養殖漁業を体験!

続いて一行が向かったのは、マダイの養殖現場です。講師を務めるのは、(株)タイチ 代表取締役の徳弘多一郎(とくひろ たいちろう)さん。従来の養殖漁業とは一線を画した養殖マダイのブランド「鯛一郎クン」を2003年に立ち上げ、環境に配慮した持続可能な養殖技術を追求し続ける「マダイ養殖の達人」です。海上に浮かぶいけすまでは、渡船を使って移動。安全には十分配慮しながら、一人ずついけすに乗り移ります。(株)タイチさんのいけすは、中央に足場が組まれており、いけすのど真ん中から給餌を行います。こうすることで、エサの食べ残しが減り周辺の海を汚さないことに繋がります。他にも、環境負荷や動物の福祉の視点から飼育尾数を通常よりも減らしていることや海を汚しにくい飼料へのこだわりなど、(株)タイチさんの取り組みを余すところなく学びました。

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  • 一日目を終えての宿題に取組み、保護者の方に活動を報告した子どもたち

一日目を終えた子どもたちが取り組んだのは家庭での宿題!一日目で学んだことを保護者の方に報告し、保護者の方からもコメントを貰いました。

・早速、スーパーに並んでいるマダイを手に取り、養殖と天然の違いを教えてくれました。養殖魚のエサの種類や、どこから来たのかなどはじっくりと見比べることが今まで無かったので「こんなに違うのだ」と私も発見でした。しっかりと表示されていることにも驚きました。
・昔と比べて、貧栄養化で海がきれいな見た目になっていることや、海藻が減っていることが意外だった。当たり前のことにはなるが、ごみを減らすなど自分たちが出来ることを継続することが大切だと感じた。
 

  • 水産資源管理を学び、「ごち網漁」に同行して瀬戸内海の天然マダイ漁を体験!

2日目の舞台は瀬戸内海に位置する大島・宮窪エリア。潮流体験船の発着地点でもあり、潮の流れが非常に速いことで有名な海域です。愛媛県漁業協同組合宮窪支所の關洋二(せきようじ)運営委員長を講師に迎え、天然マダイ漁を体験します。まずは、資源管理の取り組みとして漁協独自に禁漁期間を設定していることなどを学びました。続いて、いよいよ船に乗り込み漁師さんが行う「ごち網漁」に同行。1隻で網を入れ、大きな袋状の包囲形を作り引っ張り上げていきます。上がってきた網の中には沢山のマダイが!本来、漁は早朝に行っており厳しい状況でしたが、瀬戸内海の漁師さんの腕に歓声が上がりました。

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  • 獲れたての天然マダイを自分でさばいて味わおう!!

続いて、獲れたばかりの天然マダイを実際にさばいていきます。講師を務める食育アドバイザーの中村和憲(なかむらかずのり)先生から、さばき方の手順とマダイの身体の作りを教わりながら、魚の頭や中骨の部分も余すところなく使用することの重要性を学びました。いよいよ、子どもたち一人一人が包丁を握りマダイのロインをさばいていきます。さばいたマダイがそのまま自分の昼食になるので、皆真剣な表情です。

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  • 「海のゆりかご」アマモの減少を学び、子どもたちの手で海にアマモの種まき

2日目、最後の講義は「うみのゆりかご」として重要な機能を持つアマモについて学びます。講師を務める今治シビックプライドセンターの三谷秀樹(みたにひでき)さんから、「アマモ場」が稚魚の隠れ家や餌場になること、また酸素の供給源になり海の環境面でも重要な役割を担っていることを教わりました。しかしながら、瀬戸内海のアマモ場は過去30年間で約70%減少しています。子どもたちは、アマモ場が失われている事実に危機感を持ち、自分たちに出来る取り組みを考えました。今回は三谷さんが活動している別プロジェクトで採取したアマモの種を分けてもらい、粘土に混ぜて宮窪の海に種まきしました。

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  • いよいよ「MIDAIDAIパネル」作成し、2日間の学びの内容を中村知事に報告!

2日間のイベントを締めくくるのは「MIRAIDAIパネル」の作成です。参加した子どもたちは2日間を振り返り「2日間のイベントで学んだこと」、「今後自分が愛媛の海を守るために取り組んでいきたいアクション」の2つを書き込みました。子どもたちからは「マダイの養殖場のエサやり方法が思ってもいない方法で驚いた」、「このままの海だと2050年に魚の量よりプラスチックごみの量の方が多くなることを知り、プラスチックは出来るだけ使わないようにしたい」などの意見が出ました。

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イベント翌日の8月29日(月)、参加した子どもたちの代表者3名が愛媛県の中村時広知事を訪問し、2日間で学んだ内容や今後自分たちが取り組みたいアクションを報告しました。中村知事からは、「魚を守っていくためにも、みんなの世代でも海を大事にしてほしい」とコメントを貰いました。

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<団体概要>

団体名称:海と日本プロジェクトinえひめ実行委員会
URL:https://ehime.uminohi.jp/
活動内容:愛媛県内の「海」を中心とした、食・文化・スポーツ・お祭り等の活動のムーブメント作りのための情報収集、イベント活動の広報実施。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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