SDGsを意識した経営がマストの時代へ 「SDGs・社会課題に関する意識調査」から見えてきた傾向

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~2年間で認知度2.4倍の伸び、意識・行動の行動の世代間格差鮮明~

2021年8月2日

損害保険ジャパン株式会社



「SDGs社会課題に関する意識調査」

~認知度は約8割、達成に向けて個人と企業に求められるものとは~



 損害保険ジャパン株式会社(取締役社長:西澤 敬二、以下「損保ジャパン」)は、「SDGs・

社会課題に関する意識調査」を実施しましたので、その結果を公表します。



1.調査実施の背景

2015年9月に国連サミットで「持続可能な開発目標※(Sustainable Development Goals:以下

「SDGs」)」が全会一致で採択されてから約6年が経過し、「行動の10年」に入りました。日本では、政府を中心に企業、自治体、NPOなどの各種団体および個人それぞれの立場で、SDGsの達成に向けて取組みが加速しています。

SDGsの達成には、一人ひとりの理解や取組みが重要となっており、また、新型コロナウイルスの感染拡大が収束しないなかで、10代以上の一般消費者が、SDGsについてどのような考えを持っているか確認するため、本調査を実施しました。

また、損保ジャパンが本調査を行うのは今回が3回目であり、過去、2017年度および2019年度にも同様の調査を実施しています。意識や行動における変化についてもあわせて確認しました。



<参考:過去の調査結果>(損保ジャパン公式WEBサイト)

■2017年度

 https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/news/2017/20180307_1.pdf

■2019年度

 https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/news/2019/20190807_1.pdf



※「持続可能な開発目標(SDGs)」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)な目標です。





2.調査概要

(1)調査期間:2021年7月9日~7月13日

(2)調査方法:インターネットアンケート調査

(3)調査対象:全国在住の15歳以上の男女

(4)回答者数  :1,204人



3.調査結果のポイント

「SDGs」に対する認知度は、2年前と比較して40ポイント以上上昇し、全世代において、認知度が向上していることがわかりました。特に、10代は、「よく知っている」と回答した人が50%を超えており、学習指導要領の改訂により、小・中学校での教材に組み込まれるなど学校教育で学ぶ機会などもあり、他の世代より認知度が高い結果となりました。(Q1)

50%以上の人が、「SDGsの達成」や「社会課題の解決」に向けて取り組んでいる企業の製品・サービスを使用・購入したいと回答しました。(Q8)

■製品・サービスを選ぶ際、その他の機能や内容が同じであれば、価格が高くても社会をより良くすることにつながる商品・サービスを選択したいと回答している人は、10代、20代において20%を超えており、価格よりも社会をより良くすることにつながることを選択する傾向が、他の世代よりも強く出ました。(Q9)

■10代、20代および60代以上の人が、自分の就職先として考えたり、家族や知人の就職先に薦めたいと思う場合、その企業が社会を良くすることに役立っているかどうかを重視する傾向が他の世代よりも強いことがわかりました。(Q10)

 

4.調査結果

Q1.「SDGs」という言葉を知っていますか?(回答者数:1,204人)

・「よく知っている(28.3%)」、「まあまあ知っている(48.1%)」と回答した人の合計は前回の31.2%から大幅に上昇し、76.4%になりました。

・年代別で見てみると、10代は52.3%の人が「よく知っている」と回答しており、「まあまあ知っている」と回答した34.9%を上回っており、他の年代と異なる結果が出ています。

 

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Q2.「社会課題」と聞いて重要度が高いと思うものを3つまで選んでください。(回答者数:1,204人)

・「貧困問題(34.0%)」、「気候変動・異常気象(31.8%)」、「福祉・介護、高齢化社会(31. 5%)」の順で重要度が高いと回答している人の割合が多い結果になりました。

・一方、「何も連想しない/よくわからない」と回答した人は12.0%おり、前回調査を上回る結果となりました。

 

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Q3.日常生活において、「SDGs」や「社会課題」を意識し、何らかの行動を起こしていますか?

   (回答者数:1,111人)

・「意識し、行動している。(12.2%)」および「何かのきっかけで意識したときに、行動することがある。(27.9%)」と回答した人はともに前回、前々回を上回り、合計で約40%となりました。

・世代間で見てみると、30代以上に比べ、10代、20代では「意識し、行動している」と回答した人が2倍以上いることがわかりました。

 

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Q4.Q3の質問で、「意識し、行動している」または「何かのきっかけで意識したときに、行動することがある」と回答した方に質問します。具体的にどのような行動をしていますか? 

(回答数:385人)

・「SDGs」や「社会課題」を意識した行動として「ごみを出さない、分別して廃棄する」、「エコバッグ、マイバッグ、マイストローなどを利用する」、「無駄な買い物をしない、食品ロスを出さないようにする」、「節電・節水」など、日常生活の中で取り入れられる行動が多く挙げられました。

・また、「ジェンダー平等に配慮する」、「日ごろから差別的な言動をしないようにしている」、「子供への教育の中で伝えている」などといった、心がけや意識などに関するコメントも挙げられました。

 

Q5.「SDGsの達成」や国内外の「社会的課題」の解決に向けて、主に誰が行動すべきだと思いますか?2つまで選んでください。(回答者数:1,111人)

・「政府・企業(63.6%)」と回答した人が最も多く、次いで「企業(44.1%)」、「個人(32.7%)」と回答しており、2017年度調査時と、同様の結果となりました。

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Q6.企業が「SDGsの達成」や「社会課題」の解決に向けて果たすべき役割で、最も期待するものは次のうちどれですか?(回答者数:1,111人)

・「社会課題の解決に資する商品・サービスの開発・提供(32.0%)」と回答した人が最も多く、2019年度および2017年度調査時と同様、企業の本業を通じた貢献が期待されていることがわかりました。

 

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Q7. 「SDGsの達成」や、「社会課題」に取り組んでいる企業と判断するのはどのような点ですか?該当する選択肢を3つまで選択してください。(回答者数:1,111人)

・「企業ホームページや広告などで取組みが開示・公開されている(31.4%)」と回答した人が一番多く、企業活動における取組みを、ホームページや広告などで消費者にわかりやすく伝えることが求められていることがわかりました。

 

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Q8.「SDGsの達成」や「社会的課題」の解決に向けて取り組んでいる企業の製品・サービスを使用・購入したいと思いますか?(回答者数:1,111人)

・「そう思う(17.5%)」および「ややそう思う(39.4%)」と回答した人の合計が56.9%おり、製品・サービスを選定する際、半数以上の人に影響を与えていることがわかりました。

 

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Q9.Q8で「そう思う」または「ややそう思う」を選択した方に質問です。製品・サービスを選ぶ際、その他の機能や内容が同じであれば、価格が高くても社会をより良くすることにつながる商品・サービスを選択しますか?(回答者数:632人)

・「同価格または同程度の価格なら選択する(68.7%)」と回答した人が最も多く、次いで「価格が高くても選択する(19.5%)」という調査結果となり、「価格が高ければ選択しない(9.8%)」を上回りました。

・特に、10代および20代の人は、他の世代と比べ、製品・サービスを選ぶ際、価格よりも社会をより良くすることにつながることを選択する傾向がうかがえます。

 

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Q10.あなたが企業を自分の就職先として考えたり、家族や知人の就職先に薦めたいと思う時、その企業が社会を良くすることに役立っているかどうかをどの程度考慮しますか?

(回答者数:1,111人)

・「かなり考慮する」と回答した人が全体で13.6%であったのに対し、10代が16.5%、20代が

 16.0%、および60代以上が20.4%と全体を上回りました。

・なかでも、60代以上で「かなり考慮する」と回答した人は、30代、40代、50代の2倍以上となっており、家族や知人に就職先として薦める際、企業が社会を良くすることに役立っていることを重視する傾向が他の世代よりも強いことがわかりました。

 

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Q11.新型コロナウイルス感染拡大前と比較して、「SDGs」や「社会課題」を意識する機会は増えましたか?また、その理由はなんですか?(回答者数:1,111人)

・「非常に増えた(8.2%)」および「やや増えた(33.4%)」と回答した人が全体の41.6%となり、「あまり増えていない(27.9%)」、「全く増えていない(13.1%)」と回答した人の合計41.0%とほぼ同割合となりました。

 

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■「非常に増えた」「やや増えた」主な理由 

・SDGsや社会課題がTVやSNS等で取り上げられることが増え、なおかつ外出の機会も減ったことによりメディアで目にする機会が増えたため。

・生活や所得の格差が露呈したと感じるため。

・物事に対する価値観が変化したため。 



■「あまり増えていない」「全く増えていない/変わらない」主な理由

・普段から意識しているため。

・自身の生活は特に変わっていないため。

・考える余裕がないため。

 

Q12.あなたが個人として、「SDGsの達成」や「社会課題の解決」に向け、今後取り組みたいことは何ですか?※特にない場合は「特になし」と記入してください。(回答数:965人)

・Q4で回答のあった、日常生活の中に取り入れられる行動のほか、「SDGs」や「社会課題」について正しい情報を入手し、発信していきたいという声も挙げられました。

・また、「SDGs」や「社会課題」に取り組んでいる企業の商品やサービスを選びたい、といった消費者としての声に加え、就職先や取引先の選定において考慮したいといった商品やサービスを提供する立場を意識した声も上がりました。

 

5.識者コメント

SOMPOリスクマネジメント株式会社

リスクマネジメント事業本部/ サステナビリティ部 ESGグループ

グループリーダー 米倉 寛人 



2019年度の前回調査から、「SDGsという言葉をよく知っている・まあまあ知っている」という回答が、31.2%から76.4%と大幅に増えました。テレビや街中でもSDGsを目にする機会が増え、企業や地方自治体のSDGsに関する情報発信がなされていることを背景に、認知度が高まっています。

こども食堂、ヤングケアラー、気候変動、カーボンニュートラル、少子高齢化、新型コロナウイルス感染症など、SDGsの17のゴールと関連するさまざまな社会課題をニュース等で見ることも多くある中で、社会課題と聞いたときに「何も連想しない/よくわからない」という回答も12.0%あり、SDGsという言葉は知っているが、自分の居る世界とは違う、別の場所で起こっていること、というような捉らえ方がされている面も一定あるようです。

SDGsや社会課題を意識した行動については、40.1%が「行動している・することがある」と前回調査よりも増加しています。個人はできることから実践し、その積み重ねを成果につなげていく、政府・企業は、個々人では実施し難いことを、組織の力を使って、政策や事業活動として取り組んでいくことが重要となります。

個人においては、社会の困りごとを皆が理解し取り組んでいく、という至極当然のことが、SDGsで再認識され、働きがいや、日常生活における思いやり、といったことにつながり、目に見える形で成果に表れることが期待されます。

あったら良いなと思うお客様のニーズや要望に応え、その対価として金銭を得ているのが民間企業の事業活動ですが、SDGsは、世の中の解決すべきこと、という社会的な課題解決に対応するマーケットニーズですので、「社会の役に立つことを行って対価を得る」、ということが企業でより推進されていくことが推奨されます。個人の行動変容とともに、企業には、世の中の変化を的確に捉え、SDGsが目指す2030年までのさらなる社会変革に向けて、多様なセクターと手を組み、パートナーシップを基盤とした社会課題の解決に資する新たな社会価値創出が求められます。 

以上





 

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