2022年9月9日。社会を守る砂防の現場に笑顔があふれました。社会や地域に貢献する人々とその活動に光を当てるために創設した「宇都宮大学地域デザイン科学部の独自の表彰制度」で「高校生たち」を表彰。
舞台は下掲の写真、日光市足尾町の渡良瀬川の最上流の場で流れる松木川沿いの砂防指定地。昔は、はげ山で雨が降るたび大量の土砂が河川に流れ込んでおりました。現在、国土交通省渡良瀬川河川事務所とNPO法人足尾に緑を育てる会が、山腹を「環境学習の場」として用意し、小中高の生徒たちから大人たちまで、植樹活動に来られる方々を幅広く受け入れております。
宇都宮大学地域デザイン科学部は、山と川を守るこの社会貢献活動に「楽しさ」と「誇らしさ」を添えるべく、昨年からこの現場で研究調査活動を加速させてきました。昨年そして今年と、コロナ禍で行動が制限される中、本学の研究活動に協力しながら植樹にも取り組んできてくれた「宇都宮大学共同教育学部附属特別支援学校の高校生」へ、地域デザイン科学部が2022年9月9日に現場で「社会貢献賞」をお贈りしました。
- 宇都宮大学地域デザイン科学部から「社会貢献賞」をお贈りしました。
地域デザイン科学部には、本学とともに地域に貢献してくれた方々にお贈りする「宇都宮大学地域デザイン科学部の独自の表彰制度」がございます。
このたびは、社会貢献に励みながら宇都宮大学の調査研究活動にも協力してくれた「附属特別支援学校の高校生(1年生、2年生、3年生)」にそれぞれ表彰状をお贈りしました。昨年から調査研究に協力して頂き、今年も一緒に植樹活動に励んで頂きました。
表彰式でも笑顔があふれました。表彰する側とされる側、共に社会や地域に貢献する喜びで心が重なり合います。
上の写真は地域デザイン科学部コミュニティデザインの学生(左)から特別支援学校の1年生(右)へお渡ししているところの様子です。
- 舞台は日光市足尾町の砂防事業の現場。渡良瀬川の最上流で流れる松木川沿い。
植樹活動そして表彰の舞台は、渡良瀬川の最上流。渡良瀬川のさらに上流には「松木川」という川が流れておりまして、山々に囲まれています。ここの「山林」は林野庁や栃木県によって保護されており、「河川」は国土交通省によって土石流の流れ込みから守られております。この「河川と山との際(きわ)」で行われている土石流の流れ込みを防ぐ事業は「砂防事業」と呼ばれます。「砂防法」に基づいてエリアを指定して行われる事業で、この指定エリアは「砂防指定地」と呼ばれます。
国や県や地域が山林の復旧に尽力するも、緑の回復が難しい状況でした。
自然の回復力とそれを願う人々の地道な努力。現在は、みんなの努力でここまで緑が戻ってきております。
- 山を守ることは川を守ること。川を守ることは沿川地域や社会全体を守ること。
川を守り人びとの生活を洪水から守る。「国土交通省渡良瀬河川事務所」と地域のNPO「足尾に緑を育てる会」がその取り組みを、長年にわたって皆で取り組んで、有意義に学べる「環境学習プログラム」として現場でお出迎えをしております。
昨年と今年と、宇都宮大学地域デザイン科学部も関わらせて頂き、植樹の活動に楽しさや環境学習の価値を見つめる調査研究に活動に取り組んでおります。現地におもむく子供たちの活動に地域デザイン科学部の学生も一緒になって取り組んで、大学生と共に汗を流して交流する楽しさ、そして、この社会貢献の楽しさを「表彰状」で思い出に残していただきます。
- 植樹の現場で、共に社会に貢献する楽しがあふれておりました。
この植樹活動は「体験植樹」と呼ばれる足尾の環境学習プログラムです。実はこの作業、前日までの準備がとっても大変なんです。下草を刈っておいたり、子供たちが掘りやすいように地面を確認したり、肥料を用意し、苗木を用意し、当日の天候などもチェックして。足尾に緑を育てる会の方々には本当に頭が下がります。本学の学生はこのような社会貢献を支える仕組みも学ばせていただきつつ、特別支援学校の高校生と交流をさせて頂きました。幅広い世代が交流し一緒にやって心が重なって。それぞれが口に出さなくとも、植樹の現場では共に社会に貢献する楽しがあふれておりました。
- 記念撮影も植樹の楽しみのうちの一つ。楽しみながら社会貢献。
みんなで交流しながら、写真撮影もしました。思い出のための記念撮影も植樹の楽しみの一つです。 各学年ごとで1本の苗木を植えました。プレートは特別支援学校の生徒の皆様の手作りです。来年はどのくらい木が成長しているか楽しみです。
下の写真は1年生。
下の写真は2年生。
下の写真は3年生。
記念撮影はいろいろな方の思いが詰まっております。宇都宮大学共同教育学部附属特別支援学校の先生方はこの日のために準備を重ねて、現場では生徒の活動を懸命に支えて。生徒への愛情があふれておりました。
足尾に緑を育てる会のスタッフの皆様は記念撮影もお手伝いをしつつ、植樹後は鹿よけのネットや植え方を再度確認して、実は丁寧できめ細やかな配慮がところどころにございます。子供たちが主役!そんな思いが伝わってきました。
- 植樹活動を終えて、そして表彰式を行いました。
特別支援学校の生徒の皆様には、植樹後には国土交通省からは限定バージョンの「ダムカード」など(足尾砂防堰堤のカードと松木山腹工のカード)が贈られ、本学からは「社会貢献賞」の授与式を受けていただきました。本記事の冒頭の写真が1年生の表彰の様子です。そして下の写真は、昨年と今年とも本学の取り組みに協力してくれた2年生と3年生の表彰の様子です。
2022年9月9日。この日、宇都宮大学と植樹を楽しんでくれた特別支援学校高等部の全学年に表彰状をお渡ししました。緑が回復してきている現場の最前線。山深く水清らかなこの川沿いで、みんなが喜びで包まれました。社会貢献や地域貢献は大切な社会活動の一つ。「地域デザイン科学部の独自の表彰制度」がその思い出の一助になれれば幸いです。
現場の山々の緑が回復するとともに、多くの動物たちも戻ってきております。植えた木が鹿に食べられて枯れてしまうので、鹿よけネットで取り囲んで保護しております。写真右側の山腹に見える黒い筒状のものが鹿よけネットで保護された苗木たちです。栃木県外からも多くの小中高の学生たちが来てくれており、一つ一つに学校の名前のプレートが掲げられております。数年後、自分たちの植えた木がどうなるのかを想像しながらみんなで取り付けたプレート。また来てくれた時に当時の思い出とともに緑がさらによみがりますように。
上の写真は昨年の取り組みの際に撮影した植樹場所の様子です。このような砂防の最前線の現場で、環境学習の取り組みが行われております。写真左が松木川です。手前から奥に向かってが川の流れの方向です。写真中央右に並ぶ黒い筒状のものが県内外から小中高の生徒たちによって植えられた苗木です。今年、特別支援学校高等部の生徒たちは写真中央下の苗木のラインの並びで植樹をしました。
私たち地域デザイン科学部は、もう一つ記念撮影をしてこの日は帰路につきました。本学の学生たちにとっても、思い出に残る初秋の一日となりました。このたびの宇都宮大学地域デザイン科学部の表彰の取り組みは、同学部の社会基盤デザイン学科の調査研究の成果をベースとし、コミュニティデザイン学科の学生2名と共同教育学部教育人間科学系(特別支援教育分野)の学生1名で取り組みました。
- 社会貢献活動に更なる価値と楽しさを。宇都宮大学地域デザイン科学部表彰制度とは。
修学旅行で地域を訪れそこを舞台に学習を深める子どもたち、地域の自然や文化などを活用して地域活性に取り組まれている方々、地域の課題を解決しようと奔走されている方々、地域の安全安心のための取り組みに尽力されている方々など、本学の知を活用して地域に貢献されていらっしゃる方々を幅広く表彰させて頂きます。
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このたびの表彰の取り組みにおきましては、「国土交通省渡良瀬川河川事務所」と「NPO法人足尾に緑を育てる会」と「宇都宮大学共同教育学部附属特別支援学校」の協力を頂いております。それぞれの活動につきましては下記のページをご覧ください。
なお、上掲の写真は、この記事への掲載を目的として、これらそれぞれの機関からのご許可を頂いて掲載しております。
本掲載記事(および本掲載記事のPR、転載)以外での使用の場合は、別途、各機関の許可を得る必要がございます。
■国土交通省 渡良瀬川河川事務所
https://www.ktr.mlit.go.jp/watarase/index.htm
■NPO法人 足尾に緑を育てる会
https://www.ashiomidori.com/
■宇都宮大学 共同教育学部附属特別支援学校
http://www.edu.utsunomiya-u.ac.jp/fsight/tokushi/index.htm
また、この記事の取り組みは、本学の地域連携・貢献活動事業支援をもとにし、地域デザイン科学部および地域デザインセンターが行っている調査研究活動の一環として進めております。
なお、地域の方々との交流に際しは、写真撮影の際のみ、一時瞬間的にマスクを外しての撮影とし、新型コロナウィルスの蔓延防止について十分な配慮をしつつ進めて参ります。
■宇都宮大学 地域デザイン科学部
http://rd.utsunomiya-u.ac.jp/
■宇都宮大学 地域デザインセンター
https://crd.utsunomiya-u.ac.jp/
■宇都宮大学障がい児支援サークル「NOBA(ノバー)」
https://www.instagram.com/noba_udai/
■宇都宮大学 地域貢献活動
https://www.utsunomiya-u.ac.jp/activity/community/