10月11日 国際ガールズ・デー 国際NGOプラン・インターナショナルが発表 世界ガールズ・レポート2022「今こそ平等な力を:女の子と若い女性の政治参加」

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日本を含む29カ国の15~24歳の女の子とユース女性2万9000人にアンケート調査を実施

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、女の子の権利やエンパワーメントの促進を広く国際社会に呼びかける10月11日の国際ガールズ・デーに合わせて、世界ガールズ・レポート2022「今こそ平等な力を:女の子と若い女性の政治参加」を発表しました。世界の女の子の現状を報告するために毎年プランが発表している世界ガールズ・レポート。2022年のテーマは、「女の子と若い女性の政治参加」です。プランは、日本を含む29カ国の15~24歳の女の子とユース女性2万9000人を対象に調査を実施しました。調査によると、多くの女の子たちが、政治活動に参加するには大きな障壁があると感じていると同時に、自分たちの課題解決のために選ばれたはずの政治家が代表としての役割を十分に果たしていないと感じていることが明らかになりました。

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政治参加に消極的な日本のユース女性

日本から参加した15歳~24歳のユース女性1000人から得られた結果では、「女の子やユース女性が政治に参加することは重要ではない」という意見に同意する人は、世界的にはわずか3%であるのに対し、日本では10%と高い割合となりました。
 また、世界では「投票も含め何らかの形で政治に参加したことがある」と回答した人は83%であるのに対し、日本では59%と著しく低い結果となり、将来政治に関与したり参加したりすることに全く関心がないと答えている割合が世界では21%であるのに対し、日本では、34%と突出して高い数値が示されました。これらのことから、他国に比較して、日本のユース女性は政治参加に対し消極的であることが明らかになりました。

 ​世界ガールズ・レポート2022「今こそ平等な力を:女の子と若い女性の政治参加」

調査期間: 2022年2月~4月
調査方法: プランの委託を受けた、IPSOSとGeoPollの2社が、コンピューター支援による電話インタビュー(CATI)および コンピューター支援によるウェブインタビュー(CAWI)にてデータ収集
調査対象者:29カ国の、15~24歳の女の子とユース女性 2万9000人
(参加国 順不同:ギニア、ケニア、マラウイ、ナイジェリア、トーゴ、ザンビア、 オーストラリア、バングラデシュ、インドネシア、日本、ネパール、フィリピン、ベトナム、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、ブラジル、カナダ、コロンビア、エクアドル、ペルー、アメリカ)

英語版全編(33ページ)(PDF:3 MB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/SOTWGR-2022-EN-SD.pdf
英語版概要(4ページ)(PDF:657 KB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/SOTWGR-2022-Exec-Summary-SD.pdf
日本語版概要(4ページ)(PDF:888 KB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/SOTWGR-2022-Exec-Summary-SD_JP.pdf
日本における調査:ファクトシート(23ページ)(PDF:367 KB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/Japan-Country-Factsheet-SOTWG22_JP.pdf
 

【調査結果抜粋】
・  97%のユース女性が、政治に参加することは重要だと考えている
・  83%が、政治に参加・関与した経験がある
・  63%が、何らかのグループや団体に属しており、市民活動への参加度が高い
・  11%が、彼女たちが関心を持つ問題に対する指導者の決定に概ね満足している
・  10人に1人が、「女性は政治指導者になる資格がない」と思っている
・  5人に1人が、政治への個人的な関与や参加を思いとどまったことがある

 

プランからの提言:ユース女性の政治参加を拡大させる4つの道筋

女の子や若い女性の政治参加は、彼女たちが直面する問題を可視化し、課題解決に導くために必要なステップです。その実現にむけた4つの道筋として、プランは以下を提言します。

1.  あらゆるレベルの意思決定者は、十分な資金と説明責任を備えた政策や戦略、枠組みを採用することで、女の子とそのグループが有意義で安全な政治参加ができるよう制度化しなければならない。
2.  国および地方自治体は、政治参加に向けた多様で包括的な道筋へのアクセスを確保しなければならない。
3.  政府とSNS企業は、暴力を決して許さない姿勢を示し、女性政治家と女の子の活動家が経験する暴力に断固とした措置を取らなければならない。
4.  国連、政府、市民社会は、市民社会において女の子が果たす重要かつ明確な役割を認識し、女の子が参加する組織の危機や外的脅威に対する耐性や持続可能性を高め、彼女たちが利用しやすい資源を提供する必要がある。

  アドボカシーグループリーダー 長島 美紀のコメント

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「政治家=年配の男性」という、ジェンダーや年齢が不均衡な日本の国会の状況は、ロールモデルとなる女性政治家が生まれにくいだけではなく、女の子自身が政治活動に参画することを困難にしています。列国会議同盟(IPU)によれば、国会に占める女性議員の割合は、日本は9.9%で190カ国中165位(世界平均26.4%、22年8月現在)、また衆議院議員の平均年齢は51.96歳で、45歳以下の議員の割合は17.20%でした(45歳以下の議員割合は世界平均29.8%、22年10月現在)。

政治の分野で、女の子や若い女性が抱える課題や問題提起に耳を傾け、彼女たちの意見や要望を政策に反映させることは、ジェンダー平等な政治を実現するための大切な一歩です。今回の調査では、日本は世界各国に比べて女の子の政治参加が低いという結果になっています。この状況を変えるためには、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見・思い込み)の解消から制度の変容まで、取り組むべきことは山積しています。政治は、国政や地方政治と言った大きな単位のことだけではありません。まずは身の周りの課題について声を上げてみる。一人ひとりの小さな勇気が大きなうねりになると信じています。プランは、これからも、SDGs目標5「ジェンダー平等の実現」にむけ、女性が発言権を高めリーダーシップを発揮できる社会づくりに取り組んでいきます。
 

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「国際ガールズ・デー」(10月11日)とは

「性別」と「年齢」という二重の差別を受ける女の子たちの特有な問題に焦点をあて、その解決にむけて世界各国が取り組むよう、啓発し訴える日です。プラン・インターナショナルの働きかけを受けて、国連によって定められました。弱い立場にある子どもたち、とりわけ女の子と女性が男性と等しく参加できる社会の実現にむけ、「国際ガールズ・デー」にあわせてアクションやイベントを通して広く社会へ発信します。
https://www.plan-international.jp/girl/idg2021/
 

 

プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。 

 

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