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参加者の中学生の35%、高校生の41%がプログラミング未経験。
IT分野のジェンダーギャップの解消を目指す特定非営利活動法人Waffle(東京都港区、代表:田中 沙弥果、以下Waffle)は、世界最大級の女子中高生向け社会課題解決型アプリコンペティション「Technovation Girls 2022(テクノベーション・ガールズ)」の日本国内におけるインパクトレポートを発表します。
2022年度は、33チーム120名の中高生が参加し、4チームがグローバルコンペティションのセミファイナルに選ばれました。そのうちの1チームである「SpesDojo」チームはCoderDojo瑞穂が支援し、世界1,700チームより「Asia Reginal Winner」を受賞するという日本初の快挙を成し遂げました。
4ヶ月間にわたる本プログラムは、全てオンラインで行い、23都道府県から中高生が参加しました。
- Technovation Girls 2022の結果について
<日本初 グローバルコンペにて「Asia Regional Winner」を受賞(CoderDojo瑞穂 支援)>
Technovation Girls 2022、ビギナー部門にて「Asia Regional Winner」受賞。
【SpesDojoチーム「Watey」】
Wateyは、家族が簡単に楽しく節水できるアプリです。シャワーの音をAIが識別し、使用量を自動計測してくれるので、面倒な計測や記録は不要です。流量計やマイクロビットも使えるので、より正確な測定が可能です。節約した水の量は、家族で共有することができます。みんなで協力して節水目標を達成すれば、海の魚がどんどん増えていきます。
<グローバルコンペにてシニア部門セミファイナリスト選出>
・「Bridgeship」チーム
若者と活動家のためのオンライン対話型コミュニティを提供するアプリ「Bridgeship」
・「Ethical app」チーム
さまざまなブランドのエシカルファッションアイテムを提供するモバイルアプリ「Ethi」
・「scholactive」チーム
生徒の意見を校則に反映させるアプリ「Un mute」
<TechnovationGirls日本公式ピッチイベントの結果>
・Lenovo賞: scholactiveチーム
生徒の意見を校則に反映させるアプリ「Un mute」
・Google賞: Bridgeshipチーム
若者と活動家のためのオンライン対話型コミュニティを提供するアプリ「Bridgeship」
・Asurion賞: Otasuke Girlsチーム
犯罪者を遠ざけ、被害者を助け、互いに連帯し、犯罪を起訴することも可能な痴漢対策アプリ「おたすけボイスくん」
・Unity賞: Teenableチーム
日本のティーンエイジャーとその保護者のためのメンタルヘルスのためのアプリ「UTime」
・日本総研賞:SpesDojoチーム(CoderDojo瑞穂から参加)
家族が簡単に楽しく節水できるアプリ「Watey」
・Waffle賞: Fooopチーム
規格外品や余剰野菜などの食品を食糧不足に悩む人たちに運ぶことで、コドモ食堂と農家、配達員の三者をつなぐアプリ「Fooop」
▼TechnovationGirls日本公式ピッチイベントの模様は、こちらからご覧ください。
- Technovation Girls Japan Region 2022 インパクトサマリー
Waffleは、プログラムを書けるようになるだけではなく、ITで社会を変えていく次世代のリーダーとなる女子およびジェンダーマイノリティの育成を目指しています。そのため、既存の「理系学生」のイメージを超えて、より多くの中高生がITに興味をもち、「自分もITで社会を変えられる」という自信を醸成することをプログラムの主眼に据えています。
今回、参加した中学生のうちの35%および高校生のうち41%がプログラミング未経験であり、課題解決型のアプリコンペが、ITに興味をもつ中高生の裾野を広げることが明らかになりました。また、本プログラムを通じて参加者の81%はプログラミング及び起業スキルについて自信が向上したと回答し、参加者の60%がイノベーション・課題解決のスキルが向上したと回答しました。これらの回答から、本プログラムでの成功体験が「自分もITで社会を変えられる」という自信を醸成し、参加者ひとりひとりが社会を変えるリーダーへと成長したことが読み取れます。
引き続きWaffleは、プログラミング未経験者に広く門戸を開き、社会課題の解決を目指す学生のリーダーシップおよびITスキル学習の機会を提供していきます。
▼「Technovation Girls Japan Region 2022レポート」は、こちらからご覧ください
https://waffle-waffle.org/wp-content/uploads/2022/10/TG2022-Japan-Region-Report_final-1.pdf
- 2022年度の取り組み
2022年には、プログラミング未経験者であっても課題解決に熱意のある学生に対し、気軽に参加できるよう、「起業家ブートキャンプ」と「アプリ開発ブートキャンプ」を独自に開発し、参加者全員に提供しました。また、自宅にパソコンがない学生には、パソコン無料貸し出しを行いました。
<起業家ブートキャンプ>
Technovation Girls Japanに参加するほとんどの学生にとって、ビジネスを生み出すのは初めての体験です。そこで2022年からは起業家ブートキャンプをプログラムの最初に組み込み、「社会課題を解決したい」という学生の気持ちをビジネスとして形作るための一連のワークを行ないました。
<プログラミング・ブートキャンプ>
Tehnovation Girls Japanでは、例年、プログラミング未経験の学生の参加が多く、デモアプリの構築に苦戦しておりました。 そこで、今年からビジュアルブロックベースのモバイルアプリ構築フレームワークであるThunkableを使った2週間のアプリ開発ブートキャンプを提供しました。Technovation Girlsの公式カリキュラムで提案されている主要なレッスンに倣い、一貫したテーマと構造に従って日本語の教材としてアプリ開発を学べる12レッスンを制作し、提供しました。
<ハード面でのサポートの実施(パソコンの無料貸し出し)>
日本の15歳のパソコンの使用率は2009年から2018年にかけて、48%から35%に低下しており、OECD諸国で唯一低下しています*1。この現状を受け、レノボ・ジャパン合同会社およびNPO法人みんなのコードの協力のもと、30人の参加者にパソコンの無料貸し出しを行いました。今後も、プログラミング教育の拡充においては、ハード面でのサポートも必須であると考えています。
*1 参照元(https://www.digitaljapan2030.com/_files/ugd/c01657_fcaed21f58bb4c429cb460ce788b82c4.pdf)
- Technovation Girlsとは
Technovation Girlsは、米国のSTEM教育NPO「Technovation」が主催する次世代の女性IT起業家の育成を目的に開催される、世界最大級のテクノロジー教育プログラムです。2010年の開始から現在までに世界100か国以上、34,000名以上が参加しています。
10〜18歳の女子およびジェンダーマイノリティの中高生を対象に、1チーム(1〜5人)が約3ヶ月間かけて、身近な課題を解決するアプリとビジネスプランを開発し、アイディア・ピッチ(プレゼン)・技術力・起業家精神の4つを競い合うチームワーク形式のコンペです。2022年は、世界61カ国から5,500人、1,700チームが出場しました。
- 今後のご協力のお願い
「Technovation Girls Japan Region 2023」でも多くの参加者に機会を届けるため、スポンサー企業ならびにパソコンを貸し出していただける企業を募集しています。ご興味のある企業の方々は、[email protected] までご連絡ください。