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飢餓の淵に立たされている世界45カ国の約5000万人に即刻支援を
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、2022年11月15日から16日にインドネシアのバリ島で開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に先立ち、国際社会に対し世界各地で急増している深刻な飢餓に対する迅速な行動を求めるため、G20加盟国に所在するプラン事務所の代表者たちによる共同書簡を発表しました。
● G20サミット加盟国首脳へ壊滅的な食料危機に対する資金拠出を求める共同書簡
英語版(3ページ) (PDF:187 KB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/2211_G20_Letter_on_the_Hunger_Crisis_Signed_by_all.pdf
日本語版(3ページ)(PDF:307 KB)
現在世界では、気候変動の影響による記録的な干ばつや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済の低迷、紛争を引き金とする世界的な食料価格の高騰など、さまざまな要因が相まって、各地で深刻な食料不足が起こっています。世界食糧計画(WFP)によると、現在45カ国の約5000万人が飢餓の淵に立たされています。
とりわけ女の子たちへの影響は甚大です。世界の飢餓人口70%を占めていると言われている女の子と女性たちは、食料不足の最も深刻な影響を受けることが指摘されています。家計がひっ迫すると、女の子よりも男の子の学業が優先され、例え学校に通い続けられたとしても飢えや栄養不良は、学習の継続に多大な影響を及ぼします。家計の負担を減らすための苦肉の策として、娘を早く結婚させる親たちもいます。早すぎる結婚(児童婚)を強いられた女の子たちの多くは、配偶者からの暴力や望まない妊娠、中途退学のリスクに直面し、将来ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に就くことが難しくなる可能性もあります。その結果、ジェンダー不平等、貧困、差別、機会の欠如がさらに深刻化してしまうのです。
プランが発表する共同書簡では、各国政府によるこれまでの支援活動を評価したうえで、飢餓対策へのレジリエンス(強靭さ)の強化と直接的な支援だけではなく、根本的な要因にも対処することを求めています。
【プランからの要請】
・ ジェンダーに対応した、No regrets policy(後悔のない対策)を基準に、5000万人の命を救うために、222億ドルの早急な拠出。
・ 学校給食の提供や早すぎる結婚からの保護プログラムも含む、特に女の子の具体的なニーズを優先すること。
・ 紛争、経済危機、気候変動など、飢餓の危機の根本的な要因に対処するための取り組みを強化すること。
・ 食料不安の原因となるショックやストレスに直面した際に、予測し、適応し、変革するための取り組みを強化し、女の子や若者を巻き込んだジェンダー・トランスフォーマティブ※かつ地域主導で国内外で資金調達を可能にすること。
※ジェンダー・トランスフォーマティブ:女性の状況の改善だけでなく女性の社会的地位を改善 し、彼女たちが権利を十分に行使できることを目指す
・ 飢餓の危機への取り組みへのアカウンタビリティを確保すること。
プランは、今後も、国際社会、国連をはじめとする人道支援に携わる組織とともに力を合わせて、飢餓に直面し命を落とす危機に瀕している人々を救うための活動を進めていきます。
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。 |