海上における最⾼⽔準の操業と社会的慣⾏に関してRFVSが提供する保証が明確になり、⽔産物の信頼性向上に寄与
教育、政策提言、認証などを通じて責任ある水産物の拡大を世界中で推進する国際NGO世界水産物連盟(Global Seafood Alliance)(本部:アメリカ合衆国ニューハンプシャー州、代表:Brian Perkins)は、船員の人権保護に強く焦点を当てた認証である「責任ある漁船基準(RFVS)」が、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラムによる持続的なサプライチェーンイニシアチブのベンチマークプロセスを完了して、2022年11⽉16⽇にSSCIベンチマーク承認規格となったことをご報告いたします。
SSCIとは:https://www.theconsumergoodsforum.com/jp/ssci-2/
ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF: The Consumer Goods FORUM、以下CGF)*1の持続的なサプライチェーンイニシアチブ(SSCI: Sustainable Supply Chain Initiative、以下SSCI)*2は、責任ある漁船基準(RFVS: Responsible Fishing Vessel Standard、以下RFVS)*3 がSSCIのベンチマークプロセスを完了し、SSCI承認規格(SSCI recognized)となったことを発表しました。
RFVS 2.1版は、SSCIの海上オペレーション 1.0版に対する承認を受けた世界初の規格となりました。
SSCI承認により、RFVSは、世界中の漁船の持続可能性規格の中で信頼性を高める取り組みにおいて、グローバルなリーダーシップを発揮します。RFVSは、グローバル・シーフード・アライアンス(GSA)が2021年に開始した第三者認証プログラム「ベスト・シーフード・プラクティス(BSP)」*4 の一部です。
SSCIは「検証者を検証する」ため、SSCIベンチマーク基準との整合性を示し、SSCI承認を受けた持続可能性規格にさらなる信頼性を付与しています。RFVSは、2021年5月に開始されたこの新しい海上オペレーションの範囲で申請する最初の規格となりました。
SSCIは、業界の主要なステークホルダーが定義する主要な持続可能性基準を尊重したプログラムを、評価方法で承認することで、持続可能性基準に対する信頼を高めることに取り組んでいます。
CGFのサステナビリティディレクターであるディディエ・ベルジュレ氏は、以下のようにコメントしております。
「RFVSがSSCI承認を得ただけでなく、我々の海上オペレーション範囲においてそれを達成した最初の規格になったことをお祝いします。水産物部門は持続可能性に関する多くの課題に直面しており、認証制度が重要な課題をカバーし、信頼できる評価を提供することが重要です。SSCI承認により、RFVSは、規格の水準を高め、業界全体の継続的な改善を促進し、CGF会員にサプライチェーンの持続可能性に関する信頼できる評価を提供するというリーダーシップを業界に示すことができました。」
世界水産物連盟(Global Seafood Alliance)のCEOブライアン・パーキンスは、以下のようにコメントしております。
「RFVSは、SSCIの海上オペレーション範囲に対するベンチマークを受けた最初の規格となり、水産物の信頼性を高めるという我々のコミットメントを実証しています。
ベンチマークは水産物認証の重要な部分であり、今回の達成は、海上における最高水準の操業と社会的慣行に関してRFVSが提供する保証を明確にするものです。私たちは、世界中の漁船を運営する会社と協力し、業界をリードする保証を市場に示す手助けをすることを楽しみにしています。」
*1ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)について
ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は、世界中の消費財業界に役立つ慣行や標準のグローバルな採用を促進するために、会員によって運営されているグローバルな業界ネットワークです。
70カ国にわたる約400社の小売業者、メーカー、サービスプロバイダー、その他の関係者のCEOおよび上級管理職が集まっており、地理的、規模、製品カテゴリー、フォーマットなど、業界の多様性を反映しています。メンバー企業の総売上高は3兆5,000億ユーロ、約1,000万人を直接雇用し、さらにバリューチェーンに沿って9,000万人の関連雇用があると推定されています。詳細については、www.theconsumergoodsforum.comをご覧ください。
*2 持続的なサプライチェーンイニシアチブ(SSCI)について
どの制度が主要な持続可能性基準をカバーし、関連する検証手法を適用しているかを認識する包括的なプロセスです。このプロセスは、スキームによる最初の自己評価、独立した専門家によるレビュー、オフィス訪問、パブリックコンサルテーションを中心に展開されます。また、必要に応じて、申請者が是正措置を講じる機会も設けられています。
組織は、さまざまな基準がある中でもとりわけ、自社のサプライヤーが被雇用者に適正な労働条件を提供し、原材料を持続可能な方法で調達し、環境を大切にしていることを保証するため、第三者の監査と認証を活用しています。とはいえ、市場には選択対象として何百もの監査スキームがあり、かつ毎年数十もの新しいスキームが登場することから、どのスキームを信頼してよいかを判断することは組織にとって難しい課題です。すべての監査スキームが同じように社会的責任の尺度を網羅しているとは限らず、その結果、監査に対する不信感と業界における不整合が生じていることを考えると、判断はさらに難しくなります。
サプライチェーンのデューデリジェンスに関して企業を支援するため、2017年、主要なサステナビリティ要件を網羅し、適切なガバナンスと検証を適用している第三者監査スキームおよびプログラムを承認するサステナブル・サプライ・チェーン・イニシアチブ(SSCI)が始動しました。CGF会員と専門家ステークホルダーによって開発された基準に基づく包括的なベンチマーキング・プロセスを通じて、SSCIは現在、社会的責任に関する業界の期待を満たす監査プログラムを承認していますが、今後は環境サステナビリティについても重点を置く予定です。SSCIは、CGFの世界食品安全イニシアチブ(GFSI)の基準承認のアプローチに倣って設立され、CGFのサプライチェーン・コンプライアンスのこれまでの取り組みであるグローバル・ソーシャル・コンプライアンス・プログラム(GSCP)の活動を再構築したものです。2020年には、CGFの新たなグローバル戦略に従い、SSCIは主要な行動連合の1つになりました。
*3 責任ある漁船基準(RFVS)について
ベスト・シーフード・プラクティス内の基準の一つ。
責任ある漁船基準は「船舶管理と安全システム」と「船員の権利・安全・健康」の2つの基本原則のもと運用されています。特に船員の人権保護に強く焦点を当てたこの基準は、漁業労働条約やその他の国際条約に基づいたものになっています。具体的には、船員が適切な訓練を受けて安全な環境で働き、給与や食事、休憩時間が保障されていることなどが求められます。
*4 ベスト・シーフード・プラクティス(BSP)について
ベスト・シーフード・プラクティス(Best Seafood Practices)は、教育、アドボカシー、第三者保証を通じて責任ある水産業の実践を推進する国際非営利団体、グローバル・シーフード・アライアンスが運営する第三者認証制度です。BSPは、責任ある天然漁業と認証漁船および加工工場を結びつけることができる、世界で唯一の第三者認証プログラムです。BSPは、天然魚介類が、サプライチェーン全体のすべての労働者の福利と安全を尊重し、倫理的な方法で収穫・加工されたことを市場に保証しています。bspcertification.orgをご覧ください。