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2022年12月2日 【北海道江差町 江差高校】
江差観光コンベンション協会は、かもめ島の海洋環境を活かした教育旅行向け体験プログラムを通じて、海の学びを多くの中高生に向け提供する事を目的として、今年度より新授業として江差高校で始まった「地域学(南檜山学)」と連携し進めてきた体験プログラム作り「江差高校 地域学×かもめ島マリンピング」プロジェクトの成果発表会を、2022年12月2日に開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
- イベント概要
・開催概要 江差高校との学校連携プロジェクト「江差高校 地域学×かもめ島マリンピング」成果発表会
・日程 2022年12月2日(金) 14時15分~15時5分
・開催場所 北海道檜山郡江差町字伏木戸 江差高校 体育館
・参加人数 高校1年生 71名
・協力団体 江差町 / 北海道江差高等学校 / 北海道教育庁檜山教育局 / NPO法人 まちカフェ江差 / 一般社団法人 北海道江差観光みらい機構
- 1年間の活動で、3つの「教育旅行向け体験プログラム」案が完成!
教育旅行で江差町に立ち寄ってくれる学校向けに提供可能な体験プログラムを、同学年の高校生の目線で作ったら面白いのでは、という考えから始動した「江差高校 地域学×かもめ島マリンピング」学校連携プロジェクト。今年から江差高校で始まった「地域学」の授業は、町民や団体・町内での取り組みに生徒が直接触れることで、地域の「魅力」や「課題」について学んでいく授業です。これまで何度かの授業の中で体験プログラム構築を進めながら、江差町とかもめ島の魅力について考えてきました。チームに分かれての「ワークショップ」、かもめ島での「現地確認」と「プレゼン合戦」「意見集約」など、実際に体験プログラム案が採用に至るまでの行程を体験してもらいながら、このたび3つの優良案が採用される運びとなりました。江差高校体育館にてスライド上映で行った成果発表会では、最終段階まで進んでいた3案が全て採用に至ったという報告を受けて、生徒たちから大きな拍手が上がりました。
- 生徒たちが1から作り上げた体験プログラム案を紹介します
■海を「知る」江差追分ガイド
江差が誇る民謡「江差追分」を題材に、海が文化の成り立ちに与えた影響と、かもめ島の海の特色を知ってもらう2時間のガイドウォークです。ただ聞くだけの単調な内容にならないよう、ポイントごとで「追分クイズ」を出したり、歌詞を現代口調に「翻訳」して楽しむなどの工夫を取り入れています。歴史・文化を「過去の他人ごと」として聞くのではなく、「現代の自分ごと」として吸収してもらえるように考えてくれたところが、このプログラムの長所です。
■海に「触れる」アドベンチャー・ハイク
かもめ島マリンピングが地域の小学生と取り組んでいる別プロジェクト「みらいジュニア研究員」で作成中の生物マップとノウハウを活用して、島の動植物観察をしてもらう2時間の自然体験プログラムです。自由時間を多く設け「自主性ある活動」をしてもらう事に主眼を置いたプログラムになっています。「カニ釣り」や「水中ドローン操縦・観察」「磯遊び」などの実践体験も豊富です。他プロジェクトとの連携が図られた発展志向のプログラムとしても期待できます。
■海を「想う」シーグラス・アート
人気のシーグラス収集を島の3つのビーチで行ってもらい、「海洋環境保全」「海洋ごみ問題」などを訴える貼り絵アートを作成してもらうというクラフト体験系のプログラムです。訴えるテーマを考えながら収集をしていく過程で、テーマについてより深く考えながら作品を創りあげてもらえるよう、随所でスタッフが解説を行いながら進めます。学生の参加意欲を掻き立て、興味も持ちやすい「シーグラス収集」を海の学びに上手に落とし込んだプログラム内容となりました。
- たくさんの授業時間を割いてもらい、完成までたどり着きました
完成までの道のりは以下の通りです。
●5/18(水)初回授業
→プロジェクトの説明と、自分が提供したいと考える江差ならではの「体験プログラム」案のワークシートによる回収を行いました。
●7/19(火)プログラム構築
→初回授業ワークシートより厳選した優良案3つを、チーム分けで分担(各案2チームずつの計6チーム編成)し、2時間のプログラムの骨子を固めて、プレゼン時の役割分担も決めました。
●10/14(金)かもめ島プレゼン合戦
→3つの案ごとのグループに分かれて実施。各チームは同一プログラム担当チームへ向けて実地プレゼン。互いのプレゼンの中から良かった部分を出しあって最終の形に近付けました。
●12/2(金)成果発表会
→プレゼン合戦でまとまった最終案を、かもめ島マリンピングが観光業者目線で商品化した内容に整備し発表。ちなみに、自分たちの担当したプログラムが採用されているかは当日までわかりませんでした。
このほかにも定期的にホームルームなどにお邪魔させてもらいながら、一緒に組み立てていきました。生徒たちは自発的に取り組み、「同学年が有意義と感じられる内容はどんなものか」「どうやって海の学びを提供するか」について深く考えてくれ、この「地域学」の目的をしっかり体現してくれたというのが、かもめ島マリンピングと江差高校の感想であり、大きな成果であったと満足しています。
- 早期販売に向け、着々と準備を進めていきます
今回の優良案完成が当プロジェクトのゴールではありません。江差高校とは今後も、学校連携を推し進めていきます。まず、3案はかもめ島マリンピングとして各種旅行商談会や個別学校へ持ち込み、意見・感想を聞きながらプログラム改善の材料を集めます。今後の学校連携の取り組みとしては「実地シミュレーション」「ツール作成」「内容の磨き上げ」等が考えられますので、来年度以降もこの体験プログラムを題材に新1年生との活動を継続していく予定です。また、小規模単位での早期実施に限っては先行して行い、「モニター」というかたちでの近隣学校「遠足」「課外授業」受け入れなども公式サイトにて募集掲載を開始し、試験運用していきたいと考えています。
- 1年の活動で得られた生徒・教員の皆さんの感想や声
●生徒たちにとって、とても楽しい授業でした
●現状は座学主体の地域学授業にあって、体験型の授業を提供してもらいありがたかった
●地域や海の事を知ったり考える、良いきっかけになった
●1年の活動は終了したが、イベント参加などで今後もかもめ島マリンピングと関わっていきたい
●自分の意見が採用されて嬉しかった
●意見は採用されなくとも、最終的に全員が採用案に関われたため達成感と成功体験が得られた
●春にかもめ島に遊びに行って、仲間たちとシミュレーションしてみます
●自分もこんな仕事をしてみたい、観光業に興味を持ちました
<団体概要>
団体名称:江差観光コンベンション協会
URL:https://www.esashi-kankoukyoukai.com/
活動内容:江差町を中心とする南部檜山観光地の紹介やコンベンション事業、宣伝、施設の充実、文化の向上並びに産業の振興を図り、観光の発展に寄与するために活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/