全国学校給食週間に合わせて「山と海のつながり」を体感!「海の幸×山の幸」特別メニューを提供しました!

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2023年1月30日(月) 【場所】鳥取県智頭町

海と日本プロジェクトinとっとり実行委員会では、全国学校給食週間にあわせて、鳥取県智頭町の智頭小学校と智頭中学校で山の幸(シカ肉)と海の幸(モサエビ、タコ、イカ)をふんだんに使った学校給食「つながる海と山の恵み献立」を提供しました。この取り組みは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
コラボ給食の舞台となったのは、鳥取県東部の山間に位置する智頭町。町の子どもたちにとって森や山、川が身近な存在である一方で、海に行ったことが無かったり、海の魚について知らなかったりする子どもが多いのが現状です。今回のコラボ給食では、児童・生徒が美味しく、楽しく山の幸・海の幸を食べられるようにと考えた特別献立を提供しました。また、町全体に取り組みを波及するために町内の図書館でシンポジウムも開催。さらに、給食に合わせて、海の環境についても興味を持ってもらいたいと特別授業を行いました。

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  • イベント概要

・イベント名:学校給食で「山と海のつながり」を体感!【特別献立の提供&海の環境授業】
・日程:2023年1月30日(月)
・開催場所:智頭小学校(鳥取県八頭郡智頭町智頭320)、智頭中学校(智頭町智頭688)
・参加人数:智頭小学校303人、智頭中学校145人
・協力団体:智頭町教育委員会

【関連イベント】
・イベント名:シンポジウム「つながる山と海の恵み~食べて学ぶ!ふるさとの魅力~」
・日時:2023年1月29日(日)10:30~11:30
・会場:ちえの森ちづ図書館
・パネリスト:智頭小学校栄養教諭 上田志津子さん、ちづDeer’s代表 赤堀広之さん、ワカメ部部長 則定希さん、智頭町管理栄養士 柴田理江さん
・来場者数:30名
 

  • 「山のごみは川に流れ出て海へ…」鳥取環境大学の学生による特別授業!

 智頭町は直接海に面していませんが、鳥取県東部を流れる一級河川・千代川(せんだいがわ)を通じて、海とつながっています。智頭小の子どもたちの中には、海水浴に行ったことがなく、海についてイメージをしにくい子どもも多いのが現状で、給食の前に海の環境について学んでもらおうと特別授業を開催しました。授業に参加してくれたのは3年1組の20人の子どもたち。まずは、日本海テレビの小林沙貴アナウンサーによる絵本の読み聞かせです。海や浜辺に捨てられたプラスチックごみが動物に与える影響と一人一人が出さないよう意識することの大切さを訴える絵本を朗読し、子どもたちは真剣な表情で聞き入っていました。続いて、鳥取環境大学の学生EMS委員会のメンバー2人による「海のごみと川のごみ」をテーマにした授業です。学生EMS委員会では、千代川に流れ出たごみがどのような場所に溜まるのか、どのように海へと流れ出るかを調べるため、GPSを付けた模擬ごみを流す調査を行っています。2人はその経験や調査結果を元に授業を実施。川のごみについてはペットボトルやお菓子の袋などが多いこと、川に流れ出たごみは岩と岩の間や、水門の付近に集まることをクイズも交えて紹介しました。また、川にごみが流れ出ることを防ぐことが大切で、ごみ拾いと共にごみを減らす3R(Reduce、Reuse、Recycle)が大切だということを伝えていました。

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  • 幻のエビ「モサエビ」を頭からかぶりつく!山の食材と海の食材のコラボ給食

今回の海プロコラボ給食のテーマは「山と海のつながり」。海の幸だけでなく子どもたちの故郷が育んだ山の幸もふんだんに盛り込んだメニューとなりました。海のメイン食材となったのはモサエビです。9月から翌年の5月にかけて、日本海の沖合底引き網漁で水揚げされるエビで、弾力のある食感や旨味が強く、甘味は甘エビ以上と言われています。その一方で、鮮度劣化が早いため遠隔地への出荷は難しく地元でしか味わえない「幻のエビ」です。今回はシンプルな塩焼きに。初めはどうやって食べたらいいか分からない子どももいましたが、モサエビを食べたことがある子どもが「殻をむかなくても食べられるよ!」と声をかけてかぶりつくと、子どもたちは次々と豪快にかぶりついていました。モサエビの唐揚げは大人気で、お代わりでエビの争奪戦も。1匹のエビを3等分して分け合って食べる微笑ましい光景も見られました。
一方、山のメイン食材となったのは町内産のシカ肉です。シカは個体数が増え過ぎると、エサがなくなり森の木の皮や新芽を食べてしまい、それが森林破壊の一因となっています。智頭町も例外ではなく、今回の特別給食に合わせてシカによる森林破壊の現状を伝えました。シカ肉は町内でシカ肉の加工・販売を行う「ちづDeer’s」のものを使用。まさに地産地消の給食で、子どもたちはお代わりをしてすぐに完食していました。実は、今回の学校給食に合わせて、3年生の児童たちは事前に海や川の魚について調べ学習を実施。給食に出た魚の写真を黒板に掲示したほか、魚の写真を使った「かるた取り」をして、名前を覚えるなど学習を進めていました。また、1月中の晴れた日には千代川の河川敷でごみ拾いも行いました。子どもたちにとって今回の海プロコラボ給食の提供が、海や川に興味を持ちアクションを起こすきっかけとなったようでした。

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  • 参加した子どもたちの感想

「モサエビは初めて食べたけど、頭から食べられておいしかった。」
「エビとお肉が食べられてうれしかった。」
「川のごみはペットボトルが多いことが分かった。大学生の授業が面白かった。」
「川のごみが海に流れて動物たちが困っていることが分かった。」
「ごみ拾いは大事だけど、リサイクルやリユースをしてごみを減らしていかないといけないことが分かった。」
 

  • シンポジウム「つながる山と海の恵み~食べて学ぶ!ふるさとの魅力~」開催

海プロコラボ給食の提供に合わせて1月29日には、ちえの森ちづ図書館で「つながる山と海の恵み~食べて学ぶ!ふるさとの魅力~」と題したシンポジウムを開催しました。智頭小学校の栄養教諭や町の管理栄養士のほか、海の幸・山の幸の生産者をパネリストとして招きました。海の幸の生産者として登壇した則定希さん(鳥取県岩美町)は、素潜り漁でアワビやサザエ・ワカメなどを獲っています。則定さんは海水温の上昇によって、これまでいなかった南の海域に生息する魚が増えているという海の現状を説明。海と関わる中で、豊かな海を育むためには豊かな森を作り守っていく必要があることに気づき、土づくりのワークショップを開催していること。森に自生するクロモジという植物のお茶を生産するなど森林資源の利活用にも取り組んでいることを紹介しました。そのうえで「漁師として魚や貝・海藻を獲れるだけ獲るというのでなく、海の環境や自然を守っていけるような持続可能な生き方を目指したい。」と話しました。
一方、山の幸の生産者として登壇した赤堀広之さん(鳥取県智頭町)は、自らが解体処理をしたシカ肉が給食にも提供されていることを紹介。その上で、「木の皮や芽を食べてしまうシカの肉をおいしく食すことで個体数を適切にして、山の環境を守ることが結果的に海の環境を守ることにつながる。」と、シカ肉の魅力を大勢の人に伝えていくことで環境を守るきっかけを作っていきたいと話していました。
シンポジウムの来場者には、則定さんが収穫したワカメで作った「ワカメせんべい」も配布。来場者からは「色々な生産者の意見も聞けて、すごく思いが伝わった。『食』って大切だなと考える機会となりました。」「(給食について)親になって、改めてその有難さを感じています。智頭町は給食に地域の食材を使って作っていただいていますので、改めて大事にしていきたいと思いました。」といった声が聞かれました。

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<団体概要>

団体名称:海と日本プロジェクトinとっとり実行委員会
URL:https://tottori.uminohi.jp/
活動内容:鳥取の海が抱える問題を子どもたちをはじめ様々な人々が「自分ごと」として捉え、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、鳥取県内で行われる海に関する様々なイベントや活動を取材したり、開催しています。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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