日本では、突然の心停止により毎年7万人以上の方が亡くなっており、一般市民が目撃する症例も毎年2万5千件以上にのぼります※2。またAEDは全国に約60万台以上設置されておりますが、AEDが使用される件数は年間2,100件程度にとどまっており、AEDが使用され適正な心肺蘇生が実施されれば救われる命が数多くあります。
キヤノンMJ グループは2009年からAEDの取り扱いを開始し、厚生労働省が推奨するAEDの適正配置と心肺蘇生講習の推進を行っています。グループ会社のキヤノンS&Sを中心に、AED講習のインストラクターとして認定を受けた約500名の社員※3が、全国のお客さまや各種ステークホルダーに講習を実施し、AEDの活用と心肺蘇生の普及に取り組んでいます。また、2019年にはキヤノンS&Sの国内全拠点(約170拠点)にAEDを配備し地域住民に開放する※4など、社員と地域住民の安全に貢献する活動も展開しています。
そしてこのたび、2021年8月26日に心肺蘇生講習受講者延べ20万人を達成しました。
キヤノンMJ グループでは、キヤノングループの理念「共生」のもとサステナビリティ経営を推進し、事業活動を通じた社会課題の解決とサステナブルな社会づくりを目指しています。国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)に通じる取り組みを積極的に行い、私たち企業グループと社会の持続的な相乗発展を実現します。
今後も、キヤノンMJグループの幅広い販売網を活用してAEDのさらなる普及と適正配置を推進するとともに心肺蘇生講習を積極的に開催し、AEDによる心肺蘇生の普及に寄与していきます。
※1 自動体外式除細動器、Automated External Defibrillator, の略称。
※2 総務省消防庁令和2年版 救急・救助の現況より
※3 2021年6月30日時点、医療法人医誠会公認。
※4 各事業拠点の就業時間に地域住民に開放
■この活動で貢献するSDGs
■ 今後の目標について
さらなるAEDの活用、心肺蘇生の普及を目指し、以下2点を新たな目標に取り組む。
・公益財団法人日本AED財団が主催する「減らせ突然死プロジェクト」に呼応して、傷病者の発見から2分以内にAEDを取りに行き、5分以内に電気ショックを行なえる環境整備と適正配置を推進する。
・AED講習受講者延べ30万人を一早く達成し、安全安心な暮らしに貢献する。
■ 減らせ突然死プロジェクト(公益財団法人日本AED財団)
AEDを誰もが使えるようになって10年の節目の2014年に、AEDに関わる課題を解決し、心臓突然死を減らすことを目的に立ち上げた日本AED財団の基幹プロジェクトです。
AEDの普及・啓発・教育及び訓練に関する取り組みによって、突然の心停止からの救命が当たり前の世の中となり、健康で安心安全の日常を確保することを目指しております。
また、公益財団法人日本AED財団のホームページでは、一般の人がAEDの設置情報を登録、更新することで全国のAEDの設置場所を地図上に表記し、いま使えるAEDがどこにあるかを広く知らしめる「AED N@VI(AEDナビ)」を運営しています。キヤノンMJグループは、この登録作業にも積極的に協力しています。
○公益財団法人日本AED財団ホームページ:https://aed-zaidan.jp/index.html
○みんなで作るAEDマップ「AED N@VI」:https://aed-navi.jp/map
○減らせ突然死プロジェクトホームページ:http://aed-project.jp/
■ AEDと心肺蘇生の重要性について
心臓の血液を全身に送り出すポンプ機能が失われた状態を心停止と言い、心停止の状態の人を救うためには、一刻も早く周囲の人が心肺蘇生を行うことが生死を分ける重要なポイントとなる。救急車が到着する時間(全国平均8.7分※2)まで何もしなければ救命率は約9.3%、10分経過するとほぼ0%になるが、周囲に居合わせた人が心肺蘇生を行なうと、何もしない場合に比べて救命率が5倍から8倍高まる。
さらに、心臓に致死的な不整脈(心室細動)が起きた場合は、AEDを使用して迅速な除細動が必要となるが、心肺蘇生を行いながらAEDをいち早く使うことで、その救命率は50%を超える。
119番通報だけでなく心肺蘇生とAEDによる一次救命活動をすばやく行なうことで、救命率をあげることに寄与できる。
※2 総務省消防庁令和2年版 救急・救助の現況より
キヤノンS&Sでは、全社員がこのバッチを着用すると同時に心肺蘇生やAEDに関する学習会を実施することで社員の啓発を行っています。