豊田市は、2020年にFractaのAI水道管劣化予測診断ツールを導入、各水道管路の劣化状態を定量評価することで、旧来の布設年度や老朽化度合いの評価だけにとらわれず、広範なデータに基づいた客観的な数値を用いて管路更新の優先順位を決定することができるようになりました。また、得られた診断結果を独自の創意工夫で利活用し、市民への説明責任の充実、有収率の向上、管路更新費の軽減等、水道ストックマネジメントを推進する施策を展開しています。こうした豊田市の革新的な姿勢と先進性が高く評価され、令和3年度水道イノベーション賞『特別賞』を受賞することとなりました。
具体的な取組み事例として、同市はFractaの後方支援を得て、熟練職員の暗黙知を地図情報システム上にデータとして取り込んだことで、職員一人ひとりが連綿と紡ぎ続けてきた知見を次世代へ継承することが可能となりました。また、同じくFractaのAI手法を導入している東邦ガス(株)様と診断結果を共有することで、同時施工路線の選定・施工に結びつける等、劣化予測診断結果の適用範囲の拡張を図り、工事費用の節減および社会的影響の低減に取り組むなど、具体的な成果を継続的に創出しています。
Fractaは、豊田市の特別賞受賞の理由となった同市の革新的なチャレンジと創意工夫を通じて産み出された多彩な応用事例を踏まえて、旧来手法にとらわれることなく、組織に固有の知見や技術の継承を支援するとともに、自由な視点と新しい発想を最大限に発揮することで、全国の事業体様の水道ストックマネジメントの推進を支援し、日本の水道事業の持続可能性の向上に取り組んで参ります。
記
■受賞日
2021年8月16日(日本水道協会発表)
■受賞プロジェクト
「AI水道管劣化予測診断ツールの導入及び予測精度向上の取組み」
■受賞式
2021年12月1日(水)開催の日本水道協会全国会議(於:仙台市)を予定
■受賞理由
水道管路の更新優先順位の決定のために、AI技術、職員の暗黙知の定量化等、様々な創意工夫を行ったこと。
(以下、日本水道協会発表)
本取組は、管路の老朽化や漏水事故等による市民生活への影響など、水道管路に係る課題が山積する中、客観的な要因(漏水履歴や埋設地盤条件等)を踏まえつつAIや衛星画像などの活用により、具体的な管路更新の優先順位を決定し管路更新事業を進めることで、整備管路選定等に関する市民への説明責任を果たすとともに、有収率向上や管路更新費の軽減を図ったものである。管路更新の優先順位については、民間事業者の有するAI診断技術等に、当該水道事業体のベテラン職員の暗黙知を反映させることにより、各管路の機能や重要性など、当該事業体の実情を十分踏まえた取組としている。また、同AI技術を導入するガス事業者との診断結果の共有を通して、同ガス事業者との同時施工路線の選定・施工に結びつけるなど、事業体の創意工夫により成果が展開されており、大いに評価できる。
以上
——————————————
【Fracta概要】
会社名:Fracta(フラクタ)
WEBサイト:https://www.fracta-jp.com/ (日本語) https://fracta.AI/(英語)
<本件に関わるお問合せ先>
[email protected] (広報担当:菅原)