国際NGOプラン・インターナショナルが調査レポートを発表「危機状況下にある思春期の女の子たち:中米とメキシコにおける移住の経験」

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***Embargoed until 10:00am CST 14 March *** Gender-based violence is driving adolescent girls from Guatemala, Honduras, El Salvador and Mexico to embark on journeys along one of the world’s most dangerous migration routes, according to Plan International's report "Adolescent Girls in Crisis: Experiences of Migration in Central America and Mexico." Plan International's study, produced with the support of the European Union's Directorate General for Humanitarian Aid and Civil Protection (ECHO) and other partners, shines a light on the lives of migrant girls in these four countries, many of whom have made the dangerous journey northwards in search of better life opportunities.

ジェンダーに基づく暴力から逃れて危険なルートを移住する女の子たちが直面する新たなリスク(人身取引、誘拐、恐喝)

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、調査レポート 「危機状況下にある思春期の女の子たち~中米とメキシコにおける移住の経験」(原題:Adolescent Girls in Crisis: Experiences of Migration in Central America and Mexico)を発表しました。この調査は、欧州委員会人道援助・市民保護総局(ECHO)およびその他のパートナー団体の協力を得て実施したもので、より良い生活と機会を求めて北上する中米に位置する北方三角地帯(エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス)とメキシコ4カ国の移民の女の子たちの人生に光を当て、彼女たちが移住せざるを得ない理由、直面しているリスクを明らかにしています。

中米は、世界で最も貧しく治安の悪い地域のひとつです。そのため、多くの人々が安住の地を求めて危険な旅に出ることを選びます。性暴力やジェンダーに基づく暴力が、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、メキシコの思春期の女の子たちを、世界で最も危険な移動ルートを通る旅に駆り立てているのです。

移動の途中、あるいは移動先でも、女の子たちは人身取引、誘拐、恐喝などのリスクにさらされることが少なくありません。

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調査レポート「危機状況下にある思春期の女の子たち:中米とメキシコにおける移住の経験」

調査実施期間: 2022年6月1日~7月15日
調査方法: 15歳~19歳の思春期の男女267人に対するオンラインによる定量調査と、8世帯、14名の若者たち、両親・保護者など主要な関係者を対象としたインタビュー(対面およびオンライン)およびグループによる定性調査
● 英語版サマリー(19ページ)(PDF:5.7 MB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/Adolescent_Girls_in_Crisis_Exec_Sum_ENG.pdf
● 日本語版サマリー(19ページ)(PDF:5.8MB)
https://www.plan-international.jp/about/pdf/Adolescent_Girls_in_Crisis_Exec_Sum_JP.pdf
 

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移住により損なわれる「教育を受ける権利」「守られる権利」

本レポートによると、中米に位置する北方三角地帯(エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス)とメキシコで、社会に蔓延する暴力、またはジェンダーに基づく暴力によりコミュニティを離れて移住を余儀なくさせられる大勢の思春期の女の子たちが、子どもの権利条約で定められている「教育を受ける権利」や「守られる権利」を奪われてしまっています。

移住によって教育の機会を失ってしまった女の子たちは、将来への展望を描けなくなり、さらなる負のスパイラルに陥ってしまいがちです。レポートでは、役所における事務手続きの煩雑さが、移民の教育へのアクセスに影響を及ぼしていることに言及しています。

 

調査から見えてきたこと

5人に1人(19.1%)の思春期の女の子が、移住を決めた主な理由として性暴力やジェンダーに基づく暴力をあげており、11.7%がギャングによる公共の場での強盗や恐喝など社会に蔓延する暴力をあげています。

また、雇用や就業にむけた訓練の機会欠如を、故郷や国を離れる主な理由としてあげている思春期の女の子は45.7%に上り、教育を受けることが困難(11.7%)、治安の悪化(7.4%)といった理由が続きます。

【インタビューした女の子たちの証言】

エルサルバドル出身の18歳の女の子

「家庭やコミュニティにおける虐待や暴力のために移住することもあります。この国には閉ざされた扉しかなく、何のチャンスもありません」

ホンジュラスからメキシコに逃れてきた10代の女の子

「父は暴力的で、いつも私たちを殴り、妹と私を虐待していました。二度と同じ目に遭わないために、きょうだいや叔母とともにここに逃れて来ました。ここでは気持ちも安定し落ち着いて過ごしています」

女の子たちは、性暴力やギャングといった組織的な犯罪集団からの報復のリスクを減らすために、男性の服を着て扮装するなど策を練って移動しています。

ベネズエラからメキシコに逃れてきた15歳の女の子

「移動中、母は私が被害に遭うことを防ぐために、私にずっと男性の格好をさせていました。今も事務手続きのために外に出なければならないとき、私は危険を感じます」

 

プランからの提言

プランは、国際社会に対し、特に教育と保護に関して、中米とメキシコの移民と国内避難民の女の子や子どもたちの権利を保証し、生活環境を改善するために協力するよう強く求めます。

この問題を解決するために、プランは、他のパートナー団体と連携して、中米の北方三角地帯とメキシコで「Protected Steps」と「Protected Path」という2つのプロジェクトを実施しています。これらのプロジェクトは、暴力のスパイラルを断ち切り、強制移住や移住の影響を受けた女の子や子ども、青少年の教育へのアクセスや安全な環境を確保することを目的としています。

 *「危機状況下にある思春期の女の子たち」(原題:Adolescent Girls in Crisis)とは
「危機状況下にある思春期の女の子たち」(原題:Adolescent Girls in Crisis)は、世界各地の思春期の女の子たちが直面している危機や緊急事態が彼女たちの成長と発達に及ぼす影響や彼女たちの経験を分析するために、プランが世界各地で実施している一連の調査レポートです。

 

プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。 

 

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