持続可能な開発目標(SDGs)につながる理科学教室
【イベント概要・目的】
本教室は、独立行政法人日本学術振興会「ひらめき☆ときめきサイエンス」の採択事業として実施し、機械工学科・高尾学教授らの研究チームが温室効果ガス排出ゼロの実現に向けて社会実装を目指している振動水柱型波力発電(※1)の研究内容などを小・中学生にわかりやすく教授する目的で実施したものです。本年度は7/22,8/5,8/21,8/24の計4回実施し、今秋にも同内容でもう1回実施する予定です。
※1 振動水柱型波力発電では、海面に設けた装置内の水柱が波の運動とともに上下することで装置内に空気の往復流が発生し、その往復流の中でも常に同一方向に回転する特殊な空気タービンと発電機を使って発電します。
【当日の内容】
『波力発電を研究してみよう!~空気タービン工作と飛行機モデル実験による体験学習~』と題したこの教室では、海洋エネルギーに関する○✕クイズや、民間企業で波力発電プラントやサンゴ増殖システムの開発に取り組んでいるエム・エムブリッジ株式会社部長・木原一禎氏のリモート講演などを交えてわかりやすく説明した後、直径20mmの波力タービン模型を製作し、水そうで実験しました。また松江会場では、波力タービンが回転する原理は、飛行機が飛ぶ仕組みと似ていることを理解するために、参加者は操縦桿を握って飛行機模型の操縦体験を行いました。
教室に参加した児童は保護者らとともに実験や工作を体験し、科学やモノづくりに親しんでいました。 教室後に実施したアンケート調査によると、90%以上の生徒・児童が「おもしろかった」「わかりやすかった」「科学に興味がわいた」と回答しており、参加者の科学的好奇心を引き出す有意義な教室だったようです。
なお、この教室は持続可能な開発目標(SDGs)に関する取組みで、SDGsとして掲げてある17の目標のうち、7番目の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と13番目の「気候変動に 具体的な対策を」につながるものです。
【松江工業高等専門学校について】
本校は1964年に開校した5つの学科と2つの専攻を有する高等専門学校で、基礎的な工学分野の学科をほぼ完備している島根県内唯一の高等教育機関です。本校への入学者の学力は県内進学校のトップクラスと同等レベルで、県内外の民間企業や自治体に多数の卒業生を輩出しており、産業界から高い評価を受けています。
【高尾研究室の紹介】
波力、風力、潮流の各再生可能エネルギーを利用した発電装置に搭載するタービンを中心に、流体工学に関する研究開発を実施しています。国内や英国、インドなど海外8か国の研究機関との共同研究で得られた成果は、80編以上の査読付学術論文や150編以上の国際会議録論文などとして国内外に公表しています。また、民間企業との産学連携による波力発電に関する技術開発にも取り組んでおり,現在までに実海域での3つの実証試験に携わっています。
小中学生を対象とした理科教育にも積極的に進めており、直径20mmの波力タービン模型やペーパーグライダーを使った工作教室は大人気で、現在までに国立科学博物館や地元の小学校、公民館などで100件以上の教室を開催しています。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 松江工業高等専門学校
所在地:島根県松江市西生馬町14-4
校長名:大津 宏康
設立:1964年
URL:http://www.matsue-ct.jp/m/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
【本リリースに関するお問い合わせ先】
独立行政法人高等専門学校機構
松江工業高等専門学校 総務課企画係
TEL:0852-36-5116(平日8:30-17:00)
e-mail:[email protected]