エプソンが世界15の国や地域で、気候変動に関する意識調査を実施

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– 日本では気候変動危機を感じながらも、まだ行動には現れていないという結果に –

セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、11月1日から英国グラスゴーで行われる「第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(以下COP26)」の開催を50日後に控え、人々の気候変動に対する独自の意識調査 ”Climate Reality Barometer” をインターネットで実施しました。アジア、ヨーロッパ、アメリカなど、15の国や地域を対象とした15,264人の消費者の回答から、「気候変動の実態およびそれによって起こりえる地球環境への影響」と、人々の認識には、ギャップがあることがわかりました。

調査結果の概要は、以下の通りです。

■気候変動の影響を楽観視する人が約半数
「あなたが生きている間に、気候変動による自然災害を避けられると思いますか?」という質問に対して、回答者の半数近く(46%)が「”非常に”または”やや”楽観的」であり、避けられると思うと答えています。これは、「”非常に”または”やや”悲観的」である、という回答(27%)を大幅に上回りました。

楽観的な考えを後押ししている主な理由は、「気候変動に対する人々の認識の高まり(33%)」、「科学技術を利用した問題解決(28%)」、「再生可能エネルギーへの移行(19%)」です。また、回答者の5%近くは気候危機が起こるとは全く考えておらず、特に米国(11%)、ドイツ(7%)、英国(6%)で、そう考える回答者の比率が高いという結果となりました。一方で、日本では悲観的(47%)、楽観的(25%)と、リスクを感じている人が調査した国や地域の中で最も多く、その理由として「人々が気候変動の危険性を認識していない(37%)」や「科学技術の利用では問題を解決できない(27%)」というスコアが、他の国や地域より高い結果となりました。

しかしながら、近年でも、2021年7月は世界的にこれまでに記録された最も暑い月となり、ヨーロッパ・北アメリカ・アジアで発生した山火事、中国・コロンビア・ドイツの深刻な洪水など、世界中で数多くの気候変動による災害が発生しています。「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、略称IPCC)」によると、人為的な気候変動の一部は元に戻るまで数千年かかると報告されています。
 
セイコーエプソン株式会社の地域統括会社であるエプソンヨーロッパ(Epson Europe B.V.)の役員でサステナビリティ責任者であるヘニング オルセン(Henning Ohlsson)は、「気候危機が目の前で起こる中でも、多くの人々がそれを認識していない、むしろ否定している、という事態が懸念されています。この調査結果は、COP26において2030年に向けたCO2削減目標を決定し、気候変動の緩和のために必要な行動を起こすために、政府・企業・個人を含むすべての人々の協力を呼び掛ける警鐘です。」と述べています。

■気候変動に対し、行動を起こす必要性は感じていても、行動には至っていない人も多い
以下の結果は、「人々が楽観的なのは、気候変動に起因する現象や影響範囲を十分に認識できていない」という可能性を示唆しています。回答者の約4分の3は、気候変動と、気温の上昇(77%)、異常気象(74%)、山火事(73%)との関連性を認識していました。対照的に、飢餓(57%)、大規模な人口移動(55%)、虫の急激な増加(51%)などの現象については、気候変動との関連性を認識している回答者は約半分。この設問に関しては大きな地域差があり、気候変動と飢餓の関連性を認識している人の割合は台湾で最も高く(72%)、米国で最も低い(44%)という結果でした。日本では、異常気象(69%)や山火事(55%)等のスコアをはじめ、全体よりも関連性の認知は低い結果となりました。

また、約半数が、政府や企業にこの気候変動の緊急事態に取り組む責任があると回答しています。調査によれば、(27%)の人が政府、(18%)の人は企業に「最も責任がある」としています。(18%)の人は個人に責任があると考えており、特にインドネシアが最も高く(30%) 、中国とドイツでは最も低い(11%)という結果になっています。心強いことに、最も多かったのは、「誰に責任があるというわけではなく、みんなが行動を起こさないと意味がない(31%)」という回答となり、特に日本では(40%)という結果となりました。

これに対し人々は、この危機に立ち向かうためにライフスタイルを変えることをいとわないものの、日本を含む調査した全ての国や地域において、まだ行動に至っていない人もいます。本調査によると、「再生可能エネルギーに切り替えることに賛成する人(実行しているまたは計画している)」は(78%)ですが、すでに実行しているのは(29%)、「よりサステナブルな製品に切り替えること」は(82%)が賛成していますが、すでに実行しているのは(45%)、「植物性中心の食生活をすること」に賛成しているのは(58%)、実行しているのは(27%)となっています。例えば「サステナブルではないブランドを買わない」といった比較的シンプルな選択肢でも、(63%)は賛成ですが実際に買い物の習慣を変えた人は(29%)にとどまっています。

■企業としての気候変動に対する取り組みについて
調査結果によると、「気候変動への取り組みは大企業に最も責任がある」と認識しているのは(15%)、「中小企業に最も責任がある」と認識しているのはわずか(3%)ですが、企業活動が温室効果ガスの排出など気候変動に大きな影響を与えていることからも、あらゆる規模の企業が、気候変動への取り組みにより大きな役割を果たすべき時であり、環境負荷低減を実現する商品・サービスの提供を通じ、気候変動への貢献が望まれています。

エプソンでは次のような取り組みを推進しています。
プリンターでは、低消費電力化やインク交換頻度の軽減による資源の消費量も低減する大容量インクタンクモデルを販売する一方、オフィス内で使用済みの紙から新たな紙を生産する乾式オフィス製紙機PaperLabなど、お客様の元で環境負荷を削減する開発を積極的に行っています。さらに、リファービッシュやリユースなど製品の長期使用による、資源循環にも取り組みます。また、商品開発以外の環境への取り組みにおいて10年間で1000億円を投資し、2023年までに世界の全グループ拠点で100%再生可能エネルギーへの転換をするなど、脱炭素化を進めるとともに、天然由来(脱プラ)素材などの環境技術の研究開発も進めています。

当社 代表取締役社長の小川 恭範は、次のようにコメントしています。
「エプソンによる「Climate Reality Barometer」は、気候変動の緊急事態に取り組むためには、意識と結びついた行動が不可欠であることを示しています。エプソンの目標は、この気付きも基にしながら、当社およびビジネスやコンシューマーのお客様が変革を起こすために必要なテクノロジーを提供することです。“持続可能で心豊かな社会の実現“を私たちの企業活動の中心に据え、そこに経営資源を集中しています。長い道のりが必要ですが、私たちはよりよい未来を創ることができると信じています。」

調査概要と回答者の属性
■調査期間:2021年8月6日~8月11日
■調査方法:インターネット調査(それぞれの国・地域に適した言語で実施)
■調査対象:世界15の国・地域に住む16歳以上の人
【北米・南米】アメリカ、ブラジル
【欧州】イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン
【アジア・オセアニア】オーストラリア、中国、インド、インドネシア、シンガポール、日本、韓国、台湾
■調査人数:15,264人
【内訳】
 COP26開催地のイギリス=2000人
 人口3000万人未満のオーストラリア・シンガポール・台湾 =500人
 その他の各国=1000人で調査対象者数を設定

 

 

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