“三方良し”の脱炭素ソリューション 初期負担ゼロで導入、消費電力の4割を再エネへ切り替え
1.ソーラーカーポートの概要
第一号案件となるケーヨーデイツー八街店(千葉県八街市)では1,050 平方メートル(約317.60 坪、駐車場82 区画分)の既存の駐車スペースに、新たにソーラーカーポートを設置。総発電容量はおよそ250kWで、この店舗の消費電力の4割を太陽光発電でまかなえる計算です。12月から自家消費を開始予定。ケーヨーは、その他の店舗についてもソーラーカーポートの導入・展開を進めていく計画です。
afterFITが「しろくま電力(ぱわー)」ブランドで展開するソーラーカーポートPPAは、工場や店舗などの大型駐車場に「屋根付きの太陽光発電」を設置し、CO2排出量ゼロの自家消費電力を利用できるサービスです。顧客企業側は初期負担ゼロで導入・設置できます。
2.なぜカーポートなのか/導入効果
世界的な脱炭素の潮流や東証のコーポレートガバナンス・コード改訂などにより、気候変動対策の一環として、企業が再生可能エネルギー(再エネ)導入を進める動きが加速しています。ケーヨーはこれまでも、店舗照明のLED化等の省エネ設備の導入などに取り組んできた他、SDGsへの取り組みとして「環境問題への対応」を重要課題の一つとして掲げています。
今回、ソーラーカーポートPPA導入に踏み切った理由は、単に再エネ電力に切り替えられるだけではなく、買い物客の利便性向上にもつながり、雨天等の集客効果も期待できるためです。脱炭素施策と売り上げ増の両立が可能と判断し、導入が実現しました。
3.仕様
今回設置するソーラーカーポートは、afterFITが独自開発したもので、前方に支柱のない「二本足」タイプです。前柱がないため、駐車に支障がなく車両ドアの開閉にも影響しません。買い物客の快適さを考慮した仕様です。
afterFITは、このカーポートの設計から土木工事、部材調達までをすべて自社で行っています。メガソーラーを含む太陽光発電所を200MW以上つくってきた実績があり、部材調達ノウハウや社内の設計・土木技術を活用し、トータルのコスト削減を実現できるのが強みです。このため、脱炭素ソリューションとしてだけではなく、店舗側のコスト面や顧客の利便性にも配慮することができました。昨年からは、「しろくま電力」という商品名で電力小売り事業を展開しています。発電所の開発だけでなく、保守・運用から小売電力事業まで手掛けている総合力で、導入後のメンテナンスも一貫してサポートします。
4.今後の展開
ケーヨーは今回の八街店を皮切りに、ソーラーカーポートPPAの導入を拡大したい考え。導入効果を見ながら、両社で取り組みを推進していきます。
※PPAとは
「Power Purchase Agreement(電力販売契約)モデル」の略。電力の消費者(需要家)が発電事業者に敷地や屋根などのスペースを提供し、発電事業者が太陽光発電システムなどの発電設備の無償設置と運用・保守を行う。発電事業者は発電した電力の自家消費量を検針・請求し、需要家側はその電気料金を支払う。世界的な流れとして、「環境証書」によるCO2排出量削減ではなく、新規に100%再エネを導入することが企業に求められつつあり、欧米企業ではPPAによる再エネ調達が進んでいる。
- 株式会社ケーヨー
関東地方を中心に全国にケーヨーデイツーを168店舗チェーン展開。DIY用品から園芸・カー用品・ペット用品・インテリア・日用品・家電・文具等、ふだんの暮らしに役立つ商品を扱い、「豊かで多様な生活スタイルを多くの人々が毎日楽しめるような社会を実現する」ことを目指している。
創業 1952年5月
代表者 代表取締役社長 醍醐 茂夫
事業内容 ホームセンター事業
URL https://www.keiyo.co.jp/
- 株式会社afterFIT
グリーンに特化し、発電・送電・売電の電力3事業を展開するグリーン電力会社。自社で開発から保守管理まですべてを一気通貫で行える強みを生かし、発電事業領域で成長。その実績を生かし、AIを活用した発電適地探しや大規模蓄電池をアルゴリズム制御するシステム開発など、グリーン電力の課題解決に力を入れている。売上高(2021年4月期)190億円。国内18拠点のほか、ベトナム、インドネシアにも進出。
創業 2016年10 月
代表者 代表取締役 谷本 貫造
事業内容 グリーン電力会社(発電事業、電力小売り事業)
URL https://afterfit.co.jp/