“日本最古の津波地震の碑”が現存する“震災前過疎の町”が目指す「事前防災まちづくり」という“希望”に向けた“象徴”として常設展示へ
本作はI&S BBDOが企画を担当し、ゴミや漂流物を使って世界中でアート作品を制作してきた現代美術家・淀川テクニックが制作監修を務め、南海トラフ地震による最大20m超の津波被害が予想され、「震災前過疎」という問題を抱えながらも、希望を失わず震災前から“事前に復興を意識して、まちづくり”に取り組む美波町の住民が、その“象徴”とするために、共にゴミ拾いから行い制作した“共創アート”作品です。
JR由岐駅で行われた式典には、影治信良美波町町長、淀川テクニック、美波町住民、美波町立由岐小学校の全校生徒42名と先生らが参加し、寄贈の覚書への調印式や、生徒からの淀川テクニックへの集めた漂着ゴミの贈呈式、淀川テクニックから生徒へのゴミを使った作品制作のワークショップも行われました。
『ReHOPE POSTER』は、今後JR由岐駅にて一般向けに無料で常設展示されます。
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・作品常設展示場所:JR由岐駅2F「ぽっぽマリン」 (〒779-2103 徳島県海部郡美波町西ノ地)
・『ReHOPE POSTER』メイキングムービー
・『ReHOPE POSTER』制作・展示発表時のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000001001.html
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■『ReHOPE POSTER』が生徒に伝えた、夢や希望を持ち続けることの大切さ
式は淀川テクニックの挨拶から始まり、「こんな凄い調印式をやっていただきありがとうございます。今日のために、こういう作品が出来たと思っています。みなさん、美波町で生まれて本当に羨ましいと思うぐらいで、色んな大人の人が美波町を盛り上げようとしいる姿に感動しています。」とコメント。
児童を代表して挨拶を行った由岐小学校6年生の松浦さんは、「完成したのを見た時は『本当に、これがゴミで出来ているのか?』『ゴミが生まれ変わった!』と不思議と感動の気持ちでいっぱいになりました。」と感想を述べ、さらに「きらきらと輝き、おいしい海産物がたくさんとれる海が大好きです。その海にたくさんの海洋ゴミが流れ着いていることは、とても心配です。」と続け、「津波に町が襲われるかもしれませんが、町の人全員の命がたすかるように、そして、また、このまちで楽しく暮らせるように、今から友達や地域の人たちと協力しながら備えをしたり、逃げたりする準備をしたいと思います。」と、これからの決意を誓ってくれました。そして最後は、「『ReHOPE POSTER』にこめた柴田さんの思いを胸に、笑顔あふれる由岐の未来をめざし、ぼくたちも夢や希望を持ち続けながら頑張りたいです。」と締めくくりました。
■漂着ゴミを使ったアートのワークショップと事前防災学習のW授業も実施
ワークショップでは、淀川テクニックが見守りながら、生徒はゴミから思い思いの作品を制作。お互いの作品を鑑賞し合い、 「次は大きな作品を作りたい」「色んな動物を作りたい」といった声があがりました。生徒の作品も『ReHOPE POSTER』と一緒に展示されます。また、「世界津波・津波防災の日」にあわせて、ワークショップ中に避難訓練も行われ、徳島大学・人と地域共創センターの井若和久学術研究員から、津波被害の危険性や避難訓練の大切さについてのお話もありました。
■『ReHOPE POSTER』は、我々にとって希望のシンボルになると思います
作品の寄贈によせて 影治信良美波町町長のコメント
美波町は景観の素晴らしさに加えて、住んでいる人の”心の温かさ”がある町です。四国八十八ヶ所の二十三番札所の薬王寺があり、“お接待の文化”、”おもてなしの心”が息づいているので、皆さん気持ちよく来て頂けると思います。
一方で南海トラフ地震予測の中では、非常に厳しい状況に置かれていますが、それを乗り越えていこうとする、住民の方々の大きな熱意があります。『ReHOPE POSTER』は、そんな我々にとって希望のシンボルになると思っています。これからもモニュメントとして皆さんに知って頂き、将来に向けてこの作品を伝えていきたいです。
是非、作品を見に来られるのとあわせて、アウトドアスポーツのメッカでもある美波町で、様々なアクティビティを楽しんで頂き、この町の良さや、ゆっくり流れる時間を味わって頂けたらと思います。
■作品紹介:東京で数千人が目にした、手作業でゴミ拾いから住民とアーティストが共に創った希望の象徴
本作は、淀川テクニックと徳島県美波町の住民が、手作業で美波町由岐湾内地区の浜に漂着したゴミを収集・洗浄・仕分けし、淀川テクニックが由岐小学校での特別授業や制作監修を務めながら、町民ら60名と一緒になって、縦2m×横3mのパネルから制作した「日本列島と海を漂着したゴミで表現」した作品です。集めたゴミは100キロ超。ゴミへの着色などは一切行わず、本来の色を活かして、サンダルや漁具、傘の柄などをパネルに取り付けて青一色の日本列島を描き出し、周囲にカラフルなごみをピン留めすることでゴミの浮遊感を演出。幻想的な雰囲気で海流表現している。
作品は『ReHOPE POSTER(=再び希望を示すもの)』と名付け、「希望を、捨てたままにはさせない。」をメッセージとし、10月5日から美波町と東京都赤坂にて公開。震災前から、復興を含めた町の将来像を共有して対策を立てる「事前復興まちづくり」に、住民や大学とが協力して取り組む美波町の人々を讃えると同時に、「事前復興まちづくり」という“希望の象徴”として、『ReHOPE POSTER』は、「希望を捨てずに、持ち続けることの大切さ」を語りかけながら、美波町に住む人々のこれからを見守り、美波町に訪れる人を出迎え続けていきます。
■作品制作協力:徳島県美波町
徳島県美波町は、1361年の南海地震による日本最古の津波碑が現存する地震災害と向き合ってきた土地。南海トラフ地震で99%の建物が浸水すると予測されている地区もある町であり 「震災前過疎」の問題に直面している。現在は「にぎやかそ」というフレーズのもと、事前復興対策や地域活性化に住民と行政が協力して取り組んでいる。
URL:https://www.town.minami.lg.jp/
■作品制作監修:淀川テクニック
ゴミや漂流物などを使い、様々な造形物を制作。その活動や作品は国内外のテレビ、新聞などのマスメディアで多く取り上げられ、美術の教科書などでも紹介されている。海外での展覧会に多く参加している他、国内各地にもパブリックアートとして作品が常設されている。近年では環境に関するイベントに招かれることも多い。
URL:https://yukari-art.jp/jp/artists/yodogawa-technique/
■株式会社I&S BBDO
1947年に創業し、日本市場で培った知識・経験に加えて、世界81カ国289拠点を持つBBDO Worldwideの一員として、グローバルなネットワークに蓄積された実績・ノウハウを活用し、世界レベルの戦略的な広告・マーケティングサービスを提供しています。これまでにCannes Lions、One Show Design、Clio Awardsなどの国際的なクリエイティブ賞や、ACCグランプリ、CM大賞等、国内においても数多くの広告賞を受賞しています。さらに、BBDO WorldwideはCannes Lionsでは年間最優秀広告代理店ネットワークに6回選出され、The Directory Big Wonでは10年連続、The Gunn Reportでは12年連続で、世界で最もクリエイティブなエージェンシー・ネットワークと評されています。
URL: https://www.isbbdo.co.jp
■スタッフリスト
CD:久間木達朗(I&S BBDO)/PRプランナー:冨田浩一郎(I&S BBDO) /C:冨田浩一郎/企画:久間木達朗・冨田浩一郎/作品制作・監修:淀川テクニック/作品制作助手:出川晋/アーティストマネジメント:三潴ゆかり(ユカリアート)/制作協力:徳島県美波町・美波のSORA・美波町の皆さん・美波町立由岐小学校/メイキング映像:Ko-ki Karasudani/AE:原愼治・勝部佑香(I&S BBDO)