〜自治体職員109名対象、「フード支援」に関する意識調査実施〜
- サマリー
- 調査概要
調査概要:「フード支援」に関する自治体職員の意識調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年10月22日〜同年10月24日
有効回答:現在自治体に勤めており、社会福祉関連の業務に携わった経験のある方109名
- 43.1%の自治体で「フード支援」を実施中
「Q1.お勤め先の自治体では、フードバンク活動やその援助などの「フード支援」を行っていますか。」(n=109)と質問したところ、「行っている」が43.1%、「行っていない」が42.2%という回答となりました。
・行っている:43.1%
・行っていない:42.2%
・わからない/答えられない:14.7%
- 自治体職員の約7割が、「フード支援」の必要性が高まっていると回答
「Q2.あなたは、自治体職員として「フード支援」の必要性が高まっていると感じますか。」(n=109)と質問したところ、「非常にそう感じる」が22.0%、「ややそう感じる」が45.9%という回答となりました。
・非常にそう感じる:22.0%
・ややそう感じる:45.9%
・あまりそう感じない:17.4%
・全くそう感じない:4.6%
・わからない:10.1%
- 「コロナ禍で食べ物に困っている人が増えているから」「フードロス問題が深刻化しているから」などの理由が約7割
「Q3.Q2で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方にお聞きします。「フード支援」の必要性が高まっていると感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=74)と質問したところ、「コロナ禍で食べ物に困っている人が増えているため」が68.9%、「フードロス問題が深刻化しているため」が66.2%、「無駄な廃棄コストを削減できるため」が60.8%という回答となりました。
・コロナ禍で食べ物に困っている人が増えているため:68.9%
・フードロス問題が深刻化しているため:66.2%
・無駄な廃棄コストを削減できるため:60.8%
・SDGsが話題となっているため:43.2%
・自治体の財政負担の軽減につながるため:21.6%
・その他:1.4%
・わからない/答えられない:0.0%
- 他にも「コロナで先行きが不透明な人が多い」や「経済的に困窮している人が増えた」などの声も
「Q4.Q2で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方にお聞きします。Q3で回答した以外に、「フード支援」の必要性が高まっていると感じる理由を教えてください。(自由回答)」(n=74)と質問したところ、「コロナで先行きが不透明な人が多いと感じたので」や「支援の気持ちを体現する方法が企業へ広まるきっかけ」など、55の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・33歳:コロナで先行きが不透明な人が多いと感じたので。
・50歳:支援の気持ちを体現する方法が企業へ広まるきっかけ。
・50歳:経済的に困窮している人が増えているから。
・54歳:自治体自身がフードロスを真剣に考えないで無駄にする政策を行うことがあるので、それを正したい。
・49歳:所得が上がらない、先進国で最も子供の貧困率の高い国が、フードロスが多い矛盾。
・54歳:生活困窮者に対して、生活保護開始までの食糧支援として有効である。また、就労開始とうまでのつなぎとしても有効である。
・53歳:生活保護受給者、ホームレス、母子家庭、ニート、さまざまな階層で、生活苦から食費を極端に節約しなければならない人たちが増えているから。
- 一方、75.3%が自治体の「フード支援」に関する取り組みが、「十分ではない」と回答
「Q5.あなたは、現在自治体で行われている「フード支援」に関する取り組みが十分だと感じていますか。」(n=109)と質問したところ、「全くそう感じない」が11.1%、「あまりそう感じない」が64.2%という回答となりました。
・全くそう感じない:11.1%
・あまりそう感じない:64.2%
・ややそう感じる:22.9%
・非常にそう感じる:1.8%
- 「フード支援」の課題、「認知度の低さ」や「インフラ整備不足」との声多数
「Q6.現在自治体で行われている「フード支援」に関する取り組みにおいて、課題に感じることを教えてください。(複数回答)」(n=47)と質問したところ、「フード支援の取り組みの認知度が低い」が63.8%、「フード支援のためのインフラが整備されていない」が53.2%、「フード支援で提供する食品が不足している」が48.9%という回答となりました。
・フード支援の取り組みの認知度が低い:63.8%
・フード支援のためのインフラが整備されていない:53.2%
・フード支援で提供する食品が不足している:48.9%
・企業やNPO法人との連携が進んでいない:38.3%
・フード支援に関するノウハウが不足している:31.9%
・その他:6.4%
・課題は一切ない:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
- 「PR活動が不十分」や「業者と連携し、食料確保を増やす必要あり」との意見も
「Q6で回答した以外に、現在自治体で行われている「フード支援」に関する取り組みにおいて、課題に感じることを教えてください。(自由回答)」(n=47)と質問したところ、「PR活動が不十分。もっと恥だと思わず、支援当たり前と感じる環境作りが出来ないか。」「もっと、業者と連携して、食料確保を増やしていく必要がある。」など31の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・33歳:PR活動が不十分。もっと恥だと思わず、支援当たり前と感じる環境作りが出来ないか。
・54歳:もっと、業者と連携して、食料確保を増やしていく必要がある。
・49歳:マンパワーも足りないし、支援企業なども少ない。貧困問題の根本解決にならない。
・60歳:提供者に対するインセンティブがない。
・58歳:支援を受けたい人が情報を得られるようにする必要性を感じます。
・57歳:消費期限の問題も有り、なかなか進んでないと思います。
・54歳:主に担当する部署がない。また、その余裕がない。
- まとめ
今回は、現在自治体に勤めており、社会福祉関連の業務に携わった経験のある109名を対象に、「フード支援」に関する自治体職員の意識調査を実施しました。
まず、すでに「フード支援」を実施する自治体が約4割に留まる中、約7割の自治体職員が「フード支援の必要性が高まっている」と回答しました。その理由として、「コロナ禍で食べ物に困っている人が増えているため」が68.9%、「フードロス問題が深刻化しているため」が66.2%、「無駄な廃棄コストを削減できるため」が60.8%などが挙がり、他にも、「コロナで先行きが不透明な人が多いと感じたので」や、「支援の気持ちを体現する方法が企業へ広まるきっかけ」などの意見も挙がりました。
一方で、自治体職員の約8割が自治体で行われている「フード支援」に関する取り組みは「十分ではない」と回答しています。現在自治体で行われている「フード支援」に関する取り組みにおいて、課題に感じることを伺ったところ、「フード支援の取り組みの認知度が低い」が63.8%、「フード支援のためのインフラが整備されていない」が53.2%、「フード支援で提供する食品が不足している」が48.9%という結果になりました。他にも、「PR活動が不十分」や「業者と連携し、食料確保を増やす必要がある」、「マンパワーの不足」など、「人・物・環境」の面で課題ありとの回答も見受けられました。
今回の調査では、フード支援の必要性の高まり実感する自治体職員が多いものの、フード支援の認知度の低さや、支援を必要としている人に届ける流通の確保など、まだまだ課題が多い現状が浮き彫りとなりました。食料廃棄の課題を抱えている企業とフード支援を推進する自治体が協力体制を整えることにより、複合的な課題解決の道が拓かれるのではないでしょうか。
- 会社概要
会社名 :株式会社ウィナス
代表取締役:代表取締役社長 浜辺拓
所在地 :東京都豊島区西池袋1-5-3 エルグビル4F
事業内容 :ソリューション事業、メディア事業、エンターテインメント事業、海外事業
URL :https://www.winas.jp/