東京2020オリンピック・パラリンピックの開催前後を比較 「ダイバーシティ&インクルージョンに関する意識調査」を実施

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◆社会的マイノリティへの偏見・差別は、東京2020大会後10ポイント減少
◆「D&Iへの意識高まった」10代の約6割に対し、50代は約3割に留まる
◆D&Iの理解や支持については、関東地方で高く、北海道、四国地方で低い傾向

日本財団(東京都港区、会長 笹川陽平)は、東京2020オリンピック・パラリンピック開催前後(2019年と2021年)における、ダイバーシティ&インクルージョン※(以下、D&I)の認知や理解、および社会的マイノリティに対する意識の変化を明らかにするため、10代~60代の男女、5,216人を対象に調査を行いました。

今回の調査の結果、社会全体としては社会的マイノリティへの偏見・差別は減少傾向にあるものの、年代や地域差が生じていることが明らかになりました。

本調査結果を受け、日本財団は今後もD&Iの実現に向けて、多くの人が社会的マイノリティに関心を持ち、つながり続けることができる場をつくり、社会全体に新たな価値や気づきが生まれる機会を創造してまいります。
※ダイバーシティ&インクルージョン:ダイバーシティ(多様性)を尊重し、異なる価値観や能力をインクルージョンする(抱合する・活かし合う)ことで、イノベーションや新たな価値創造につなげ、一人ひとりが活躍でき、居場所を見つけられる社会をめざす取り組みを指す

■調査により明らかとなった7つの傾向
【日本社会全体における社会的マイノリティへの偏見・差別の変化】

1.「日本社会には社会的マイノリティへの偏見や差別がある」は、東京2020大会前より10ポイント減少
2.「LGBTQの人」「身体障害のある人」「精神障害・発達障害・知的障害のある人」への偏見・差別があると回答した割合は東京2020大会前より減少、一方で「日本で暮らす外国籍の人」「見た目が日本人に見えない人」「高齢者」に対しては大きな変化なし

日本社会において、社会的マイノリティに対する偏見や差別があると考える人は、東京2020大会前より減少傾向にあるものの、一部の社会的マイノリティへの偏見や差別については、大会前後で数値に大きな変化はないという現状が明らかになりました。社会的にパラリンピックで障害者に触れる機会が増えたこと、LGBTQの認知度が高まったことにより、このような個々のマイノリティへの差が生じた可能性があります。

 【個人のD&Iへの理解および社会的マイノリティへの偏見・差別の変化】
3.D&Iの意味や定義の認知は、東京2020大会前より9.5ポイント増加。2年間で約3割から約4割へ
4.「自分自身には、社会的マイノリティへの偏見や差別がある」は、東京2020大会前より5.1ポイント減少

個人のD&Iへの理解は、東京2020大会前と比較して増加。さらに個人の社会的マイノリティへの偏見や差別も、全体として減少していることが明らかになりました。

【年代/地域ごとのD&Iへの意識差】
5.「D&Iへの意識高まった」は、10代の約6割に対し、50代では約3割に留まる
6.D&Iへの意識が高まったきっかけは、「パラリンピック」が最多。10代では「人種差別問題」、「SDGs」

東京2020大会前後でのD&Iへの意識の高まりは、10代、20代の若い年代でより高い割合となっていました。D&Iへの意識が高まったきっかけは、全体では「パラリンピック」が最多となりました。パラリンピックを通じて障害者の活躍や発信するメッセージに触れることで、生活者のD&Iへの意識が変化したと考えられます。年代別に見ると、意識が高まったきっかけとして「パラリンピック」および「オリンピック」を挙げた回答は、年代が上がるごとに割合も増加傾向にあります。一方で、10代では「人種差別問題」と「SDGs」がより高い割合となっていました。年代別の結果の違いは、日常的に視聴しているメディアや関心の対象、学校教育などの影響があると考えられ、若い世代ではその影響が強く、D&Iへの意識の変化につながったと考えられます。D&Iへの理解や推進には、幅広い世代に届く情報やメッセージの発信が必要であると言えます。

7.D&Iの理解や支持は、関東地方で高く、北海道、四国地方で低い傾向

関東地方においては、マスメディアや広告等において東京2020オリンピック・パラリンピックやSDGs等に関する情報を得る機会が多く、D&Iへの関心が高いことが考えられます。また、首都圏を中心に企業の本社機能が多いことで、企業のSDGsへの取り組みについての認知も高い可能性があります。社会全体でD&Iの理解促進を図るうえでは、地域によって情報に触れる機会に差がないよう、全国的な取り組みが必要であると言えます。

■総括
本調査結果により、東京2020大会前と比較して、日本社会全体における社会的マイノリティへの偏見・差別の減少や、個人におけるD&Iへの理解が進んでいることが明らかになりました。今回、パラリンピックがD&Iへの理解や支持に大きな役割を果たしたことが明らかになりましたが、一方では年代や地域による差も見られました。社会全体でD&Iへの周知・理解を進め、社会的マイノリティへの偏見・差別の意識を取り払うためには、年代や地域の異なる人を巻き込んだ、より長期的な取り組みが必要であると言えます。具体的には、様々なかたちで社会的マイノリティとの接点をより多く作ること、学校教育で多様性や社会的マイノリティに関する教育をより充実させていくことが重要であると考えられます。

調査結果の詳細は以下のURLよりご確認頂けます。
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2021/20211130-64961.html
 
■調査概要
・調査目的:東京2020オリンピック・パラリンピック開催前後でのD&Iの認知や理解、および社会的マイノリティに対する意識の変化を明らかにする
・調査手法:インターネット調査
・調査対象者:日本在住の10代(16歳~19歳)~60代の男女 計5,216人
※性別、年代(10代~60代の6区分)で均等割付後、日本の8エリア(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄)ごとの人口構成比に合わせてウェイトバック集計を実施
・調査時期:2021年9月

※本調査における社会的マイノリティ:LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィア)の人、身体障害のある人、精神障害、発達障害、知的障害のある人、日本で暮らしている外国籍の人、ミックスの人など見た目が日本人に見えない人、高齢者(概ね75歳以上)
※各データの構成比は小数点以下第2位を四捨五入しており、合計が100となっていない項目もあります。
 
■7つの傾向を表す調査データ
1.「日本社会には、社会的マイノリティへの偏見や差別がある」東京2020大会前より10ポイント減少

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2.「LGBTQの人」「身体障害のある人」「精神障害・発達障害・知的障害のある人」への偏見・差別は東京2020大会前より減少
「日本で暮らす外国籍の人」「見た目が日本人に見えない人」「高齢者」に対しては大きな変化なし

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3.D&Iの意味や定義の認知は東京2020大会前より9.5ポイント増加。2年間で約3割から約4割へ

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4.「自分自身には、社会的マイノリティへの偏見や差別がある」東京2020大会前より5.1ポイント減少

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5.「D&Iへの意識高まった」10代の約6割に対し、50代では約3割

 

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6. D&Iへの意識が高まったきっかけは、「パラリンピック」が最多、10代では「人種差別問題」「SDGs」

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7.D&Iの理解や支持は、関東地方で高く、北海道、四国地方で低い傾向 

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