自社にとっての重要課題(マテリアリティ)を定量的に評価し特定する「マテリアリティスコア」を開発、提供開始

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アスタミューゼ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 永井歩)は、 企業におけるSDGsやESGへの取り組みなど、企業価値向上に向けた中長期的な事業戦略の立案支援のため、自社にとっての重要課題を定量的に可視化できる「マテリアリティスコア」を開発し、提供開始しましたことをお知らせします。

2015年9月に国連で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)や、世界的なカーボンニュートラルへの潮流「コーポレートガバナンス・コード」の改訂などを受け、資本市場においてもESG(環境、社会、ガバナンス)の要素を考慮した投資(ESG投資)が急速に広まりつつあり、企業のESGへの取り組みと情報の開示は企業価値を左右する大きな要素となっています。そのような流れの中で、自社の事業活動における重要課題(マテリアリティ)を特定し、一定の課題に焦点を当てて活動することは、限りある自社資源を効率的に活用し企業価値を向上させるために重要な指標となります。

【アスタミューゼのマテリアリティスコアについて】
アスタミューゼでは、7億件をこえる世界最大級の無形資産可視化データベースを基に、独自に定義した”成長領域136”とSDGsに対応した人類が解決すべき“社会課題105”に分類・分析し、事業会社に向けた事業戦略や金融機関/投資家に向けたオルタナティブデータやスコアリングのご提供、公的機関への政策提言に関わるデータ分析のご支援などを行ってまいりました。これまでで得た知見と膨大なデータ、独自に開発してきたアルゴリズムによる高解像度な予測により、これまで数値化が難しかった社会課題解決におけるインパクトを定量的に示した独自の「マテリアリティスコア」を開発し、既に数社に対してご提供しております。
アスタミューゼでは、SASB(※1)やGRI(※2)が定める評価軸にも沿う形で社会課題の重要度を客観的に評価したスコアを、各産業、各企業の重要課題検討の土台として、2030年、2040年、2050年について算出しご提供いたします。

スコアには以下に示す3種類があります。

[1]ユニバーサル・マテリアリティスコア:地域や活動分野を問わず地球上の全人類共通の社会課題固有の重要度を示すスコア。astamuseが保有するデータベースとアルゴリズム、知見に基づくデータドリブンなスコア。

[2]ユニバーサル・マテリアリティスコア(SASB重み付与):[1]にSASB の定義するMateriality mapに基づく重みを付与。投資家からの信頼も高いSASB の情報に基づくことで、対外的な説明などにおける説得力を向上することを目指したスコア。

[3]産業別マテリアリティスコア:アスタミューゼが定義した成長領域136に紐づいた各産業におけるマテリアリティスコアで、さまざまな粒度の産業分野に応じて計算可能なスコア。

                                 ユニバーサル・マテリアリティスコア(例)

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 次に示す産業別マテリアリティスコアの例のように、パンデミックがヘルスケア産業はもとより、食品産業においても重要課題であること、精密機械でも比較的高いのは検査分析機器の需要が関係すると考えられ、自動車産業にとっては移動制限あるいは移動手段としての自動車に求められる機能などが関わると考えられます。
都市OSにおいては、自動車は都市交通機関として重要なインフラであり、都市OSに深いかかわりがあること、ヘルスケアは都市生活における健康データの取得や管理に関わるものと考えられます。都市における食品産業は都市の魅力あるコンテンツの一つでもあり、健康や環境、フードロスなどのかかわりが考えられます。
このように、産業ごとに違う切り口で課題の重要性があぶりだされてきます。

              産業別マテリアリティスコア(例)

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2021年の「コーポレートガバナンス・コード」の改訂を受け、CDP(※3)への回答や統合報告書の作成、長期ビジョンやSDGs取り組み等を策定する際に、自社にとっての重要課題(マテリアリティ)を特定し、それらについて開示・報告することで、自社が社会に及ぼす影響、および自社のリスクと機会について、ステークホルダーに分かりやすく説明する企業が近年増えています。
今回のマテリアリティスコアを用いることで、個々の社会課題解決の重要性を、解決に至る技術多様性(紐付きの多さ)と技術進化(年代)、課題解決に至るまでの投資/市場規模、前提となる全地球・全人類的な生存条件等を用いて、定量的に評価できます。
企業にとって、自社が解決を目指す社会課題のマテリアリティを定量化することで、企業ガバナンスの視座では、ESGに対する貢献意欲や投資意欲を内外に示すことができます。
経営戦略・事業戦略の視座では、自社保有技術の再評価やバリューチェーンに沿った商流エコシステムの構築や再編に活用することができます。
さらに、投資家にとっては、大きなマテリアリティの社会課題に意欲を示す企業を有望投資先として再評価する視点を与えます。高マテリアリティの課題に挑戦することは、リスクは大きい一方、適正な技術・知財ポートフォリオやビジネスエコシステムを構築することで、成功可能性を高め、より大きなリターンを生む可能性があるからです。したがって、マテリアリティスコアの算出と自社ポートフォリオや商流・エコシステムの可視化は不可分です。

弊社サービスでは、マテリアリティスコアご提供と共に、こうした技術・知財ポートフォリオの定量的可視化やビジネスエコシステムの構築、事業戦略立案のサポートもご提供いたします。

【主なパラメタと算出方法】

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■STEP1
上記、A~C、3つの大要素に基づき当社独自の社会課題105を評価して、アスタミューゼのユニバーサル・マテリアリティスコアを算出。SASBの定義するMateriality mapに基づく重みを付与する場合はDも加える。

A.人間社会/地球環境の影響度
人間社会/地球環境の変化を予測するパラメタとして下記の4つを採用し、2030年の予測値を元に2020年を起点とした伸び率で2040年、2050年を算出。
1. 人口(国・地域全体としての因子)
2. 経済(一人当たり健康・教育・所得)
3. 自然環境(気候)
4. 生理(一人当たり水・栄養素)

B.技術の革新度
アナリスト分析により、関連性のある社会課題105と成長領域136を紐づけ。関連の深さに応じて0/1/2/3の4段階の係数で重みづけ (関連がない場合は係数0)。その技術領域における解決に必要な技術力と現在の達成レベルから技術革新度を算出。

C.市場規模
105の社会課題一つ一つに対して、136の全技術領域が0/1/2/3の4段階の度合いで紐付き、紐づいた技術領域固有の技術革新度と市場規模が紐付き度合いに比例。市場規模予測は弊社にて算出し保有する2030年の市場規模予測値を使用。

D.SASB Materiality Mapに基づく産業の影響度(SASBの重みを付与したスコアのみ)
産業別に重要な持続可能性課題を示すSASBのMateriality Mapに基づき、 SASB社会課題とSASB産業分類の紐づけを実施。産業の影響度をスコアに織り込むための紐づけを0/1の2段階で実施 (関連がない場合は係数0) 。 SASB社会課題と弊社定義の社会課題105を0/1/2/3/4の5段階で紐づけ (関連がない場合は係数0) 。 SASB産業分類と弊社定義の成長領域136との紐づけを0/1の2段階で実施 (関連がない場合は係数0) 。これらの紐づけによってSASB Materiality Mapをマテリアリティスコアに織り込む。

<Materiality Map>

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■STEP2
各産業がアプローチできる市場(成長領域136)を紐づけし、0と1の2段階の重みづけを行う。
(産業分類については、GICS等を参考にした弊社独自の産業分類を使用。)

■STEP3
社会課題解決の影響を、GRIが定める2つの評価軸に沿って評価し、社会課題の重みづけを算出。
アナリスト分析により対象産業と関連性のあるステークホルダーを紐付けし、関連の深さに応じて0/1/2の3段階の係数で重みづけ。(関連がない場合は係数0)
ステークホルダーは、地球上の全人類およびすべての生物、先進国・中小民主主義国家やその住人、途上国・貧しい国やその住人、戦地・武力制圧地域やその住人、災害・パンデミック被災地やその住人、性的Minority、toB企業・地域行政関係者、仮想空間の住人など、約20のカテゴリーに分けている。

<GRIスタンダードに基づく評価軸の定義>
① 経済・環境・社会への影響
・自社の経営において、経済/環境/社会に大きな影響を与える重要課題を抽出した上で、影響を評価
② ステークホルダーへの影響
・自社のステークホルダーの課題意識を整理した上で、重要課題がステークホルダーの評価や意思決定に対して及ぼす影響を評価

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※1) SASB: Sustainability Accounting Standards Board (サステナビリティ会計基準審議会)、2011年にJean Rogersがサステナビリティ会計基準を開発するために設立した非営利組織
※2) GRI: Global Reporting Initiative. サステナビリティに関する国際基準の策定を使命とする非営利団体で、UNEP(国連環境計画)の公認団体
※3) CDP: 投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営する英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)

 

【本件に対する問い合わせ】
アスタミューゼ株式会社 CI・広報室 広報担当  E-Mail: [email protected]

■アスタミューゼについて(https://www.astamuse.co.jp/
世界193ヵ国、39言語、7億件を超える世界最大級の無形資産可視化データベースを構築し、独自に定義した”成長領域136”と、SDGsに対応した人類が解決すべき”社会課題105”に分類・分析。領域・企業・人の観点から高解像度な予測を機械的に導出するアルゴリズムを開発し、事業会社、金融機関/投資家、公的機関に向け、データを活用したコンサルティング、オルタナティブデータやスコアリングの販売、企業価値評価、専門人材採用支援SaaS「SCOPE」、エンゲージメント・プラットフォーム「THE CODE」の運営など、幅広い顧客に対しデータによる技術分析や未来予測、無形資産の定量的な可視化を活用したサービスを提供している。
「ICP(Innovation Capital Pathfinder)」:https://pathfinder.innovation-capital.biz/
「SCOPE」:https://career-scope.jp/company
「THE CODE」:https://www.thecode-online.com/

 

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