地域が元気になるBISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th 開催

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微生物が創るうま味と笑顔のストーリー ~地域循環共生圏形成に向けて~

鹿児島工業高等専門学校(鹿児島県霧島市 校長:氷室昭三 以下「鹿児島高専」、研究代表者:都市環境デザイン工学科山内正仁教授)は、下水汚泥を資源として活用した研究成果発表の為、シンポジウム「BISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th」を令和3年12月22日(水)に開催しました。鹿児島高専は「地域社会及び地域産業界が抱える課題の把握に努め、地域が必要とする取組みや地域に実りある結果をもたらす活動を推進する。」との基本方針を掲げており、この成果発表も地域の課題解決・地域貢献を目的としたものです。

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シンポジウム「BISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th」概要
開催日:令和3年12月22日(水) 13:30~16:30 参加者130名(定員100名)
講 師:山形大学 農学部 教授 渡部 徹氏 / 鹿児島高専 都市環境デザイン工学科 教授 山内 正仁氏

地域が元気になるBISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th 開催のサブ画像2_お茶を使ったスイーツお茶を使ったスイーツ

概 要:本研究は下水処理で生じる汚泥と焼酎粕等の地域バイオマスを資源として活用することで、環境に優しい肥料誕生を目指しており、同時に地域の環境問題の解決にもつながるものです。研究成果の講演と合わせ、下水汚泥肥料で栽培したお茶の粉末を使ったスイーツを参加者に提供し、実際に味わってもらいました。 

 今回のシンポジウムは研究の成果を広く社会に発信する為のものであり、SDGsの5つのテーマにも深く関連しています。
 2:飢餓をゼロに →肥料を製造し食糧生産に寄与している。
 9:産業と技術革新の基盤を作ろう →地域の環境産業、農業、林業、製造業(焼酎製造)に寄与している。
11:住み続けられるまちづくりを →下水道事業や地域産業に寄与し、地域循環共生圏を形成することで、持続
可能なまちづくりに寄与している。
12:つくる責任、つかう責任 →資源循環を推進するものであり、持続可能な消費と生産パターンの確保に寄与
している。
15:陸の豊かさも守ろう →地域の農業、林業の持続可能性に寄与している。

 

 なお、この研究は鹿児島高専が研究代表機関であり、鹿児島県農業開発総合センターと国立研究開発法人産業技術総合研究所が共同実施機関となっています。

※ ご参考 本研究の成果プレスリリース「厄介者だった下水汚泥を、鹿児島高専が有効利用」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000075419.html
※ 本シンポジウムは独立行政法人環境再生保全機構「環境研究総合推進費 3G-2001 地域産業と連携した下水汚泥肥料の事業採算性の高い循環システムの構築」の支援を受けています。

BISTRO下水道とは
下水道の普及に伴い、地域のバイオマス資源や水が下水処理場に集まり、水、窒素・リン、下水汚泥、下水汚泥処理時等に発生するCO2、熱エネルギーなどが豊富に存在します。これらの資源を有効に活用して循環型システムを構築することが重要であり、農業等に貢献することが可能です。国土交通省では下水道資源を農作物の栽培等に有効利用し、農業等の生産性向上に貢献する取組を「BISTRO下水道」と称して推進しています。BISTRO下水道は循環型社会の構築に寄与しながら、安全で美味しい食材をつくる手法として注目されています。

当日の様子

地域が元気になるBISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th 開催のサブ画像3_講演の様子講演の様子

 まず最初に、独立行政法人環境再生保全機構研究推進課 課長代理 冨永貴寿 氏、国土交通省下水道国際・技術室 下水道国際推進官 大上陽平氏より挨拶がありました。本研究は国土交通省の推進する下水道資源の活用からスタートし、現在は環境省の進める環境政策への貢献・繁栄を目的とした競争的研究資金制度を活用した研究にまで広がっています。次に「食文化創造都市・鶴岡で取り組むビストロ下水道」とのタイトルで、山形大学農学部教授の渡部徹氏より講演がありました。日本で唯一のユネスコ食文化創造都市である山形県鶴岡市は、新しい食文化を世界に発信すべく、地域の産官学(山形大学、JA鶴岡、鶴岡市)が連携したビストロ下水道の取り組みを紹介しました。続いて、「地域産業と 連携した下水汚泥肥料の事業採算性の高い循環システム」とのタイトルで、鹿児島高専都市環境デザイン工学科教授の山内正仁氏より講演がありました。この研究では、まず地域バイオマス資源の利用を通して、茶農家のニーズに合った新たな下水汚泥肥料の量産化を行います。次に、これを地域の茶産業へ適用して、事業採算性の高い地域循環システムの構築を目指すものです。
 講演後に「下水道資源を活用した地域循環共生圏形成に向けて」とのテーマでパネルディスカッションが行われ、パネラー(研究者、学生、企業等)は、下水道資源のもつ可能性について、真剣に意見を交わしあっていました。鹿児島高専専攻科2年生の原田隆大さんは、研究を実施してきて感じた新規下水汚泥肥料の特徴や、今後、下水汚泥肥料を広く普及していくために必要と感じていることを発言しました。また2020ミス日本「水の天使」中村真優氏もパネラーとして参加しており、実際に下水汚泥肥料を購入して作物を育てている体験を通しての意見は、参加者も興味深く聴いていました。

ミス日本「水の天使」とは

地域が元気になるBISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th 開催のサブ画像4_ミス日本「水の天使」 中村真優氏ミス日本「水の天使」 中村真優氏

 自然の恵みにもたらされる水循環と豊かで清廉な水を守る人々の心と技に触れて、培った知識と体験を広く伝え、社会に参加する人々の水への意識を高めることを目的とし活動しています。「水の天使」はきらびやかな出演はもちろん、ヘルメットをかぶり地下世界をも体験します。日本全国の上下水道事業に関わるイベント、水に関する国際会議への参加等を通じ、世界に誇る日本の水の知恵と文化を伝える、水の広報官・外交官のような役割です。

研究担当者

地域が元気になるBISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th 開催のサブ画像5_山内正仁教授山内正仁教授

山内 正仁:鹿児島高専 都市環境デザイン工学科 教授/博士(工学)(農学)
教育研究分野:廃棄物工学、環境工学
校務分担:校長特別補佐(特定戦略タスクフォース)
 

鹿児島高専について
所在地:鹿児島県霧島市隼人町真孝1460-1
校長:氷室 昭三
設立:昭和38年4月

教育理念

地域が元気になるBISTRO下水道in霧島 鹿児島高専4th 開催のサブ画像6_鹿児島高専鹿児島高専

・幅広い人間性を培い、豊かな未来を創造しうる開発型技術者を育成する。
・教育内容を学術の進展に対応させるため、また、実践的技術の発展のため、必要な研究を行う。
地域貢献の基本方針
(1) 地域社会及び地域産業界が抱える課題の把握に努め、地域が必要とする取組みや地域に実りある結果をもたらす活動を推進する。
(2) 産学官連携活動及び地域企業や機関等に対する技術開発支援等を集約的に推進するための組織を設置する。
(3) 教職員及び学生は、地域社会の一員として、地域住民や団体、自治体、他の教育機関等との相互協力に努め、地域社会との共生を図る。

URL:http://www.kagoshima-ct.ac.jp/

【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
鹿児島工業高等専門学校  総務課企画係
TEL:0995-42-9020
e-mail:[email protected]

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