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~2022年3月調査結果~
「脱炭素」名称認知は9割に。一方、行動に移している人は増えていない。 関連商品の利用促進ポイントは、若年層「有名人が勧める」「環境に配慮していることを周知できる」、シニア層「利用・廃棄時に環境への影響が少ない」「CO2削減量がわかる」が高め |
株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の「博報堂SDGsプロジェクト」は今年3月、「生活者の脱炭素意識&アクション調査」の第二回調査を実施しました。第一回調査から半年経過し、浸透度や行動はどう変わったのか、また生活者を動かすためのモチベーションはどこにあるのか聴取。「脱炭素」などの認知度は上昇しているものの、行動に移している人は増えておらず、特に若年層では脱炭素について「よくわからない」「意識する瞬間がない」人が約6割に。「金銭的メリットがあれば実践したい」と答えた人は過半数にのぼる一方、脱炭素関連商品・サービスの利用を喚起するポイントは年代別に異なることがみえてきました。
<調査結果のポイント>
【「脱炭素」の認知は進む一方、「意識して行動している」人は増えていない】
- 「脱炭素」という言葉を知っている人は90.8%(前回85.4%)、「カーボンニュートラル」は85.6%(前回77.7%)と5pt以上伸長し、名称の浸透がうかがえるものの、行動に移している人は33.1%(前回32.1%)と増えていない。
- 脱炭素について「国民全員で取り組む問題」、「もっと日本全体でやらないとまずい」と考える人が7割を超え、国全体で取り組むべきという意識は高い。しかし若年層では、「よくわからない」、「意識・貢献できる瞬間がない」と回答した人が約6割に。
【行動のトリガーは「金銭的メリット」。若年層では話題性やシェアできることを重視する傾向も】
- どのようなメリットがあれば、脱炭素につながる取り組みをしたいと思うか聞いたところ、「金銭的なメリット(お得・節約につながるなど)」が52.4%で最も高い。
- 利用したい脱炭素関連商品の特徴も、「金銭を節約できること」がトップに。若年層では、「インフルエンサーや芸能人が勧める商品であること」、「SNSキャンペーンなどを通じて、環境に配慮した生活を送っていることを周知できること」が、シニア層では「使用・廃棄時に環境への影響が少ないこと」、「平均的な商品よりどの程度CO2が削減できるか『差分』が表示されていること」が全体より高め。
【脱炭素関連商品・サービスの利用意向は、一般消費財より耐久財や生活インフラが高め】
- カテゴリーごとに脱炭素関連商品・サービスの利用意向を聞いたところ、家電や住宅・車・電力など、一度購入すれば中長期的にCO2の削減に貢献できるカテゴリーに対して、「少し高くても/手続きの手間があっても、CO2排出量削減に貢献できる商品を購入したい」と回答した人が、一般消費財と比較して10~15ptほど高い傾向。
<調査結果を踏まえて>
「脱炭素」という言葉の認知が広がる一方、自然災害のニュースや関連するテレビ番組を見た時は環境について意識するものの「日常的に意識して行動していない」という生活者が依然として多いことが分かりました。脱炭素社会に向けた行動を促すトリガーとして最も多かったのは、お得や節約といった「金銭的なメリット」があることでしたが、そのような商品やサービスはまだ限定的なため、今後増えていくことが期待されます。また、特に若年層では脱炭素について「よくわからない」と感じている人も多く、彼らの「周囲にシェアしたい」という意識を活用して行動につなげていく施策も有効だと考えます。 加えて、CO2排出量の削減に貢献できる商品・サービスの利用意向は、中長期的に利用できる耐久財や生活インフラなどで高い傾向があり、まずはそのようなカテゴリー商材を中心に、生活者にとって魅力的な脱炭素関連商品・サービスの開発や利用のキッカケとなる施策の実施が進んでいくことが、今後の行動促進のポイントとなりそうです。(分析担当) |
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
対象者:15-79歳の男女1,400名
※分析時は、人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。本資料掲載の数値はウェイトバック後のものを使用
対象地域:全国
調査時期:2022年3月4日-5日
調査委託先:(株)H.M.マーケティングリサーチ
<実施主体>
本調査は、企業のSDGsへの取り組みを支援する全社プロジェクト「博報堂SDGsプロジェクト」が実施しました。
▼博報堂ニュースリリースページ
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/98455/