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~新たに3つの課題解決にチャレンジし、さらにその先へ~
「サステイナブルなひと、生活クラブ」をスローガンとする生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、会長 村上彰一、以下生活クラブ)は、SDGs達成に向けた取組みとして「生活クラブ2030行動宣言」を2022年6月23日開催の第33回通常総会で採択いたしました。
2020年、「第一次 生活クラブ2030行動宣言」を策定し、SDGsの理念に通ずる7つの目標と、SDGsにとどまらない生活クラブ独自の目標の計8つの重要目標を掲げました。第一次宣言以降、実現に向けて数値目標を設定し、年度ごとに評価して進捗を確認しながら新たな課題の検証を続けてまいりました。このたび、世界的・社会的ニーズから、「第一次 生活クラブ2030行動宣言」にさらに3つの新しい重要な目標を追加し11の重要目標に統合しました。新しい目標は「重要目標4 気候や災害への危機対策」、「重要目標9 ジェンダー平等と多様な働き方の実現」、そして「重要目標10 他団体と連携した環境保全」です。
当会は1968年に協同組合として設立以来、50年以上にわたり、食を通して安全や健康、環境への配慮を追求してきました。2015年4月からは、「サステイナブルなひと、生活クラブ」をスローガンに掲げて、いまと次世代のいのちを大切に考え、限りある資源を循環させ、自給する活動に取り組んできました。現在では、共同購入活動だけでなく、生産者や関係者と協力し、地域を超えて循環と共生の輪を広げていこうと、ローカルSDGsを推進しています。
この50年以上の活動を通じ、食の安心安全の追求、国内自給力アップへの取組み、再生可能エネルギーの普及など持続可能な社会の実現に向けてさまざまなことを実践してまいりました。そのような当会にとっても、新たに掲げた3つの課題は、困難ではありますが、今後の社会づくりにおいて実現すべき課題です。そのため、目標達成に向けた数値を明確に位置付け、具体的な事業と活動をすすめていきます。また、目標の達成度を毎年検証し発表する冊子を作成し、当会だけでなく、その関係するすべての人と協力して実現を目指してまいります。
■「生活クラブ2030行動宣言」 のロードマップ
2030年までに「こうありたい」という姿をもとに、いま何をすべきかを考えるバックキャスティングの方法で達成に必要なアクションを実行してまいります。
(https://seikatsuclub.coop/about/vision/declaration2030.html)
■「生活クラブ2030行動宣言」概要
重要目標
1 食料主権の考え方を基軸とした、国内生産の追求と、公正な調達を行ないます。
命の産業である第一次産業において、種に至るまでの国内自給を追求し、生産情報の開示をすすめます。また、国内外を問わず、生産に従事する人々の人権に配慮し、合意に基づく調達を行ないます。
<目標チャレンジの例>
◆持続可能な食の調達を基本とした品物を扱うことを基本とし、食の国内自給を追求
米、青果、畜肉などの一次産品の利用を推進
2 素材本来の味、食材にまつわる知恵や文化を大切にして、健康で豊かな食の実現をはかります。
必要のない添加物や薬剤の使用を限りなく削減し、健康を保つことに貢献する食材の使い方や摂り方などの情報を積極的に共有します。
<目標チャレンジの例>
◆2030年の目標
薬に頼らずに育てた畜産物の数
牛:3,530頭
豚:10.2万頭
鶏:300万羽
3 地球の生態系を維持するため、海や陸の環境保全と気候危機対策に取り組みます。
生物多様性をおびやかす遺伝子操作を行なった食物を扱わないことを基本とし、その生産に反対します。また、生産・流通・消費・廃棄の各段階での環境配慮とともに、重点的に温室効果ガスの削減に取り組みます。
<目標チャレンジの例>
◆CO₂排出量の削減
生協事業における排出量を2050年にはゼロに
◆プラスチックの使用削減
使わざるを得ない場合は再生プラスチックなどに
≪新たな目標≫
4 社会の存続をおびやかす危機への対策をすすめ、 暮らしと未来を守ります。
気候や災害などの危機への対策をすすめ、持続的な生産と消費を確かなものとし、人々の暮らしを守ります。
<目標チャレンジの例>
◆産地との災害時連携
長野県塩尻市や山形県酒田市・遊佐町などと連携
◆地震や風水害などへの対策を整備し危機に強い組織づくりへ
5 原発のない社会をめざし、再生可能エネルギーの生産と普及に取り組みます。
再生可能エネルギーによる電力をつくり、連帯と共同購入によって選択する人や事業者を増やし、原発が必要ない社会をつくります。
<目標チャレンジの例>
◆2030年の目標
「生活クラブでんき」契約件数 59,666件
再生エネルギー比率 100%
6 誰もが個性を活かしながら、安心して生活を営める地域と社会をつくります。
生まれてから生涯を終えるまで安心して生活を営むため、地域に必要な事業および市民活動の環境整備と資源創出をすすめます。
<目標チャレンジの例>
◆2030年の目標
居場所に取り組む地域数 116地域
介護予防・健康維持の活動に取り組む地域数 60地域
7 貧困と孤立を見過ごさず、自立に向けて寄り添い、支え合い、多様な居場所と働き方をつくります。
現代社会が生み出す貧困に目を向け、広がる格差と社会的弱者を孤立させる社会構造の変革をめざします。地域の連携により、セーフティーネットで守られ、誰もが価値のある存在として互いにつながりあえる社会をつくります。
<目標チャレンジの例>
◆ユニバーサル就労の取組み支援の構築
支援のしくみを構築し、取組む地域数を増やす
◆生活クラブ共済ハグくみ
あらゆる世代が経済的にたすけあうため共済事業を広める
8 非戦と共生の立場を貫き、平和で公正な社会をめざします。
戦争のない世界をめざし、世界中の市民や地域との多様な交流をすすめながら、社会的・経済的な発言力を発揮します。
<目標チャレンジの例>
◆海外の市民や生産者との交流
・パプアニューギニア産の「エリンバリコーヒー」の生産者訪問
・台湾と韓国の生協と1999年に姉妹提携締結
≪新たな目標≫
9 ジェンダー平等と多様な働き方を実現します。
女性のエンパワーメントを強め、誰もが働きやすい職場づくりや社会参加をすすめます。
<目標チャレンジの例>
◆生活クラブの組合員数を増やす
組合員を増やし組織としての発言力を持つ
◆働きやすい職場環境の確立
情報技術を活用し、多様な働き方を実現
≪新たな目標≫
10 他団体や行政と連携し、 新たな環境保全活動に取り組みます。
他団体や行政とのパートナーシップを構築し、海洋プラスチック汚染対策やローカルSDGsの取組みを推進します。
<目標チャレンジの例>
◆海洋プラスチック汚染対策
クリーンアップ活動や学習会の開催を推進
◆ローカルSDGsの取組み
主要産地の地域協議会で行政などと連携
11 情報開示と自主管理を基本とし、自ら考え、決め、実行します。
組合員主権に基づく組織運営を基軸として、SDGs達成に主体的に取り組みます。SDGsを超える取組方針についても、自主的な目標を定め、実行していきます。
<目標チャレンジの例>
◆生活クラブの自主基準
消費材をつくる際に守るべき独自の自主基準を設ける
◆消費材Step Up点検
組合員が生産現場におもむき、製造方法などを点検する
<参考>
生活クラブでは、2020年より「サステイナブル フェス!」を開催し今年で3年目を迎えました。生活クラブを通じたサステイナブルな暮らしを体験いただくキャンペーンで、公式YouTubeチャンネルや各種SNSを活用した下記のような取り組みを実施しています。
サステイナブルな生活に関する情報の提供や、組合員やその他の皆さまのサステイナブルな生活の様子を紹介しています。
・Instagramを起用した「サステイナブルな暮らし」を投稿するキャンペーンの実施
・YouTube 「サステイナブル フェス!」公式チャンネル
オリジナルムービー 「サステイナブルCLUB」や、映像で見る全国のサステイナブル フェス!イベントをアップ
▶「サステイナブル フェス!」特設サイト
https://seikatsuclub.coop/sustainablefes/
▶「サステイナブル フェス!」YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCb_XO98Amk10ZA3pHNGvsOQ/
■生活クラブについて
生活クラブは組合員数約42万人の21都道府県、33の地域生協で組織される生活協同組合です。事業高は1千億円。生産から廃棄に至るまで安全や健康に配慮した品物の共同購入活動を通じ、持続可能な生活スタイルを実践しています。また、現在では、生活クラブ生協から派生したワーカーズ・コレクティブも各組織エリアを中心に300以上展開し、福祉や居場所づくりなど地域に必要な事業を作り出しています。
現在では、意志ある生産者など生活クラブとかかわるすべての人々と協力し、地域や世代をこえ、循環と共生の輪を広げる「ローカルSDGs」を推進しています。この取組みによって食(F)、エネルギー(E)、福祉(C)を自給し循環させるサステイナブルな社会の実現を目指しています。
‣ホームページ: https://seikatsuclub.coop/
‣加入・資料請求はこちらから:https://welcome-seikatsuclub.coop/lp/
■生活クラブの受賞歴
<世界的評価>
1989年 「THE RIGHT LIVELIHOOD AWARD(ライト・ライブリフッド)名誉賞」受賞
(※“もう一つのノーベル賞”とも呼ばれる)
1995年 国連設立50周年記念「国連の友」による「われら人間:50のコミュニティ賞」受賞
<国内>
1999年 開発した超軽量牛乳びんグッドデザイン賞
2006年 グリーンピース・ジャパンの「トゥルーフード特別賞」
2007年 Rびんの活動(びん再使用ネットワーク)が環境大臣賞
2009年 「Food Action Nippon アウォード2009」優秀賞受賞
2010年 フード・アクション・ニッポンアワード 2010製造・流通・システム部門 入賞
(国産消費材の供給で145億キロカロリーの自給を高めたことによる)
2013年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/近畿 1位
2013年 フード・アクション・ニッポン アワード2013入賞「食べるチカラ”キャンペーン」
2014年 フード・アクション・ニッポン アワード2014入賞「生活クラブの健康な食デザイン『ビオサポ』」による食料自給率向上への寄与
2014年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏 1位
2015年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/近畿 1位
2015年 <本選びの会>が第8回日本女子大学家政学部賞
2016年 オリコン顧客満足度®調査 食材宅配サービス 近畿 1位
2018年 生協法制定70周年 厚生労働大臣表彰2018年 第6回環境省グッドライフアワード 優秀賞
(NPO・任意団体部門
2020年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏 1位
2022年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/東海/近畿1位