セネガルで電気と通信を未電化地域へと届けデジタルインフラサービス事業を展開する TUMIQUI Japon SASU(ツミキ・ジャポン、Zone Industrielle Sandiara, Mbour, Senegal)と、宇宙空間における光を利用した高速通信サービスを開発している株式会社ワープスペース(茨城県つくば市吾妻2丁目5−1−203)は、今後ますます深刻化する世界の食糧問題に対し、アフリカを世界の食糧庫にしていく計画として、ワープスペースが構築する宇宙での通信網と、TUMIQUI Japon がセネガルで構築した太陽光エネルギー利用の通信拠点とを接続し、アフリカの広大な面積と距離の枠を超えられる通信手段の構築に向けた実証試験の検討に関するMOUを締結しました。
●概要説明
アフリカの地方では未だに6億人が電気にアクセスできず、電話ができても高速に繋がるインターネット(4G/5G/固定回線)の無い地域や、全く電波のない地域が多く見られます。仮に電力だけを充実させても、通信インフラの未整備による地方と都市部との情報格差という課題は解決されません。今回の両社の実証試験の検討に関するMOUは、この通信課題に取り組みながら、アフリカを世界の食糧庫とする未来の計画に向けたパートナーシップとなります。
●MOU締結の会社紹介
○株式会社 ワープスペース
宇宙空間でレーザー光を使用し、人工衛星がデータを高速に地上へと伝送するためのネットワーク「WarpHub InterSat(ワープハブ・インターサット)」を開発しました。人工衛星がレーザー光によって直接地上と通信ができるよう、光地上局の開発も進めています。
○TUMIQUI Japon(ツミキ・ジャポン)
株式会社シュークルキューブジャポン100%子会社のセネガル法人。
セネガルに電気と通信を届けるためのTUMIQUI (ツミキ)事業を展開しており、2019年にはセネガル保健省とMOUを締結、持ち運び可能な小型太陽光発電とWifi通信をセットにした「TUMIQUI Smart Kit(ツミキスマートキット)」を10ヶ所の診療所に導入しました。
2021年には、今回のMOUの締結のきっかけとなる大容量発電に通信アンテナを組み合わせた「TUMIQUI Power Digital Solutions(ツミキ・パワー・デジタル・ソリューション)」をローンチ。必要に応じた大きな電力と、高速回線を限定域内で使用できるサービスを新たに加え、同年10月にはセネガル教育省とMOUを締結。未電化・未電波地域における学校教育でのデジタル配信実証実験を行い成功を収めました。当社は、セネガル政府や自治体・国際機関との強いパートナーシップを築きながら、現地での施工、保守・管理を行なうことのできる、日本発のアフリカスタートアップ企業です。
●締結後の活動について
TUMIQUI JaponではTUMIQUI事業の電力と通信を、最先端の農業に活用することで、アフリカの経済を育んでいく長期的なビジョンを描いています。
ワープスペースの光地上局と衛星通信網を中心としたネットワークの構築は、アフリカ各地と日本とを高速通信で繋ぎ、安全なデータの運用を行うことや、アフリカ地域の衛星データから水源確保や農地開発の計画・実行を可能にします。また、自動農機などの遠隔操作や、安定的な稼働を目指しながら、世界における競争力のある農業インフラの開発を推進する考えです。
特に昨今はウクライナ危機からはじまる食糧危機に世界が直面している背景もあり、アフリカが農業的に発展することで、世界の食料安定供給へとつながることが期待されます。
また、アフリカは農業分野だけでなく、TUMIQUI事業でも取り組んできた、保健分野、教育分野においても同様の課題を抱えており、これまでの「TUMIQUI Smart Kit」 や「TUMIQUI Power Digital Solutions」に加えて、ワープスペース社の構築する宇宙での通信網と人工衛星がデータを高速に地上へと伝送するネットワーク「WarpHub InterSat(ワープハブ・インターサット)」とを組み合わせることで、「電気と通信」「宇宙と地上」の組み合わせで、アフリカを包括的なデジタル社会へと発展させていく目標を掲げています。
このようなビジョンの実現に向け、両社はセネガルに光地上局を設置することを目指し、ワープスペースでは光地上局、TUMIQUI Japonでは現地法や特殊環境下での施工や運用のノウハウを互いに提供していくことを予定しています。
■TUMIQUI Japon公式サイト
https://www.tumiqui.com/
■ワープスペース公式サイト
https://warpspace.jp/