栃木の食卓がピンチ?海なし県・栃木県内の小学生17人が大奮闘!【栃木の食卓を守れ!~海の恵み調査隊~】を開催しました!

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2022年8月18~20日 【栃木県・茨城県】

海と日本プロジェクト in 栃木県実行委員会は、8月18日~20日に、栃木県内の小学5、6年生17名が参加し栃木の食卓に並ぶ“海の恵み”を守るため、海の変化、問題を調査する栃木の食卓を守れ!~海の恵み調査隊~を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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  • イベント概要

・開催概要 総務省2020年総務省統計局「家計調査」ではマグロの消費量が日本一であり、また郷土料理には海の恵みを使ったものがあり、海の恩恵をうけている県です。栃木県内小学5、6年生17名が、その恵みの変化を知り海の問題を学び発信するため、3日間のイベントを開催しました。
・日程:2022年8月18~20日
・開催場所:とちぎテレビ、パルティとちぎ男女共同参画センター、大洗町漁業協同組合、大洗サンビーチ
・参加人数:17名
・協力団体:株式会社元気寿司、株式会社極洋、栃木県環境森林部資源循環推進課、茨城県水産試験場、大洗町漁業協同組合、宇都宮文星女子高等学校
 

  • 1限目 栃木の食卓から知る海とのつながりと海の問題

栃木県では、学校給食にも出されるという“しもつかれ”は、県を代表する郷土料理です。まず最初に講義を通して子どもたちに、しもつかれの材料に使われている“サケ”は、川で生まれ海で育ち、川に戻ってくる魚ですが、近年栃木県の川に戻ってこなくなっている、どうしてか。また、30年後には、消えていく寿司ネタがあるかもしれない、という問題提起をしました。魚を取り扱う方々から「サンマが仕入れにくくなっていること」「なぜ、マグロの養殖をするのか」を説明いただくと、子どもたちは真剣な表情で聞き入っているようで、その原因が海水温の上昇など海の変化であることを知りました。

その後、養殖のクロマグロ解体ショーが行われ、マグロの部位、自然のクロマグロはどこから栃木県に入ってくるのか、を説明いただきました。普段まるごとのマグロを目にすることのない子どもたちは、約40kgあるマグロの解体作業を手伝い、その大きさ、色に驚いていました。最初は尻込みしていた子どもも解体に参加し、解体後のその顔には自信がみなぎっているように見えました。解体中、子どもたちは「このマグロは、大きい方か」「生まれて何年たったものか」「どうして、この部分は黄色いのか」など自分から積極的に質問をしていました。その後、子どもたちは柵にしたマグロを寿司用に切り身にし、寿司を握って、海の恵みをいただきました。自分の手で魚を取り扱うことで、講義で学んだ海水温上昇や海洋ごみなどによる海洋環境の変化が魚類に直接の変化を及ぼしていることを、肌で感じられたようでした。

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  • 2限目 栃木県の取り組みを知る。マイクロプラスチックを知る。

海洋プラスチックごみは山から川、川から海へとつながる中で発生するものであり、上流の栃木県においても自分の問題として考えていく必要があります。栃木県は、2019年8月27日に県及び県内全25市町による「栃木からの森里川湖(もりさとかわうみ)プラごみゼロ宣言」を行っており、リサイクル等の推進をしています。今回は自分にとって身近な取り組みを知り、自分ができることを考えました。栃木県の面積の70%を占める森林は、川を豊かにし、海に流れ、海に栄養分を送っている一方、海ごみのほとんどが内陸からであり、ごみも川から流れて行っていると説明を受けました。

そして、栃木県を流れる鬼怒川の川原から採取した砂をふるいにかけ、シャーレに移し、ルーペを使いマイクロプラスチックを探しました。その後、顕微鏡で確認しごみの種類を予想していました。栃木県の川は上流であるのに、こんなにたくさんのマイクロプラスチックが見つかったことに、子どもたちは驚いていました。子どもたちからは「捨てられたレジ袋がどれぐらい(の年月をかけて)で分解されるのか(海からなくなるのか)」と質問があり、講師からの「1年~20年かかる」との回答に子どもたちは驚いていました。

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  • 3限目 栃木県から一番近い海、茨城県の海の環境を知る

1限目で海洋ごみや海洋環境の変化によって「漁獲量に変化が生まれているのでは?」と考えた子どもたちは、次に栃木県から1番近い海である茨城県の海の環境を学びました。栃木県に降った雨や生活排水は、那珂川・鬼怒川・小貝川から茨城県の海へ流れつながっています。茨城県の海の特徴、海流の潮目が北上していること、海水温が上がってきていること、その影響で「タラ」の漁獲量が減ってきていると海の変化を知りました。その後、漁港で「せり」「しらすの水揚げ」を見学しました。子どもたちから「このコンテナ1個でいくらか」「漁場での仕事は何か」「氷で魚を保存するのはなぜか」「魚の仕事で楽しいことは何か」と質問があがりました。「漁場での仕事の説明」「氷で保存して新鮮さを保つ」「魚が売れて、みんなが魚を食べてくれると嬉しい」との答えをいただきました。

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  • 4限目 海の恵みをいただきしらすから茨城の海洋問題を実感

しらすの水揚げを見学した後、そのしらすをいただきました。
・海水温が上がっている年は、しらすの漁業期間が長いこと
・しらすの処理の仕方(同業者が大洗でのしらすの処理の方法を教わりにきている)
・しらすを無駄なくいただくため、佃煮にしていることなど、組合の方から説明を受け、海の恵みに感謝し、いただきました。参加者から「しらすとちりめんじゃこは、同じ魚か」と質問があり「干し方によって、生しらす・釜揚げしらす・しらす干し・ちりめんじゃこと呼ぶ」ことを知りました

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  • 5限目 海の健康診断を通して海の温暖化・酸性化問題を学ぶ

海水の温度は温度計、酸性度はリトマス紙を使い、実際に計測し「海の健康診断」を行いました。グループごとに計測したところ海水温は22~24度、酸性度はややアルカリ性を示しました。
その後、講師を務める気象予報士から
・海の天気からみえる栃木の天気
・海の酸性化とは?酸性化による影響
・大洗サンビーチで潮干狩りができない理由
の説明を受けました。子どもたちからは「貝、貝殻も海水温の影響をうけるのか」について積極的に質問があがるなど海水温の上昇、海の酸性化を身近に考えることができました。

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  • 6限目 サーフィン体験を通して自分たちが海にできることを考える

次に子どもたちは海を感じるため、サーフィンを体験することに。体験場である茨城県の大洗サンビーチは、海岸が広く海水浴場としても人気です。一方、同じ茨城県の阿字ヶ浦海岸は港の影響のため、砂浜が狭くなり海水浴場が減り消波ブロックが置かれ波が立たず、サーファーが減りました。子どもたちは両海岸を見学し、その海岸の広さを比較し人間との生活と海の関係を学びました。子どもたち全員がサーフィン未体験の中、果敢にチャレンジ。最後には自らパドリングして海に向かっていき、海を楽しみました。またサーファーたちの海への取り組み「ワンハンドビーチクリーン」を知り、自分のできることを考えました。

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  • 7限目 海の気持ちになって栃木県へのお願いを考える⇒返事をしよう

2日間の授業、体験を終え、これまでの復習をしました。そして、ここまで学んできたことを踏まえ、海の気持ちになって「栃木県へのお願いしたいこと」を考えました。海の気持ちになることで、海の問題を把握したかどうかを振り返りそれに対しての返事を考えることで、子どもたち1人1人がこれまで学んできたことを自分ごと化し、自分のできることを考えることができました。

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  • 8限目 学んだことをイラストで表現・インスタライブで保護者の方に伝えよう

宇都宮文星女子高校の宮本先生指導のもと「理想の海、私の想う海」等をイラストで表現しました。子どもたちはそれぞれ真剣に制作し完成させた後、1人づつ発表を行いました。発表の模様はインスタライブ中継をすると同時に、保護者の方にも観覧いただきました。子どもたちは「ごみのない海になっているといいな」「きれいな海には恐竜も住んでいるかもしれない」「きれいな海には色とりどりの魚が増えるかもしれない」とそれぞれの思い描く海を発表しました。この時制作した絵は日本財団 海と日本プロジェクトの一環であるプロジェクト「うみぽす」とコラボして、県内寿司チェーンとのコラボ商品等にしようと検討中です。

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  • 参加した子ども・保護者からの声

保護者からは「家に帰ってきて、子どもから海の話がとまらなかった。」との声をいただきました。また、子どもたちは最終日ごみの仕分けができ、そして何を捨てたらよいかわからないビニール袋には、自らマジックで「もえるごみ」と書き、ごみの分別に意識が高まった様子が見えたとのことでした。

<団体概要>

団体名称:海と日本プロジェクト in 栃木県実行委員会
URL:https://www.tochigi-tv.jp/topics/?id=2334
活動内容:海なし県栃木県と海とのつながり、海の問題などを発信しています。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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