より責任ある日本の水産業界に向けて 

0
606
より責任ある日本の水産業界に向けて  のメイン画像

責任ある水産養殖認証を運営するASCとシーフードレガシーが覚書を締結

株式会社シーフードレガシー(代表取締役社長:花岡和佳男、所在地:東京都中央区)は、Aquaculture Stewardship Council(水産養殖管理協議会、以下ASC)(最高責任者:クリス・ニンネ、所在地:オランダ・ユトレヒト)は、2022年7月1日に覚書を締結いたしました。

 

より責任ある日本の水産業界に向けて              のサブ画像1

世界の天然漁業生産量は、1985年ごろをピークに頭打ちとなっており、資源量も「持続可能でない」とされている割合が1970年代の10%から2019年には35.4%と増加しています*1。一方、世界の養殖業生産量は、1990年代は世界の漁業生産量(天然+養殖)のうち約20%でしたが、2019年には49%まで急増し*1、世界の動物性タンパク源生産において重要な位置を占めます。

養殖業は、安定供給につながる一方で、養殖業者にとって養殖場の周囲への環境負荷や、それによる地域住民の生活への影響、餌となる魚や養殖魚種の稚魚の持続可能性など、環境や社会に対する責任が生じます。ASCが運営するASC認証は、こうした責任を果たす養殖業に与えられる認証で、これを取得した養殖業による水産物は、持続可能、あるいは責任ある養殖水産物として国際的に認識されており、特に欧米のマーケットで高い需要があります。

日本でもASC認証を取得する企業が徐々に増えつつあり、2022年8月時点で、82社が取得しています。生産現場だけでなく、サステナビリティ推進に取り組む企業のニーズもあり、ASC認証水産物の流通も増えています。
また、ASCが行った調査によると、日本の消費者のASC認証の認知度は、2019年の9%から、2021年には23%と、1.5倍に増加しています*2。

今後、両者は情報交換やメディア連携を強化するとともに、産地とマーケットの連携、国内外の流通チャンネルの開拓を協働して行います。世界有数の水産市場である日本で環境持続性や社会的責任を追求する養殖水産物の割合を増やすと同時に、日本の責任ある養殖水産物を海外のマーケットにも広げ、日本の水産業界全体が持続可能かつ責任あるものになることを目指します。

ASCジャパン ゼネラルマネージャー 山本 光治からのコメント

水産養殖業が世界で急速に成長し多様化する中、環境や社会の持続可能性を担保することがより一層重要になっています。業界の変革と更なる成長には幅広いステークホルダーとの連携が不可欠と考えます。今後は、日本の水産物の持続可能性に関連した活動を幅広い視野で牽引するシーフ-ドレガシーとの協働をより強化して邁進して参ります。

株式会社シーフードレガシー 代表取締役社長 花岡和佳男からのコメント

養殖業は世界人口増加に伴う食料不足の課題解決の鍵の一つです。当社はこの度のMoU締結によりASCとの協働を深め、環境持続性および社会的責任の追求を軸とする水産ビジネスモデルの再構築と、世界主要水産市場である日本を中心とするグローバル・サプライチェーンの連携体制強化を通じて、日本の水産業の成長産業化と豊かな未来世代社会構築への貢献を加速して参ります。

*1 The State of World Fisheries and Aquaculture 2022 (FAO, 2022)
*2https://jp.asc-aqua.org/news/latest-news/most-comprehensive-asc-consumer-research-to-date-highlights-potential-of-seafood-to-be-sustainable-source-of-protein/

■ASC(水産養殖管理協議会)ジャパン https://jp.asc-aqua.org/
環境や地域社会と人に配慮した、責任ある養殖により⽣産された⽔産物を対象とする認証制度を運営する 国際非営利団体。2022年7月現在、世界97カ国で20,000品目以上の ASC ロゴの付いた、環境と社会に 配慮して養殖された⽔産品を販売。世界1732養殖場、国内では82養殖場がASC認証を取得しています。またCoC認証件数は、世界で2813件、国内では175件が認証されています。

■株式会社シーフードレガシー https://seafoodlegacy.com/
シーフードレガシーは、社会・経済・環境におけるサステナビリティを念頭に、海と人をつなぐ象徴としての水産物(シーフード)を豊かな状態で未来世代に継ぐ(レガシー)ことを目指す、ソーシャル・ベンチャーです。世界を網羅する幅広いネットワークや専門知識を活かし、国内外の水産企業、NGO、政府等と協働して、日本の水産業に適した解決策を描きます。

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください